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143【過去の財務をどう分析するか?】元銀行員・地方在住・財務コンサルタントの思索

皆さんこんにちは。元銀行員で融資・財務コンサルタントの中村と申します。岡山県倉敷市にて独立系融資・財務コンサルタントとして活動しています。都市銀行に中小企業向け融資の担当者として5年半勤務したのち、外資系生命保険会社の営業マンを経て保険代理店として独立し、2022年まで経営していました。そして、約5年間(2015年~2020年迄)で廃業しましたが、焼肉のエリアチェーン店を作り、5店舗経営していました。経営者としてトータル約7億円借入した経験があります。

コンサルテーションの主な対象は年商10億円規模までの中小零細企業のオーナー経営者と後継者様です。顧問先の経営者の年齢は30歳~50歳くらいと割と若いです。

主な仕事内容は、
①インタビュー・対話形式での銀行からの評価が高まる経営計画策定支援
②銀行借入の再編による資金繰りの改善

となっています。
お問い合わせはメールもしくはfacebookへのDMでお気軽に。
直近3期分のご決算書類と借入返済予定表を無料で分析後、
60分無料経営相談承ります。

nori.nakamuraconsul@gmail.com

https://www.facebook.com/norihide.nakamura.18

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【本編】


はじめに


※このブログ内で中小零細企業で言うところの”過去”とは、「過去1年間の資金の流れ」と定義します。

私は融資・財務コンサルタントを生業としています。まず、企業の実態を把握し、良くも悪くも資金の流れの”クセ”を掴みます。実はここに、自社の克服すべき弱点や、伸ばすべき強みが潜んでいます。今回はその企業にとっての過去をどう探って向き合うのか?について深堀りして行きます。もしよろしければ長くありませんので最後までお付き合いください。

あるべき未来は過去と向き合うことから

このブログを読まれていただいている方は、自分の過去と向き合うことは好きですか?私は決して好きではありません!笑

良き思い出に浸ることはとても甘美ではありますが、人間、数十年生きていたら赤面するような恥ずかしい失敗や、自分の至らなさに気付くことが多々あるのではないでしょうか?

ただ、事業主や中小零細企業の経営者さんらにとっては、”過去1年間の資金の流れ”を直視することは、あるべき未来を描いたり、克服すべき課題があらわになったりと実は良いことずくめです。

多くの経営者がやっているようで実はやっていない、この基本動作とも言える過去との向き合い方のコツとエッセンスを少しだけ披露させていただきます。(ちょっと上から目線で恐れ入ります!)

法人事業概況説明書をご存知ですか?

ほとんどないとは思いますが…。もしこれが決算書類に無い場合は顧問税理士さんへ言って作成してもらいましょう。もしも、渋った場合は、顧問契約の変更を検討しても良いと思います。実はこの書類が、自社の実態を浮き彫りにする入口みたいなものだからです。人間ドックほど詳細ではないけど、ざくっとした健康診断結果のようなイメージです。

法人事業概況説明書を見ると、
月毎の売上、仕入額、外注費、人件費、従業員数等が分かります。販売管理費のうち、役員報酬の総額、従業員の給与総額、交際費、営業利益額、現預金額、会計ソフト、関与税理士まで分かります。

何が言いたいのかといいますと、読んで字の如くですが、その企業の概況がほとんど判明してしまうという代物だということです!もし、初めてその企業の決算書を見せてもらえる場合は、法人事業概況説明書を一通り見た上で、気になるポイントをイメージした上で、貸借対照表と損益計算書を見れば、よりスムースにその企業の理解が進みます。ご存知でしたでしょうか?

これだけあれば、自社が丸裸に!

以前財務分析の基本について述べました。↓

融資・財務コンサルタントとして、その企業の実態把握を深堀する手法として、直近12カ月の実績の資金繰り表を作成することが挙げられます。前段で書いた法人事業概況説明書を分析しても実態把握は可能ですが、本当に詳細にその企業の患部とでもいいますか、根源的な課題を掴むのには以下の書類を揃えて、直近12カ月分の実績資金繰り表を作ることが非常に有効なやり方です。

【必要書類】
①通帳の写し
②現金出納帳
③法人クレジットカードの明細
④生保・損保の保険証券(月払い・年払い・簿外資産の確認)
⑤銀行借入返済予定表
⑥リース契約書類
⑦税金の納付書類

日本財務力支援協会 研修会にて

以上の書類があれば、精度の高い、実績資金繰り表を作成することができます。この一連の作業は最初は骨が折れますが、今後のあるべき未来を描く上で抜群の効果を発揮します。要は仮説構築力が飛躍的に向上します。過去1年間の資金の流れを隈なく振り返る経営者は少数派です。しかし、その作業、分析に取り組むことで、自社の資金トレンド(売上仕入れの季節変動要因)をきちんと理解し、その資金ニーズを掴んだり、不要な経費に気付いたり、はたまた横領などの犯罪行為を察知することにもなったりします。

しかしあくまでこの目的は、向き合った後どう具体的な施策に活かすかということです。そして、この分析をやり遂げた後に、クロスSWOT分析に取り組み、経営計画に記載する具体的のレベルが向上するという副産物も得ることができます。

本当に決算書類を直視することは、経営者にとって根幹の仕事の一つと言えます。

まとめ

・資金の過去の流れと向き合うことで、あるべき未来を描けるようになる。

・法人事業概況説明書の情報量は、なかなかのものである。

・実績資金繰り表を作成することで、仮説構築力が飛躍的に向上する。

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【融資・財務コンサルタントの仕事をかみ砕いて言うと…】

岡山倉敷市という地方都市で、独立系の融資・財務コンサルタントというニッチな業態を生業としています。

得意な分野はやはり「融資」です。貸すと借りるの両方を経験し、その道のコンサルタントとして活動している人はまだまだ少ないと思います。

実務としては、インタビュー・対話形式をメインで、銀行などの金融機関の評価が高まる、改善施策を行動計画にまで落とし込んだ「経営計画」を作るお手伝いとなります。実はこの「経営計画」を作っていく中で、自社の情報を体系的に整理するというメリットを得られます。そして、銀行から自社の財務状況がどう評価されているのか?(財務格付と言います)を算定するノウハウが弊社にはあります。この財務状況がどういう状態なのかをコンサルテーションの中で、分かり易く説明させていただきます。少しだけ踏み込んで言えば、この財務格付の算定プロセスの中に、自社の改善ポイントを見つけることができます。

「経営計画」以外には、銀行借入の再編プランを作り、金融機関への説明資料を経営者と一緒に作成し、場合によっては銀行の許可を得た上で、交渉の場に立ち会わせていただくことも頻繁にあります。銀行融資の再編だけでびっくりするくらいの資金繰り改善に繋がることが多くあります。

色々と書きましたが、年商10億円規模までの中小零細企業の経営者には、頼りになる右腕的幹部社員もいなかったりするケースが一般的です。つまり、私(弊社)は外注幹部社員としての役割を担うことになります。

融資・財務改善を軸としたコンサルタントは多いようで実は少ないと考えられます。このnoteを読まれたことも何かの縁ですので、自社の財務面や戦略面でモヤッとしていることがあればお気兼ねなく、質問などお問い合わせください。メールとfacebookへのDMでどうぞお気軽に。

直近3期分のご決算書類と借入返済予定表を無料で分析後、
60分無料経営相談承ります。

nori.nakamuraconsul@gmail.com

以下、個人facebookです。

※KOKUYO社が運営する経営お役立ちサイトでコラムを寄稿しています。もし良ければこちらもごらんください。無料でダウンロードできるツールもあります。


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