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87【参入障壁の高さが企業の強さ】地方在住経営コンサルタントの思索

写真は岡山県西部、井原市美星町の「星の郷ドライブイン」です。今は周辺の紅葉が実に綺麗です。
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はじめに

毎度当たり前のタイトルで恐縮です。大半の方が「そりゃそうだ。」と思われるでしょう。実はこの「参入障壁」は、かのウォーレン・バフェットが投資銘柄を選ぶ一つの重要な要素だそうです。

これは年商10億円規模までの中小、零細企業の安定的経営においても活用できる考え方です。

今回は「参入障壁」とは何か?という切り口から経営改善のヒントを少しでも掴んでいただけたらという思いで書きます。どうぞお付き合いください。

自社に参入障壁はありますか?

「参入障壁」を今より高め続けられたらこんな良いことはありませんよね。でも「言うは易し。行うは難し。」でこれについての近道もありません。分かりやすく言えば、

「参入障壁を高める。」=「マネされづらいビジネスモデルにしていく。」

と言い換えられると思います。

ただ、この点を意識して経営計画の中で施策を優先的に設定していけば、じわじわ障壁を高めていくことは充分可能です。

しかし、意識していないといつまでたっても参入障壁のレベルは変わらないままでしょう。

なんでこういうことをお話するかといいますと、年商10億円規模までの中小、零細企業は「外部環境」の変化にとにかく弱いんです。

規制や法令、競争環境の激化で今まで確保していた粗利(売上総利益)は一瞬で減る事があり、一気に赤字転落なんてこともザラです。

経済のパイがある程度決まっている地方都市の経済環境においては、「競合他社が生まれづらい」状況にいかにもっていくかということが大切ということになります。

参入障壁の事例

あんまり細かいことを言い過ぎると狭いエリア(岡山県・兵庫県)でコンサルテーションを行っているので、企業が特定されかねないのでばくっと書きます。それでも、参入障壁の何たるかは、真摯に経営されている方なら分かると思います。

弊社の顧問先は年商10億円規模までの中小、零細規模ですが、きちんと参入障壁を築き、安定的に粗利を確保している企業がほとんどです。

以下、業種毎にばくっと説明します。

【小売業のお客様のケース】
所得に比較的余裕がある層の分厚い顧客基盤こそが障壁のキモ。更に、販売業態を高価格帯に絞り、明確なブランディングを実施。エリアにおいてお店に行くことがステータス、と言える水準にまで高めた。宣伝広告費は大規模改革当初から数年間は積極的に投入したものの、現在は大きな広告費投入なしで、工夫が凝らされたイベント的販売形態でも根強いファンを獲得している。唯一のリスクは、美容業界のように、「人」にお客様が付いていることが多く、独立の場合は顧客が一定数減少になる可能性もある。

【製造業のお客様のケース】
まず高い水準の安全技術を社内へ浸透させるしくみを持っていることが重要な業界に身を置いている。ある意味特殊な業界なので、新規参入は大手企業の直の下請けでの参入は難しい。孫請けやひ孫請けのような薄利の仕事で実績を積まねばならないいわば、メジャーリーグの下部組織のようなピラミッド型システムが構築されている。そして、人員を安定的に確保できるノウハウを持ち、人員を確保し、納期と安全基準と製品の精度を守り続け、ひたすら実績を愚直に積み上げていくしかない業界的な特徴がある。簡単に言えば、「長く、真面目にやっていくしかない。」という構造。新規参入で大手の直の下請けに名乗り出るには、小資本では困難を極める。その業界の需要により業績は多少変化するが、新規参入障壁はかなり高い水準にあると言える。

【建設業のお客様のケース】
大規模工場におけるメンテナンス的な土木工事が主となる。やはり大手との信頼関係は安易に短期間で完成されるものではない。まずは、少ないチャンスをきちんとものにしてひたすら実績を積んで行かねばならない。工事のケースによっては、特殊な重機や機械が必要となり、リースで対応できる類ではないこともある。他社が持てない施工技術・機械・元請企業とのリレーションシップが参入障壁といえる。

参入障壁を高める投資していますか?

参入障壁は投資で高めることもできます。具体例は、広告費を積極的且つ戦略的に使用し、エリアにおいてぶっちぎりの他社の追随を許さないブランドにまで高めることです。更には技術力やサービスの力を向上させていくための、高水準の設備機械への投資や、スキルの高い人材を確保する費用として資金を積極的に使っていくことで参入障壁を高めることができます。

業歴(信頼と顧客基盤)という時間軸を味方につけて、参入しづらい環境レベルをどんどん高めていくことも一つの王道でしょう。何事も近道は無いということですね。

まとめ

・参入障壁を高めていくことが自社の安定的な経営の継続していくポイントになる。

・外部環境に弱い中小、零細企業ば他社に参入されづらい環境を作っていくことを意識しなけれればならない。

・参入障壁を高めていくには近道はないが、計画的に資金を使うことで一定水準まで高めることは可能である。
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株式会社なかむらコンサルタンツ

代表取締役 中村徳秀

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