見出し画像

104【中小零細企業が取るべき戦略】地方在住経営コンサルタントの思索

写真は倉敷駅近くにある、倉敷デパートという名の横丁的グルメスポットです。小さいながらも美味しいお店がひしめいています。
ーーーーー

はじめに

3月下旬から4月上旬になり、気温の上昇もあってか、リアルでの食事会を兼ねた情報交換が頻繁になってきました。

基本的に先約がなければお誘いには乗らせていただくタイプです。笑

ジャンルは様々で、地方都市といえど(笑)それなりに雑多な世界があり、経営者、事業主、サラリーマン幹部、元高校球児、郷土歴史愛好家、ビジネスマッチング、大学同門など色んなシチュエーションでの関りは、自らの脳に刺激を注入する時間としても有効だとしみじみと実感しております。

全く別なジャンルの話のようで、実は本質は共通なんだなと思うところもあり、改めて自らの領域の根幹である、年商10億円規模までの中小、零細企業がとるべき戦略の王道が以前よりも鮮明になってきたため、備忘録的に少し、上書きしたいと考えペンを取ります。もし良ければお付き合いください。

ちなみに以前書いた戦略がテーマのブログはこちらです。


後発の弱者と自覚すべし

創業50年を越えるような伝統企業でエリアのトップシェアの企業ならまだしも、創業から10年くらいまでの企業であれば、たとえ現状の業況が絶好調であっても自らを謙虚に「弱者」と捉えるべきではないでしょうか?

創業期の初戦である意味、偶発的勝利を得た場合は、「なぜ勝利できたのか?」を自社(内部環境)と、市場・顧客等(外部環境)の分析を徹底して行うべきです。

周りは持ち上げてくれますが、ここで己を冷静に分析することと、事業におけるゴール(目的)設定を明確にしておかねば、大失敗してしまう可能性が潜んでいます。

マーケティングリサーチをできる範囲において徹底して行い、外部環境を冷静に捉え、機会(チャンスやニーズとも言える)を活かす自社の強みを重ね、全社をあげて取組む次に取っていくべき積極戦略を慎重に選定します。

やはりこれこそが、「弱者」として己を自覚し、取るべき戦略であると考えます。

勝てる領域の戦で勝つ。

競合相手の土俵で戦ってはなりません。地方都市・田舎と言えど、強豪がひしめいているのが成熟した日本社会であることを忘れてはなりません。

自社の商品、サービスの需給バランスをできる限り精緻に調査すべきです。

それに加え、自社がなぜ選ばれているのか?という視点で捉えるべきです。

そこに利益の根源があるとも言えます。

そして、事業を継続していくことで、お客様から感謝されることで現場ではスタッフのやる気が出て更に自己重要感が満たされた状態になり社内に良い循環が生まれます。

そして忘れてはならないのが、効果を計測して検証して改善行動まで起こす、PDCAサイクルです。言うは易く行うは難しですが、地道な積上げの先にゴール設定した「成功」があります。その積み上げこそが、結果的に参入障壁の構築となり、要はこれが差別化の一つともなっていきます。

経営者は「成長の罠」とどう付き合うか?

ピンと来ない言葉かもしれません。マイケル・ポーターが提唱する、経営者が陥ってしまう状況を指す言葉です。

事業意欲と成長意欲がありすぎて、積極的に展開した施策が、自らの強みと独自のポジショニングを全て放棄してしまうという結果になってしまうリスクを指しています。

例えば、高級食パンの店は希少性が大切なのに、店舗が増えすぎて、それがなくなってしまいあっという間に衰退期に入ってしまった例などがあります。

では「新規事業への欲求」や「事業拡大欲求」をうまく調整しながら、確実に勝利をおさめていくにはどうすればよいのか?

これは、経営計画と行動管理しかありません。言うなれば、経営者の自制心です。

地域の伝統企業であれば、1ミス、ないし2ミスくらいは何とか致命傷にならずやり過ごせる場合はあります。しかし、これが創業企業ともなると、内部留保が薄く、経営資源がそもそも貧弱で、どうにか少ない経営資源を1点に集中しているからこそどうにか勝利をし続けているという実態なのに、様々な補助金や制度融資やビジネスの営業もあいまって、まだまだ自社の本業を磨くべき段階にあるのに、シナジーの無い別事業へ挑戦してしまう例は枚挙にいとまがないと思います。

これは地方都市あるあるですが、善意で、罪の意識の無い方も多く、言うなれば無邪気な支援者が後押しするケースが良く起こります。

えてしてわっしょいしてくれる人は、固定給があってある程度安全な領域から「自社商品を買ってもらおう」と手ぐすねを引いて待っている、あまたの営業マン的方々です。笑

しかし、結局は、その経営者自身の「人の目利き力」も重要な能力の一つと言えるのでしょう。性善説過ぎるかも知れませんが、その経営者の精神性が高ければ高いほどその人に見合った人物が周りに集まってくるということかも知れません。

多少、図らずも自己回顧録みたいな反省も踏まえつつの内容となってしまいましたが、「弱者」の年商10億円規模までの中小、零細企業が確実に発展していき不幸になる方々が少しでも減っていくことを願ってやみません。

ただ最後に言いますが、あくまでその企業のゴール設定によって取るリスク度合いは変わります。私の考え方では、ユニコーン企業となる企業になる確率は限りなくゼロに等しいです。(あっ、でもそもそもユニコーン企業ってゼロに等しい確率の出現率ですね。笑)

地方都市での起業という幸せとは?

都市部の方々から見ると、たとえば年商10億円規模の事業をゼロから立ち上げたということは、割とよくあることではないでしょうか。しかし、地方都市においてゼロから10億円規模の商いにまで事業を生み育てた経営者はヒーロー扱いです。笑

幸せの本質を考えるにあたり、規模なんて数多くある尺度の一つに過ぎないのですが、分かりやすいので起業する本人も周りの人達もその人を判断、評価する軸に安易にしがちです。

規模拡大に捉われ過ぎて、既に存在している、ありがたい幸福を手放すことのないように多くの経営者に願います。

こんな幸福論を冷静に、のたまうようになってきた自分に一抹の寂しさと年月の流れを感じずにはいられませんが、今回のブログで、何か気付きを得てもらえれば嬉しい限りです。
ーーーーー

今回もお読みいただきありがとうございました。

軽く読んで少しでも参考になる点あればぜひ「スキ」をお願いいたします。

少しでも共感いただける部分がありますように。

もしフォローいただければ嬉しい限りです。

株式会社なかむらコンサルタンツ

代表取締役 中村徳秀

メッセージ、お問合わせはご遠慮なく個人facebook、もしくは下記メールアドレスまでお願いいたします。

nori.nakamuraconsul@gmail.com






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?