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NYのユニークな生理用品プロジェクトは、日本のアンメットニーズに応えるかもしれない

・「他の女性を助けてあげてください。チャンスはココにあります」と書かれたポスター。これは誰でも生理用ナプキンを寄付できるようにとの意図で製作され、ニューヨークシティの公衆トイレに貼られている

・米国には約21万6,000人のホームレスの女性がいて、多くのホームレスシェルターでは生理用品がじゅうぶんに支給されていないという。生理用品を必要とするホームレスの女性の数に対して、供給できる生理用品の数が圧倒的に少ないのだ。あるシェルターの話だと、1000人ほどいるホームレスの女性に対して、10箱の生理用品がひと月おきにしか届かない

・ナプキンやタンポンを入手できなかった運の悪い月には、靴下やビニール袋、新聞紙、マクドナルドに置いてあるナプキン、あるいは葉っぱなどで対処せざるを得ない状況に。無論、生理中の衛生状態が悪いと細菌性膣炎といった感染症にかかる恐れも大いにある。生理用品の入手はホームレスの女性にとって、時に「食べ物か生理用品かの選択を強いられる」ほどの死活問題となっている

もし生理用ナプキンが買えなかったら?

そんなことは一度も考えたことがなかった。高校生までは母親が買ってきてくれていたし、大学生になって一人暮らしをしてからは自分で買うようになったけれど、高価で買えなくて困るということはなかった。

けれど、買えなくて困っている人も存在する可能性は十二分にある。

ただ、日本において「貧困で生理用品を購入できない人がいる」というのは社会課題としてあがっていない。おそらくその問題に直面している人は多くはないのだろう。でもゼロではない限り、セーフティーネットがあってもいいのではないか。

今回記事で紹介されているプロジェクトの詳細が載っているWEBサイト「Perigives」では、ポスターがダウンロードできるようになっているという。プロジェクトに共感した人が勝手にポスターを作って、勝手に公衆トイレに貼り、そして、勝手に生理用ナプキンが集まる…。そのようなサイクルが形成されている。

1、ペリギブスのウェブサイトから、ポケット付きポスターをダウンロードし、プリントアウト。ハサミでポケット部分をチョキチョキ、ペタペタ。両面テープでポケットを作る。

2、公衆トイレに張る。女性たちが余分に持ち運ぶナプキンやタンポンを「わけてください」と寄付を募る。ナプキンやタンポンが集まる。

3、公衆トイレにやってきたホームレスの女性が、ポケットに集まったナプキンやタンポンを気兼ねなく使う。

このプロジェクトは今後英語だけでなくさまざまな言語へと翻訳し拡散していく予定だという。

もし日本のトイレにもこのポスターが設置されたら、決して大きくはない、けれども切実な訴えに応えることができるのではないだろうか。


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