瞑想中に鼻が痒い。どうする? ── 今からはじめるマインドフルネス入門㉖
「坐禅だと動くと叩かれるって聞いたけど、マインドフルネス瞑想の場合はどうなの? 瞑想中に鼻が痒かったり、腰がムズムズしたりするんだけど、そういうときは掻いちゃっていいの?」
こんな疑問を持ったことはありませんか?
仏教の坐禅は姿勢をとても重視します。
曹洞宗ではかなり細かく坐禅の姿勢が決められていて、その姿勢を保ったまま瞑想することが求められます。お寺によっては、姿勢が崩れている人に対して、その肩を叩く警策(きょうさく)を行っている所もあります(もっとも、警策は「集中できていない」と感じる人が、気持ちを立て直すために自分から求める場合が多いです)。
では、マインドフルネス瞑想の場合はどうでしょう?
マインドフルネス瞑想でも、同じように姿勢は大切ですが「身動き1つしてはいけない」というルールはありません。そのかわりによく言われるのは「体を動かしても良いけれど『気づきながら』体を動かす」というものです。
気づきながら、と言われるとピンとこない人も居るかも知れません。置き換えるなら「自覚しながら」体を動かすということです。
私たちは体を動かすときに、無意識に行動していることが多くあります。たとえば鼻が痒いとき、無意識に手を持ち上げて、指を動かして、鼻を掻いて、手を戻しています。
これを気づきながら/自覚しながら行うわけです。もし気づきながら一連の動作を行うと、
鼻が痒いことに気づく。
それが、どんな痒みなのかを自覚する。
手を持ち上げ、指の形を作ることを自覚する。
鼻を掻くことを自覚する。
そのときに痒みがどのように変化していくのかを自覚する。
鼻から指を離し、手を下ろしていくことを自覚する。
となります。このように細かいステップに分けて、じっくりと、辛抱強く、何度でも自覚しながら人の作業を行っていきます。つまり「マインドフルに鼻を掻く」わけです。
これは鼻を掻くだけではありません。身動き1つとるにしても、できる限り(無理をしない範囲で)マインドフルに行うことを憶えておきましょう。
そうすることで、瞑想状態が途切れることなく瞑想を続けていけますし、結果、より深い瞑想状態に到ることができるようになります。最初は難しいかもしれませんが、すこしずつトライしていってくださいね。
それでは今日も良い一日を。
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