診療報酬改定タイミングで一目瞭然?!病院の経営力を図る視点とは
2月9日の中央社会保険医療協議会・総会で、
2022年度次期診療報酬改定に関する答申が行われ、
ついに新点数・新施設基準などの大枠が確定しましたね!
これを踏まえて色々と準備や調整をされている病院が多いかと思います。
例年、こうした診療報酬改定のタイミングでは
「戦略重視の病院」と「戦術重視の病院」の差が
明確に現れると感じています。
戦略重視の病院は今まで普通にやってきたことや
準備してきたことに点数が追い付いてきたというイメージで
ゆったりされているイメージ。
国は点数を付ける前にすでに方向性を示していることが多いので
注意深くそこを注意深く読み取っていけば
そういう反応になるということですね。
戦術重視の病院は点数を取るためにこれからどうしていこうか
ということを、点数が出てから慌てて考えるイメージです。
医療・介護業界が一般の事業会社と比較して異質なのは
進むべき方向性が第三者(ここでは国、厚生労働省)によって
明確に示されて、価格設定まで決められるという点です。
点数はその点数が適用される1~2か月前に提示されることが多いですが、
今後こういう点に点数を付けていきますよという方向性やヒントは
かなり前から発信・共有されていると思います。
どちらの病院の経営状況がよさそうかは、
みなさんならすぐにわかりますよね。
そうです、答えは「戦略重視」の病院です。
(病院と書いていますが、介護施設、薬局も同じです)
短期的な数字としては結果的に同じということも
十分にあり得ると思いますが、
何が大きく違うかというと現場のエネルギーやエンゲージメントです。
これらは長期的な持続的競争力を保つうえで欠かせない要素です。
もともと「患者は待ってくれない」という予定を組みづらい業種で
仕事に追われるのがベースの大変なお仕事ですから、
これに加えて報酬がこうなったからこうしよう、
あと1か月でこの加算が取れるようにこうしよう、
と場当たり的に改革を進めると現場の混乱や負担が大きく
より仕事に追われて疲弊しやすくなってしまうのだと思います。
(実際、改定ごとに振り回されてもう疲れたというお声はよく伺います)
一方で元々の大きな流れをしっかりと捉えて、
「思ったより点数付いたね」
「思ったよりも条件が緩かったね」
「まだあまり点数にならないけれど次は来そうだね」
と言っている組織は心の余裕が違いますし、
点数に右往左往せず、やるべきことを着実にやっていこう
という自信と余裕が垣間見えます。
医療従事者の心の余裕は、いわずもがな
医療サービスの質や経営状況にも直接影響してきます。
今はコロナのこともあり、色々と悩ましい問題が続くと思いますが
是非一度腰を据えて、国の方向性と診療報酬が
どうなっていくかの予測をたて、
大きな戦略を考えてみるお時間を取ってみて頂けたらと思います。
その戦略を多くの職員と共有し、2年後の2024年度ダブル改定を見据えて
今から準備を整えていきましょう!
ちなみに、人事評価制度の構築過程の話し合いの中で
こうした戦略をもとにどういう人材を育成していけばよいか、
どういう職務を評価すべきか
と話し合っていくと数字と実際の職務が結びつきやすくなります。
これから人事制度の改良を目指されている方は
是非一つの参考にしていただければと思います♪
※具体的方法が気になる方は是非一度、
弊社の相談窓口までお問合せください。
人事コンサルタント
金森秀晃
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