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『葬送のフリーレン』に学ぶ「気づき」の力

最近私がドはまりしている『葬送のフリーレン』。
話し始めたら5時間くらいずっと話せそうな勢いでハマっています(笑)

知らない方のために、ざっくりどんな物語かというと…
1,000年以上生きるエルフのフリーレンが、
10年間一緒に旅して魔族を討伐した勇者ヒンメルの死に際し、
何故自分が悲しんだのかわからず、
人を “知る” 旅に出るという斬新な時系列の冒険もの。

これは人を“知る” 旅でもありますが、
私は美しい「気づき」の物語だと思っています。

人は永遠に生きるかのように生きてしまうと「気づく」力が弱まりますが、
限りある生命だと思うと、見えるものすべてが美しいと「気づい」たり、
なんでもない当たり前に感謝できるようになります。
つまり、限りを意識した瞬間に「気づく」力が高まるのです。

フリーレンはとてつもなく長く生きる種族で、孤独。
それゆえ、心を動かすことや気づく力がとても弱っていたのだと思います。
勇者ヒンメルに出会い、彼の情熱的で限りある短い命が
彼女の「気づきの力」を呼び覚ましたことで、
この物語が始まったのではないでしょうか。

この漫画の中には、ほんわかした旅路の中に、
美しい「気づき」が散りばめられているのですが、
私が世界一美しいと思える「気づき」のシーンが
フェルン(弟子)と一緒に新年祭の「日の出」を見るシーン。

昔、同じ場所にヒンメルたちと来たときは
フリーレンが寝坊したのでヒンメルと日の出を
一緒に見ることはできませんでした。
ヒンメルはフリーレンに日の出を楽しんでほしかったのです。

ただの日の出だし、楽しめると思えないという
フリーレンにヒンメルは言います。

「いいや、楽しめるね。
君はそういう奴だからだ。」

その時のフリーレンにはそれが何を意味するかわからなかったわけですが、
フェルンと日の出を見てもやはりよくわかりませんでした。
「ただの日の出」としか思えなかったのでしょう。

ですが、フェルンには
「でもフリーレン様、少し楽しそうです」
と言われます。

フリーレンは答えます。
「それはフェルンが笑っていたから」

その時、フリーレンは気づくのです。

つまりヒンメルが言った「そういう奴」というのは、
仲間が楽しい時や感動した時は
それを「楽しい」と感じられる心があるということ。
ヒンメルはそれを見抜いていたんですね。

Photo by Jamie Street on Unsplash

その後に続く、フェルンとフリーレンのいい感じで
噛み合ってない会話もとても愛らしくていいので(笑)、
気になる方はぜひ漫画を見てみてください!

気づく力は「限り」を知ることによって高まるわけですが、
フリーレンのように一度来た道を
トレースすること(客観視すること)で
気づくチャンスを増やすことができます。

私たちは1000年は生きられないので、
同じ旅路をもう一度歩むことはなかなかできないかもしれませんが
「限り」を意識して、出来事を丁寧にフィードバックをすることで
彼女と同じように、気づくことができると思います。

以前聞いた時はなんとなくスルーしてしまった言葉も
もしくは、前向きに捉えられなかった言葉も
もしかしたら今トレースしたら違ったものが
見えてくるかもしれませんし
そして、それが今の自分にとって
とんでもない価値ある言葉かもしれません。

それさえ知っていれば、私たちもフリーレンと同じように
限りを知り、人を知る旅、気づきの旅に出かけて
美しい気づきをたくさん獲得することができるのでしょう。

『葬送のフリーレン』、本当におもしろくて
何度も読んでしまうのですが、その度に別の角度からの気づきがあり
とてもおもしろい漫画なので、皆さんもぜひご覧になってみてください!
一緒にフリーレンを語りましょう(笑)

人事コンサルタント
金森秀晃

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