友情と「ブッダの教え」
「善き友と共に生きることは、仏道修行の半ばではなく、すべてである」という仏教の創始者・釈尊(ブッダ)の言葉は有名であるが、友情について調べてみると、奥が深い。
釈尊が生きた古代インドで「友」は「ミトラ」といい、その抽象名詞を「マイトリー=友情」といった。そして、この「友情」は、慈悲の「慈=マイトリー」と同じである。つまり、慈悲という崇高な精神も、友だちの延長線上にあるということらしい。
友情という概念の成立について、仏教学者の増谷文雄はこう述べている。
――古代インドの都市