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色彩の教科書(48)色鉛筆を見て非行を防ぐ!?

子ども(少年や少女)が起こしてしまった様々な事件が報道される。そんな事件に顔をしかめながらも、やはり親として切実に思ってしまうのは、わが子だけはそんなひどいことをする人間にはなって欲しくない、ということだろう。
そのためには何をすればいいのか。
たとえば、子どもの危険信号を読み取る、もっといえば将来「非行に走ってしまう」ような芽を、子ども時代に読み取って方向修正していく。大切なことだが、これはなかなか至難の技だ。
しかし、色について少々気を付けているだけでも(あくまでもヒントの一つですが)子どもの心の状態がわかる。子どもの持っている色鉛筆(またはクーピーペンシルやクレヨンなど)を観察するのだ。
子供がよく使っている色とまったく使っていない色に着目してみる。この色には、子どもの心の底からのメッセージが込められている、という研究報告がある。たとえば次のようなものだ。
赤………内側からの強い力・自己主張・身体を動かしたい衝動
黄………甘えたい・見守ってもらいたい・自己アピール
緑………穏やかな気分
青………集中・静かな気分・開放感
紫………回復・癒し
ピンク…優しい気分・楽しい気分
黒………抑制、抑圧、退行、権力の象徴
白………感情の起伏は最小限・沈黙・分析・観察
これは心理学博士であり、色彩心理研究家でもある末永蒼生すえなが たみお氏が『答えは子どもの絵の中に』という本の中で紹介している、子どもの色使いと心理の関係だ。
子どもは、見たものを正確に描くというより、そこに自分の感情に従った色をどんどん配置していくという特徴がある。つまり「どんな色がたくさん使われているのか」を知ることが、子どもがどんな気持ちでいるかを知るための大きなヒントになる。
たとえば、両親がケンカしたとき、つまり驚きと不安を感じているときに、黒ばかりを使って絵を描く子どもがいるという観察結果も紹介されている。


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