見出し画像

【短歌十首】静寂の輝き

ススキの葉びよんびよんとしならせて雀ら弾むびよんびよんと

大寒の南の窓の日だまりに老猫と背を並べぬくまる

目を射抜く夕陽よ神の言伝てか私はただのしがない人です

図書館の本を開けば「コーヒー」の「コ」が鉛筆で書き足されをり

流行りには乗らない主義と言う口でコメダの豆を食らう節分

静謐の白き光の満ち満ちて自転の止まる雪の日の部屋

雪ののち雨に変われば白銀の放つ光の消える早さよ

生まれきて初めての雪見上ぐれば子猿はまなこ輝かせけり

人間をダメにせむとす毛布掛けダメ人間にされる幸福

ボクサーの闘志をいだきいざゆかんフードかぶって寒波の中へ
 


※第四首
図書館の本に書き込むのはNGとは言え、「ーヒー」となっていたら、そりゃあ「コ」を書き入れたくなりますよね。

※第八首
横浜の動物園ズーラシアの公式ツイートを見て詠んだ歌です。


この記事が参加している募集

作品を気に入って下さったかたは、よろしければサポートをお願いします。創作の励みになります。