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読書記録「The Red-Headed League」アーサー・コナン・ドイル著

Arther Conan Doyle

邦訳は「赤毛連盟」。日本語版も青空文庫で読むことが出来る。
短編で読みやすい一作。

当初、日本に入ってきたばかりの頃に「禿頭倶楽部」と翻訳されたというのがあまりに衝撃的で、ちょっと原文で読んでみたくなった。
今でも赤毛というのはなんだか分かりにくい。だからって禿頭でいいかという問題はあるけれど…
挿絵もなかなかの衝撃。

物語はホームズのもとにやってきた質屋を営む依頼人の話から始まる。
その依頼人、ジャベス氏が話し始めた奇妙な”赤毛連盟”の話。
ある日彼が目にした、赤毛連盟の欠員が出たので新たなメンバーを募集するという広告。赤毛の人であれば誰でも応募可能で、メンバーになれば報酬が貰えるという。
従業員にもすすめられ、応募してみるとあっという間に採用されることになったジャベス氏。しかも、毎日オフィスに来て百科事典の内容を写すだけで報酬が貰えるという。
しかし、喜んで作業に勤しみBまであと少しというところまで来たある日ジャベス氏が目にしたのは赤毛連盟は解散したという張り紙だった。
その後どう探しても赤毛連盟の面々の消息はつかめず、ホームズのところへやってきたのだ。

ワトソンと同じく、ホームズと同じ情報を得ているはずなのに、赤毛連盟の謎が解けないまま読み進めることになった。

犯人がどれほどの悪党なのかこれだけではよく分からなくて、ミステリーとしてはちょっと物足りなさもあった。
確かに、内容自体は身体的特徴でさえあれば赤毛でなくても成立するようにも思った。
ぜひ、映像で見てみたい作品。

活躍を褒めるワトソンに対して、最後はホームズがフロベールがジョルジュ・サンドに送ったという手紙を引用で締めくくられる。

L’homme c’est rien—l’oeuvre c’est tout.

(The man is nothing, the work is everything. )

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