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サステナビリティとセール

サステナビリティの本来の意味をご存知だろうか?

"サステナビリティ=環境" のイメージが先行しているが、本来の意味は "サステナビリティ=持続可能性" である。つまり、中長期的に維持あるいは継続することを示している。

そういう意味においても、ファッションはサステナブルな業界とは言い難い。大量生産されたプロダクトが店頭に並ぶものも、多くの消費者はセールになるまで待ち続ける。セールが開始されても、魅力的ではないプロダクトは売れ残る。売れ残ったプロダクトの多くは廃棄される。このループを少なくとも年2回のペースで実施される。
持続可能性だけではく環境においてもサステナブルではないことは明確だ。

ここでキーワードとなるのがセールだ。もはやセールで値引きされた価格が正規の価格であるかのように錯覚するほど、セールで渦巻いている。

その打開策として、サステナブルアパレルブランドとして認知されているAllbirdsはすべてのプロダクトを同一価格で提供している。しかも、リアル店舗とEC店舗どちらで購入しても同じ値段だ。すなわち、セールを実施しないことを意味する。

そもそも何のためにセールをするのだろうか?一番の目的は在庫処分である。わたしは滅多にセール品を購入しないため偏見が存分なく入ることになるが、セール品で一目惚れすることはあるだろうか。もしあるとすれば、需要予測を誤って追加発注生産したものだろう。

短期的な視点から、セール分の利益を得ることができるが、いつまでも続くわけではない。一方で、中長期的な視点から、価格を固定することはサステナブルな戦略であるといえる。もちろん、そのプロダクトが消費者に刺さるものであることは前提である。

セールによって、人々も地球も疲弊しているかもしれない。

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