サステナビリティという選択肢
「あなたはなぜその服を購入していますか?」
多くの人が安さではないだろうか?
確かに安さ、すなわち価格は購買行動において重要な指標の一つである。しかし、本当に価格だけで購入の意思決定を行ってよいのだろうか。
わたしは購買の意思決定における判断基準の最上位にサステナビリティを提言したい。冒頭の “多くの人” は日本の70%が該当し、ファッションにさほど興味がない層であると、わたしは推測している。そのような層は購買において安さが最上位概念に君臨し、ハイブランドの服を購入しているとは考えにくいからだ。そして、ファストファッションはそのような層にとってまさに救世主となっている。
ということは、そのような層に対してサステナビリティを購買の意思決定における判断基準の最上位に据えることができれば、ゲームチェンジが起こるかもしれない。しかし、課題は決して少なくない。その一つが認知である。そもそも知らないものは怖くて買わないからだ。そして、知らなければ購買の選択肢に入ることはない。
オリラジのあっちゃんが設立したサステナブルアパレルブランド『CARL VON LINNÉ(カールフォンリンネ)』においても、このようなブランドの課題として認知を挙げていた。このケースでは、中田敦彦という絶大な影響力を持った人間を通すことで、認知の向上に努めている。
また、フェアトレードインターナショナルによると、日本のエシカル消費における人口一人当たりの販売額はわずか89円だそうだ。ちなみに、スイスは約100倍に相当する8,988円である。スイスをはじめとするヨーロッパではエシカル消費が前提条件としてあり、そのような購買がかっこいいという風潮がある。つまり、日本では原材料から販売、廃棄までのプロセスで不当な労働が行われていないのか、原材料が天然、あるいはリサイクル素材が使われているかといったことに関心が低いと言わざるを得ない。
わたし自身まだまだ勉強中であるが、サステナビリティが自分事として考える人が一人でも多くなることを願っている。