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マニュアルか?それともオートマか?

National Coffee Association USAの2021年春の最新レポートによると、コーヒーを飲む人の85%は自宅で少なくとも1杯のコーヒーを飲むそうだ。
この数値は2017年から10%増加し、未曾有の事態によって昨年1月から8%増加しているそうだ。

機械でプロの味を再現

わたしはコーヒー豆を挽くのも、コーヒーを淹れるのもすべて自分の手で行っている。

そんなわたしが最近気になっているのが、ツインバード工業の全自動コーヒーメーカーである。

名店の一つであるカフェ・バッハ店主の田口護氏が監修し、ミルでコーヒー豆を挽くところから抽出までを全自動で行う。
もともとコーヒー好きの間では人気があったプロダクトで、昨年末に放送された「アメトーーク!」の「家電芸人」で紹介され、大ヒットにつながった。
ツインバード工業マーケティング本部マーケティング部部長によると、2021年の年始の販売台数は、前年の約10倍まで伸びているそうだ。

他のコーヒーメーカーとの違いは、独自の抽出温度(83度と90度)と蒸らし湯量の設定である。
指定した温度を上げ下げして細かく調節したり、お湯の出し方等、ハンドドリップに近づける英知が詰まっている。
また、本体とドリッパーの間には約2 cmのすき間が空いており、目で楽しむ工夫も施されている。

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(出典:MONO TRENDY ヒットを狙え)

アルチザンなモノづくり

わたしがこのプロダクトに強い思い入れを持つ理由は、アルチザンなモノづくりをしているからである。

ツインバード工業は職人の町で有名な新潟県三条市の企業である。
余談であるが、わたしはコーヒー器具の多くを新潟県燕市の老舗琺瑯メーカーであるツバメシリーズを使用している。

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先日投稿した『アルチザン x サステナビリティ = クール』でも述べたが、HERMESやLOUIS VUITTONのように優秀な職人、その職人ならではの技術街や地域歴史といった無形資産を巧みに使いながら、適切にブランディングをすることが、日本企業躍進の鍵を握っていると考えている。
もちろんわたしがこのようなブランドに愛着を湧くということを前提とした発言である。

従来のような物質的なモノとしての価値だけでなく、自宅にいながらプロの淹れたハンドドリップをいただけるといった体験価値を提供していることが、これまでのモノづくりとは異なる点である。
今後は、自宅にいながら手軽に自動焙煎できるプロダクトが生まれるかもしれない。
もしそんなプロダクトがあれば、わたしは迷わず購入するだろう。
また、その人の味覚や体調といったパーソナルデータをもとに、パーソナライズされたコーヒーを提供できるプロダクトも生み出されるかもしれない。

自分の手でコーヒーを淹れる意味

以上より、ツインバード工業の全自動コーヒーメーカーは大変魅力的なプロダクトであるのは間違いないのだが、今のところ購入予定はない。
というのも、自分の手でコーヒーを淹れる時間は、わたしにとって心の整理であると同時に、無心になれる時間である。

この時間は誰にも邪魔されない時間であり、この時間を意図的に確保することによって、一日一日の生産性を高めている。
理想は先日訪れた “とれぽ珈琲” のように、古民家リノベーションして、自然を感じながらコーヒーを淹れたい。

全自動で豊かな生活を手に入れるのもよし、手間はかかっても自分の手で豊かな生活を手に入れるのもよしだろう。
ちなみに、洗濯は基本的に全自動だが、白シャツはウタマロ石鹸で襟元や袖を手洗いしてから洗濯機に投入している。

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