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着物?ジャケット?
“和洋折衷”という言葉がある。
日本風と西洋風の様式をともに取り入れることを意味する。
先日、文字通り和洋折衷と表現するに値する、あるプロダクトを購入した。
一目惚れ
出会いは、新風館であった。
もともと、green bean to bar CHOCOLATE目掛けて行ったので、他にどんなショップがあるのか、全くリサーチをしていなかった。
ファッションは大好きなので、中目黒発の有名なセレクトショップの1LDKやキツネのアイコンでお馴染みのMAISON KITSUNÉといった錚々たるショップが並ぶ中、わたしの目を引いたのがY. & SONSである
ショップスタッフ皆それぞれの和洋折衷を身に纏い、厳かでありながらもどこか抜け感のある洗練されたスタイルであった。
わたしはその姿に一目惚れをし、さまざまな羽織りを試着した。
その中でも惚れ抜いたのが、羽織 / 120's ウールトロピカル / Navy(With tailoring)である。
このプロダクトはファッション好きにはお馴染みである日本のブランドCOMOLI定番のジャケットやパンツに使われている生地を羽織に仕立てたものである(別注商品です)。
袖が着物のようになっているので、トロピカルウールのオチ感が素晴らしく、それでいて着ていて軽い。
ジャケット感覚でありながら、着物の要素を存分に味わえる。
また、身丈や裄丈はオーダーであるため、自分に最適なサイズで着用することができる。
まさに、洗練されたプロダクトである。
非合理的
ホームページの一文を丸々引用させていただく。
都市の風景は、ファッションで完成される。
きものは、洋服より面倒だ。まず、着る時の手間がかかる。着てからのふるまいだって気を遣う。けれど、きものには、そんな面倒を飛び越えてしまう刺激がある。熟練の技術者が手がけた、生地や帯。その出来映えは、どんなハイファッションにも引けを取らない。そして、組み合わせる小物で、その人らしさをどんどんと繰り出してゆけるおもしろさや、カッコ良く着こなせた時の周囲からの賞賛や羨望の目。そこには、洋服だけを着ていては味わえないような、挑発がつまっている。日常に、「わざわざ、きものを着る」という非日常を取り入れる。それこそが、私たち Y.&SONS が世界に打ち出したいアイデア。簡単に答えが出ない。それこそが、ファッションの本質であり、おもしろさだと思うから。あなたの毎日に刺激を与える、コンセプトショップ。それこそが Y.&SONS の目指す道です。都市を形づくる究極のファッションは、あなたからはじまる。
とにかくこのステートメントに込められた思いがわたしの心にビシビシと伝わった。
特に、「わざわざ、きものを着る」という一文は秀逸である。
前提条件として、きものは洋服より面倒なものと定義した上で、日常にきものを取り入れようと提案している。
一見すると非合理な戦略に見えるが、ファッションという全体における文脈で見ると、合理的にも見える。
そのまま着物を提案するのではなく、都市の風景に溶け込ませるようなデザインや着こなしの提案をするのである。
つまり、着物の現代版アップデートである。
もちろん、マスに向けたプロダクトであることは認識しているが、ファッション好きな人には刺さるプロダクトであると確信している。
個人的には、海外のファッショニスタからの発信が起爆剤になるのではないかと思っている。
マルジェラが日本の足袋からインスピレーションを受けたシューズが日本人のファッショニスタから絶大な支持を受けているように、ファッションの和洋折衷がさらに進化を遂げるかもしれない。
コーヒーのサードウェーブと似たようなムーブメントになるかもしれない。
それにしても、今日のコーヒーのお供はチョコレートか羊羮のどちらにしようか。
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