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散文 5

5Gが開通したら
電磁波がやばいことになる
もはや電子レンジの中で生活するようなものだ

あの話は一体なんだったのだろうか
線路の上に走る高圧電線を潜りながら
そんなことを思い出す。

便利になる
ということのリスクなのだろう。
多少のリスクを冒してでも
利便性を求めてゆく
それが現代社会といえるのだろう。

健康を害そうが
多少の我慢を強いられようが
便利さというものに麻痺しきっている
我々現代人。
もう元には戻れないところまできていると感じる。

頭では理解できるものの
公衆電話に並び
テレホンカードを使い
暗号じみた数字の羅列を
ポケットベルに送信する
そんな暮らしにはもう戻れないのだ。

どの瞬間でもそうだが、
最新のものはそのうち古くなる。
先ほどのポケベルの話もそうだが、
その当時、
それが最新の手段だと実感しながら利用していた我々の体験談を伝えたところで
今の若い子達には理解どころか想像すらつかないような世界なのだと思う。

今、目に見えている物や機器。
流行りもブームも全て廃れてゆく。
例えばこの時代に初代iPhoneなんか使っていたら物持ち良過ぎて珍しがられるし、
〇〇なう
みたいなことを言っていたら
逆に新しいなどと思われてしまう始末である。

考えることすら携帯頼みの昨今。
何もなかった頃に戻りたい
などとは微塵も思わないが、
こうなってしまっている以上
今を楽しんでゆく
これに尽きるのであろう。

全てのものはいつか終わりを迎える
特例などはなく
いつか全ては消えてゆく

今というこの瞬間は
とても儚く、とても尊いのだと思う。
辛く、苦しく思うことも
過ぎ去ってしまえば記憶の隅に仕舞い込まれる。
どんな時も
なんていうのは無理だとわかってはいるが、
出来うる限り、
大切に思いながら過ごしてゆきたいものである。

電子レンジと言われたこんな世界でも
夕焼けは今日も美しく、
私はただ茫然と眼を奪われている。


散文として






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