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モノを売るだけでなく、文化を作る

ユニクロからLifeWearMagazineというフリーマガジンが季刊されています。

LifeWearMagazineはユニクロが掲げるコンセプト「LifeWear」のなんたるか、その雰囲気を伝えるのが目的と思われます。
編集長には雑誌POPEYEの元編集長が招聘されていて、毎号とても読み応えがあって楽しめます。(ジルサンダーのインタビューがすごく印象に残ってますね。バウハウスに影響されたって話とか。)

中身はユニクロの活動や製品の紹介に留まらず、世界各国の地域や文化人にスポットを当てて話が構成されています。新刊ではロンドンのバービカンエステートやスウェーデンのヨーテボリが取り上げられています。だいたいは地域そのものと住民のかたが取り上げられていて、地域の雰囲気やなりたち、どうやって日々の生活を送っているかが書かれているように思います。

まぁ結構な手間をかけた雑誌です。そうとうにお金がかかっているのもまちがいないかと。
ユニクロがなぜそんなコトをするかというと、ものづくりメーカーからLifeを作るメーカーになりたいんじゃないかと思います。単に服を作るだけじゃなくて文化や思想・人の生活そのものを作って行こうってことじゃないでしょうか。

ユニクロって大量生産による高品質低単価を実現していてクオリティが高いとはよく言われています。それでいて、もう服だけじゃなくて寝具なんかにも手を付けてますし。

ただ一方で、ユニクロはマス商品だから強烈な個性には乏しかったように思います。だからこそ、LifeWearでは上記のように文化人や地域をとりあげたり、店頭(製品)ではコラボがすごく多い。協賛してくれる企業・ブランドと手を合わせることでブランド価値を高めていこうとしてます。

平たく言ってしまうと、ユニクロはAppleやNikeのようになりたいんだろうな〜と見ています。ユニクロ発でコラボが生まれるようなイメージ?ですかね。AppleやNikeも強烈なメッセージ性があって、文化的側面(ブランドによって人生を変えてしまうようなカリスマ性みたいな)が構築されている。
少なからぬ人がAppleやNikeを使う「意味合い」をなんとはなしに持っているはずです。

ユニクロは絶賛文化の構築中〜というわけですね。ユニクロは最近花屋をやったりとか色々面白いですよね。

自転車業界はというと…

最近、ロードレース界隈でのTop of Topのプロダクトが代替わりするということで、発表がなされました。

https://twitter.com/cyclowired_jp/status/1432735719747846145

4〜5年スパンでなされていたことですが、私の観測範囲だと代替わりを経るごとにリアクションが薄くなってるな〜とは思っていたり。とはいえ、私の観測範囲がターゲットじゃなくなってる可能性もあるのでなんともいえず。

https://skmzlog.com/roadbike-supercar/
>>高価格はともかく、高すぎるスペックを持て余すことに対して、ちょっと冷めてきている人もいるんじゃなかろうか。

発表直後にこんな話も出るぐらいなので、モノ一辺倒で価値観がアップデートされないプロダクトはきついな〜と思う次第です。モノで攻めるならAppleのM1チップぐらいのインパクトがないと世間様の感覚が鍛えられすぎてて反応してくださらないですね。大変なご時世です。

自分に関しては、モノ+文化のハイブリッドメーカーでありたいと思いました。

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