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草花の美しさ

職場に向かう道の途中で、淡い花びらを付けた桜の木を見かけました。
予想よりもはやく姿を見せたことに驚いたその二日後、東京での桜開花の知らせが舞い込んできました。

スタートを切った東京に次いで、横浜でも開花が発表され、その他の地域からも来週にかけて、続々と便りが届くと予想されています。
皆さんの地域の桜はいかがでしょうか。

職場までの道のりには、桃の木も見られます。
梅と同じ頃に咲いた桃は、日毎ひごとに花びらの色を濃くしていき、今ではくっきりとしたあでやかな「桃色」を見せてくれています。

実家の庭の草花たちも続々と目を覚まし、春の息吹を感じられるようになりました。

青々とした芝生、足元の小さな草花たち。
美しく咲きほこる黄色いレンギョウの花には、先日ヒヨドリが遊びに来てくれました。

機嫌良く鳴きながら、レンギョウの中央に体をおさめ、顔を傾けて花をついばんでいるような仕草を見せていました。
窓からそっと離れ、部屋に置いていたスマホを手にして戻ったら、もうその姿はなく写真におさめることができませんでした。
でも、また遊びに来てくれるはずです。

黄色い花といえば、近所のおうちの玄関には、黄色いスイセンの花が3つ4つ並んでいて、可愛らしいラッパの形は、春の音楽隊を想像させます。
その音色に導かれて、お次はどんな花が咲くのでしょうか。

職場の桜の木は、日当たりが関係しているのか、まだ咲きそうにありません。
桜が散ると、いつもなら次の春まで意識することがないのですが、この一年間は職場の桜の木をひそかに見守っていました。

緑生い茂る夏、古い葉を払い落とす秋、養分を蓄える冬。

同じ場所に立ち続け、さまざまな天候を乗り越える桜の姿はたくましく、ともに生きる仲間のようにも感じて、時々見上げては元気をもらっていました。

そして、ようやく春です。
見守ってきたからこそ、蕾が花開く瞬間が待ち遠しい。

植物は、咲く時期だけに目を向けてしまいがちですが、一年を通して植物も生きていて、花を付ける以外にも美しさがあることを忘れずにいたいと思います。

庭のハナミズキは枝先がぷっくりと膨らみ始め、アジサイはきれいに巻かれた黄緑色の若葉を付け始めました。キンモクセイも、そろそろ枝木を空に向けて伸ばし始めます。
植物たちが、それぞれに輝く季節に向かって、確実に準備を進めています。

自分の輝く瞬間がいつなのかは分かりませんが、コツコツと今を積み重ねる毎日が、その瞬間にたどり着くまでの準備期間だと言えるよう、成長への努力を続けていきたいと思います。


2023.03.15 夜


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