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冬の星々を見上げて

20日の夜、数日ぶりに星空を見上げました。

木々を揺らす少し強い風が、夕方まで空全体を覆っていた雲を追いやったようで
一握りの名残なごりの雲がほわん、ほわんと星空に残っていました。

冬は、星空がいちばん綺麗に見える季節だといわれています。

大気にふくまれる水蒸気が少なく
空の透明度が上がって、星がはっきり見えるからだそうです。

もうひとつ理由があって、ほかの季節よりも明るい星々が多く、きらきらと光り輝くさまを見られるからだといわれています。

まさに、南の空いっぱいに広がる冬の星は
一等星らしい強い輝きをはなっていました。

とくにシリウスの輝きは、圧倒されるほどするどく、美しい。
風のおかげで星々が瞬き、さらに美しく見せてくれます。

シリウスは「おおいぬ座」の星で
その体は、空の低いところにあります。

私が星空を見上げる22時ごろは、まだまわりの家々の明かりがついていて
空の低いところにある星は、明かりでかすんでしまい見づらいことが多いのですが

この夜は一段と星が明るく、
おおいぬ座の全体像をはっきりと見ることができました。
嬉しさに尻尾をふって空を駆け回っていたのかもしれません。

オリオン座にある「オリオン星雲」の
ぼんやりとした小さなかたまりも、いつも以上にはっきりと分かりました。

オリオン星雲がこんなに見えるということは......

と、私はさらに窓から身を乗り出し、空の高いところに目を向けました。

今度はオリオン座より少し高いところに、あかい色の星。

おうし座のアルデバランは、おうしの光る目として輝き、その辺りにおうしの顔があることを教えてくれます。

そして今年はその近くに、さらにあかい色をした星が。
地球のおとなりの惑星、火星が
その字のごとく、燃えるようにあかく輝いていました。

あともう少し、と窓枠を掴む手に力をこめ、ぐいっと上半身を乗り出すと

見えました。私の大好きな、天体。

プレアデス星団です。
日本では“すばる”とも。

初めてプレアデス星団を見つけられたのは、星空を目的に、知人と山の近くまで車で向かった夜でした。

星々の集まりである星団というものが、望遠鏡をつかわずに目だけで見えるということにも驚きましたが、
持って来た双眼鏡をプレアデス星団に向けると、レンズ越しに広がる数々の星。
まるで小さな宝石箱をのぞいているかのようで、思わず「わぁ」と声を出しながらみとれてしまいました。

住宅街から見るプレアデス星団は
あのときの輝きには少しだけ負けてしまいますが、それでもやはり美しい。

久しぶりに双眼鏡を引っ張り出して、宝石箱を眺めたり、中の宝石の数をかぞえてみたりと楽しみました。

東の空には、しし座の大きな鎌の並びと
その後ろには大きなひしゃくの形をした星の並びが。
春がたしかに近づいていることを、知らせてくれました。

1月20日、「大寒だいかん」の夜でした。


2023.01.21 朝


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