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新たな作家さんと出会える幸せ~村山早紀さん『桜風堂ものがたり』読了~

SNSでたまたま目にして、「面白そう!」とビビッときたこちらの本。

主人公・月原一整はとある老舗書店の目利きの文庫担当。とある事件がきっかけで勤務先の書店を去ることになり、行き着いた先は「桜風堂」という小さな町の書店だった…。

しばらくは、一整の生い立ちやキャラクター、舞台となる書店の大枠が展開されていくのでややスローな進みですが、ハイライトとなるある一冊の本をめぐるエピソードがはじまってからは、とにかく続きが気になって読むのを止められませんでした。

本、書店、書店員、出版社の営業など、読書好きにはたまらないモチーフが盛りだくさんで、とにかく楽しかったです。一冊の本に惚れ込み、どうにか一冊でも多く売りたい!という書店員さんの熱意が優しい文章から伝わってきて、本や書店がより一層愛おしく感じられました。

主人公はもちろん、周りの人物たちもキャラクターが素晴らしく、これからの展開が楽しみです。続編があるようなので、早速オーダーしました。

題材は違いますが、『神様のカルテ』を読み終えたときの気持ちに似ているなと思いました。美しい自然の描写とともに、あたたかく、優しい人間模様が展開されていく一冊です。

作者の村山早紀さん。これまで知らなかった作家さんでした。自分が今まで知らなかった作家さんとの出会いは本当に嬉しく、幸せです。早速読書好きの友人と共有しました。

本や書店が好きな方、『神様のカルテ』が好きだった方、優しい気持ちになれる本を探している方などへ、自信をもっておすすめできる作品です!!

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