本当に”世界一わかりやすい「ゲーム理論」の教科書”

こんにちは。ゆずこです!

今回は、小関尚樹さんが書かれた”世界一わかりやすい「ゲーム理論」の教科書について記録したいと思います。

まず、一言言わせていただきたいと思います。

この本、めちゃくちゃわかりやすいです。興味本位で読んでみた、超初心者の私でも理解できるように、具体的に書かれており、まるでコミカルな小説を読んでいるようでした。というのも、ゲーム理論の説明が、架空の会社・ヘンリースナック社の経営企画室で働くリナや銀縁先輩の事業改革を通して、説明されているのです。

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1.ゲーム理論・ゲームツリー

会社経営では、競合他社より利益を得て、会社を成長させていく必要があります。そして、会社が市場で他社と戦うときに武器になるのが、ゲーム理論なのです。ゲームとは、「複数のプレイヤーがいて、その間で利益のやり取りすること」(p.42)であり、ゲーム理論は会社経営だけでなく、日常の様々な場面で応用されています。また、この理論において用いられるゲームツリーは、「意思決定をする際に、時間軸、またはロジックの順に沿って状況を整理し、意思決定を下すべき段階を明らかにするツール」(p.50)のことをいい、現状を客観視し、次にとるべき戦略を決めるときに大いに役に立ちます。

2.ゼロサムゲーム・プラスサムゲーム・マイナスサムゲーム

この考えは、市場を丸いパイ生地・円グラフに見たてて、自社のシェアや今後の経営戦略を考えるときに使います。例えば、とある市場において、A社が40%、B社が25%、C社が10%、その他の企業が25%を占めているとします。ゼロサムゲームは、すでに市場規模が固定されている状態の考え方です。市場が固定されているということは、B社がシェアを5%伸ばした場合、その他の会社のシェアが5%下がります。よって、

B社(+5%)+その他の会社(-5%)=0

となります。これがゼロサムゲームです。

では、プラスサムゲーム、マイナスサムゲームとは何なのか。この二つは、そもそものパイの大きさ(市場規模)が変わることを指します。市場規模が小さくなった一例として、牛丼の価格競争が挙げられています。市場シェアを獲得するために、A社は価格を下げて牛丼を提供し始めました。その結果、それに追随する形で、競合他社も価格を下げ、熾烈な価格競争が勃発しました。会社はこれにより疲弊し、値段をもとに戻した結果、客が減り、市場・パイは小さくなりました。また、新しい市場の誕生については、シャンプー市場が挙げられています。シャンプー市場が停滞期を迎えていたころ、花王がブランド「アジエンス」を売り出しました。シャンプーに「アジアンビューティー」という価値観を持たせたのです。その後、資生堂が「日本の女性は、美しい。」(川島蓉子『資生堂ブランド』2007、文春文庫、p.72)のコンセプトに「ツバキ」を売り出しました。これにより、シャンプー市場に新しい価値観の市場が誕生しました。

3.合理的なブタ

市場によって、最初からシェアNo.1を目指すのは不毛のようです。市場No.1の会社の力を使って、効率的に、無理せず着々とシェアを拡大していく戦略が書かれていました。合理的なブタの考え方は、ブタがエサを食べるためにもっともよい方法を知ることであり、この考え方は経営において、最も良い戦略を考えることに役立ちます。

2匹のブタがいます。この二匹は体格が異なり、1匹は大ブタ、もう一匹は小ブタでした。二匹は、エサのもとへ向かいますが、エサのところへたどり着くには、レバーを下ろして、扉を開けなければなりません。この時の行動として、

①2匹ともレバーを下ろそうとする。                 ②大ブタのみレバーを下ろそうとして、小ブタはしない。        ③小ブタはレバーを下ろそうとして、大ブタはしない。        ④2匹ともレバーを下ろそうとしない。

という4パターンが考えられます。自社が小ブタであるとき、最も効率よく、無理なくエサを食べる方法は何でしょうか。

答えは②ですね。体格的に有利な大ブタに対して、不利な小ブタが同じように行動しても、多くのエサは食べられません。しかし、大ブタがレバーを下ろし、扉があいた瞬間に、急いでエサの場所へ向かうことで、大ブタが来るまでの時間ができ、エサを①③④より多く食べることができます。

4.コーディネーションゲーム

はじめて入るお店で注文するのはどのような商品でしょう。客はどれを頼めばいいのかわからない時、おすすめを選ぶのではないでしょうか。人は、誰かがおすすめしている商品に安心感を持ちます。逆に、いいものでもおすすめがないと、様々な商品が存在するため、それらのうちの一つとしてなかなか選ばれません。この心理を利用して、あらかじめメニューにおすすめを提示し、自慢の商品を知ってもらい、客を増やしていく戦略があります。それを、コーディネーションゲーム(同調圧力)といいます。

5.囚人のジレンマ

A、Bがいるとします。A、Bは、棚の中にしまってあったプレミアムのポテトチップスを食べてしまいました。それは、双子のお姉ちゃんが大切にとっておいた代物でした。彼女たちはポテトチップスがなくなたことに気づき、かんかん。しかし、証拠はなく2人は別々の場所でA、Bを問い詰めています。双子は「一方に不利な話をしたら怒らないであげる。だけどもう一方はスーパーまで買いに行かせる。」とそれぞれに言うのでした。

ここで考えられるのは、

①A、Bともに黙秘。結果、誰が食べたのか不明。            ②AはBが食べたという。結果、Bは買いに行かさる。          ③BはAが食べたという。結果、Aは買いに行かさる。          ④A、Bともに言う。結果、A、Bともに買いに行かされる。

というパターンが考えられます。このことから、A、Bはそれぞれの出方を考えて、自分が不利にならない方法を考えなければなりません。①が最も良いですが、Aが言わないという保証、Bが言わないという保証はどこにもありません。これが囚人のジレンマなのです。

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この本を読んで、ゲーム理論とは何て面白いんだろうと勉強になりました。もっとたくさんの理論を勉強していきたいなと思うことができたので、この本に感謝!

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