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道徳の題材をどの「面」で捉えているか理解して授業する


1 道徳の内容項目

 中学校の道徳には、22の内容項目が設定されています。この22の項目を1年間かけて取り扱っていくわけです。
 具体的な内容項目を知りたい方は、以下のURLから飛んでいただければと思います。

https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2019/03/18/1387018_011.pdf

2 道徳の題材を立体的に考え、内容項目を「面」で捉える

 道徳の題材というのは、教科書に書いてある物語やエッセイ、または自校の独自教材です。
 それぞれの教材には、内容項目が設定されています。
 しかし、必ずしもその内容項目としか捉えられないかというと、そういうわけでもありません。

 例えば、太平洋戦争を題材にした平和学習を、道徳の授業で行うとします。

その題材に対する迫り方(発問)や取り扱い方によっては、例えば次のような3つの「面」で捉えることが可能です。

図1 平和学習の3つの面

 授業でどの「面」を取り扱うのかはっきりさせないと、生徒たちの思考は迷走して、深まりのない授業になるでしょう。

3 必ず1つの面でないといけないか

 そういうわけではありません。
 学習指導要領にも、次のような記載があります。

内容項目を熟知した上で,各学校の実態,特に生徒の実態に即して,生徒の人間的な成長をどのように図り,どのように道徳性を養うかという観点から,幾つかの内容を関連付けて指導することが考えられる。

中学校学習指導要領解説 特別の教科 道徳

 なので、焦点がずれないように主題を設定して、その関連内容を何かをしっかり把握すれば問題ありません。

4 「評価」に意識が向いてしまっているような気がする

 道徳が「教科」になり、評価をしないといけないために、先生たちはとにかく生徒の学習プリントの記述を見て、評価を一生懸命されています。しかし、評価に意識が向いてしまうあまり、自分の授業実践の振り返りができているのか、という疑問があります。

児童生徒にどういったカが 身に付いたか、という学習の成果を的確に捉え, 教師が指導の改善を図る

学習評価の在り方ハンドブック(小・中学校)

ことが評価の1つの側面です。
 生徒の振り返りを見て、自分の教材研究で足りなかったのは何かを考えるという姿勢は大切ではないでしょうか。

5 最後に

 道徳に限らず、教材研究をする時間を作り出すのがとても大変なことは十分承知です。
 かくいう私も、子どもを寝かしつけた後や、朝3時に起きて準備するということもあります。

 働き方改革には逆行している私の姿勢ですが、授業を受ける生徒にとって、その1時間の授業内容はもう2度とありません。教師は何度も授業をしますが。

 働き方改革が進み、もっと教材研究をする時間が確保できればうれしいですね。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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