わたしはものを書くイカしたおばあちゃんになるんだ。
【398日目】
畳の部屋で、そっとおばあちゃんは原稿用紙を開く。
否、パソコンだ。
老眼でもしっかり見えるようパソコンにも工夫されたものが開発された。
おばあちゃんは文字をたたく。今日はコンテンツ作りと、執筆と。そして、ついに夢をかなえたコラムの記名記事。
いくつになっても夢は叶うんだよ、月並みだけどさ。
わたしの名前が載った記事が全国に。
おばあちゃんはにんまりと満足げに笑う。
隣の和室からねこがするりと入ってくる。
「しんげん」が彼の名前。信玄餅からとった名前よろしく、
彼のからだはするりとやわらかい。
自由にねことくらす。
定年もなく、障害者雇用も関係ない、
のんびり好きなことをするのだ。
おばあちゃんは書いて、お金をいただいている。コラムの記事を近所の人に見てもらうこともある。
たまに孫の世話をしたり、
近所の仕事を手伝ったり、人と笑うことも大切にする人生だ。
気が向いたら、畑もする。野菜を孫に食べさせてやるのが楽しみだ。
さわやかな風が吹く。
縁側のある家で、パートナーと飲むお茶は最高においしい。
明日も、パソコンをカタカタとうつ。
ちょっと肩が痛いわね、なんて思いながら。
……なんて。
私の描いた理想のくらし。
ねこと縁側のあるおうちで暮らすこと。
大好きな場所で。もう狙いは定めている。
パートナーもいたらもっと楽しいかもしれない。
おばあさんになっても、誇り高く「書いて」
生きていくんだ。
目がたまにしょぼしょぼするかもしれないけど、
きっとそのころにはもっと楽にパソコンが見れるようになっている。
何が発明されているのかな。
私は自分で書いて生きる道を見つけて、「かっこいいおばあちゃんになる」ことを目指している。
自立した、イカしたおばあちゃんだ。
おもろい、大阪のおばあちゃんもいいんだけど。
いつまでも何でやねん!って笑い飛ばすような。
思えば小学生の頃から読書感想文だけは得意だった。
賞状をもらっては誇らしく親に見せていた。
今はライティングスクールで学び、
こんなに奥深く楽しい世界があるのかと
思う。
だから、年を取って手をつなぐカップルにも、
富裕層と呼ばれる方々にも憧れるけど、
やっぱりあの人たちは自分じゃないんだな。
自分はきっといつまでも
泥臭く「書いて伝える」ことに
こだわりつづけるのだろう。
それでいい。
こだわりは多いほうが楽しい人生が
おくれる気がするから。
そして、そのこだわりが
人様のお役に立てられれば
万々歳だ。
今日も、パソコンを開いて、
猫をひざに載せながら
「さて、今日はエッセイでも書こうかね」
なんて言う人生を妄想している。
だから、私はその日まで
書き続けようと思う。
「書いてこーなりたい」が今回のお題テーマ。
ことばと書く部、「みんなで書こう企画」でした。
私の「こーなりたい」を改めて思い描いてみたら、好きなものしか登場しない未来でした。
愛しいじゃないか。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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