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古典文学に見る季語の源流 第四回「朧月」「朧月夜」

古典文学に見る季語の源流 第四回「朧月」「朧月夜」

春爛漫の四月号(注:本コラムは結社誌四月号に掲載)である。今回は「朧月(おぼろづき)」を見てみよう。

現存最古の歌集、『万葉集』にはこの語は登場しない。春の月を詠んだ和歌も、

春霞たなびく今日の夕月夜
清く照るらむ高松の野に

(巻十、読人しらず)

と照り輝く月を詠んでいる。唯一、

うちなびく春を近みか
ぬばたまの今夜の月夜霞みたるらむ

(巻二十、甘南備伊香(かんなびのいかご))

とい

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