見出し画像

読書感想文

毎年やってくるこの季節

 毎度おなじみ読書感想文。実は、毎年学校で添削指導をしてから提出します。字数や体裁、誤脱から文章の構成、表現まで、選ばれた作文を書いた子の担任が子どもと一緒に(というか担任があらかじめある程度文章を構成し直して行うことが多い)修正版を作って提出します。その中で、全国表彰の前に区や市の審査を受け、それぞれで表彰されるというシステムになっています。

 実は、公式サイトを見ると、字数や題名など、細かな規定はありません。どうやら、自分の自治体では、教育委員会か読書教育研究会か校長会かよく分からない組織が独自に規定を設けているようです。

同僚との会話(ノンフィクションぽいフィクション)

 私は、読書感想文の添削をなぜ学校で行うのかよくわかりません。しかし、まあそんなものかと前例にならい、自分のクラスの子どもが選ばれた時にはまじめに添削していました。しかし、「これではいかんなあ。そもそも学校ですべきじゃないし、子どもにとってもあまりいいことではないなあ。」と思い、今年は全く直していないものを校内選定の担当である同僚に提出しました。同僚は早速次の日、私のところにやってきました。そのとき、同僚とした会話です。

同僚(校内での読書感想文の担当者)「学校の先生が手を入れずに出すべきということはわかるんだけど…。(要綱を示して)題名と名前は欄外に書かなきゃいけないから、このままだと提出できないなあ。子どもに書き直させてくれないかな。」

私「協会(読書感想文のコンクールを開いている団体)に問い合わせて中に、題名と名前が残っていても外に書いてあるならOKだと言っていたから問題ないはずだよー。」
同僚「誤脱もあるし、改行が間違ってるんだよね。体裁が整わない状態で出すのはちょっと・・・。」
私「市の担当者にも連絡しますよ?協会にも確認したと。」
同僚「市としての表彰もあるから、提出するならその要綱に従うべきだと思うのです。そもそもどうしてそんなにこだわるの?」
私「他の作品(ポスターや書道)で手直しすることがある?そもそも修正するのはおかしいんじゃないかなあ。どうして読書感想文だけ手を入れるの?」
同僚「わかるんだけど・・・。それなら、そもそも学校で選んで出す以上、表彰されるとわかっているなら出すべきじゃないんじゃないかな。」
私「なるほど。それはそうですね。しかし、家族に応募する旨を伝えてしまったので今回は体裁を整えて出すことにします。」

 納得はしていなかったのですが、これ以上校内担当者に言うのも違うように思えて、とりあえず、こんな感じで会話は終えました。一つ心残りだったのは、「こだわっているのは私ではなく、自治体のコンクール主催者のほうではないか!」ということを言えなかったことです。でも、それを言い出すとこの会話は泥沼になりそうなので、言わなくてよかったかもしれません。

 ということで、今回勉強になったのは、自治体の読書感想文コンクールのルールが協会のそれに準じていないことが分かったことです。つまり、各自治体が独自にルールを設けて読書感想文コンクールを開いているということです。

そもそも読書感想文コンクールの趣旨は何か

以下、「読書感想文全国コンクール」公式サイトからの引用

Q:読書感想文は何のために書くの?
A:書くことによって考えを深められるからです。読書感想文を書くことを通して思考の世界へ導かれ、著者が言いたかったことに思いをめぐらせたり、わからなかったことを解決したりできるのです。ですから読書感想文は「考える読書」ともいわれます。また、どんなに強く心を動かされても、時がたてばその記憶は薄れてしまいます。読書感想文は自分自身の記録です。読み返すことによって、いつでも「感動した自分」に出会うことができるのです。

ここにも書いてあるように、読書感想文は自分自身の記録です。だとするなら、そもそもコンクールも様式も体裁も必要ないのではでしょうか。少なくとも、公式サイトの様式や体裁の指定は最小限のものになっているように思います。ところが、各自治体のコンクールはこの趣旨を考慮に入れていないのです。

はっきりとした前例主義と見えにくい官僚主義が蔓延する学校

 実は以前、上記の内容で取り上げた人物(フィクション)が今回の登場人物だったりします。一方で、この人物(フィクション)は、自分が作り上げている学校文化は棚に上げ、前例主義の管理職を批判したりします。このような現象は学校現場では、おそらく山のようにあると思います。私はこのことを個人の責任だけに還元することは決してできないと考えています。以下の記事でも取り上げましたが、おそらく日本の学校文化の一つの特徴であるように思います。

そうは言っても私たちは自由である(ありたい)

この読書感想文病をなんとか克服したいなあと、いろいろ考えた結果、効果的な結果をもたらす可能性があるアクション

1 読書感想文全国コンクールの構造に対して異議を申し立てる(学校を介さないでほしい)
2 自治体のコンクールの在り方に異議を申し立てる(体裁は一切こだわらないことを要綱に明記してほしい)

メールがいいかな、手紙がいいかな。電話がいいかな。どんな文面がいいかな。効果的な伝え方(もしくはよりよいアクション)があれば、どなたか教えてください。


この記事が参加している募集