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【今でしょ!note#61】 フローの仕事をストックに転換する思考

いかがお過ごしでしょうか。林でございます。

今日は、昨年に本当はもっとやりたいと思っていたのに、思うようにできなかった仕事の取り組みについて触れながら、「フローの仕事を極力減らし、ストックで仕事するようにしていきたい」という話をします。

フローの仕事

この記事で定義するフローの仕事とは、以下のような仕事を指します。

  • 誰かに頼まれて、それに応える仕事

  • トラブル対応

  • 日常の会議や、諸々の調整事

つまり、「何らかの必要が生じて、それに応えるための仕事」です。別の切り口で言えば、消費する仕事とも言えます。
これらの仕事では、緊急の必要性が生じたことをきっかけにスタートする仕事ですから、どうしても後手にならざるを得ない、自分がドライブしにくい特徴があります。

よく言われる重要性と緊急性の4象限のマトリクスでは、「重要性は高くないが緊急性は高い」仕事に分類されるものです。

どうしても陥りやすいのは、フローの仕事をできるだけ速くこなすこと、量を多くすることが是と思ってしまうことです。
「誰かに何かの資料作りを頼まれて、その人の要件を聞きながら、その人の要件に合う形でできるだけ速く形にする」とか、「トラブルが発生してから、いかに早く収束させるか」とか、「何かを考えるために会議を開く」とか、「打ち合わせの調整を速くする・たくさんする」とかです。

何もしていないわけでなく動いているので、それなりにやった感も出るし、自分の満足度も上がる。でも、これらって本質的には仕事ではないと考えます。
これらの仕事に時間を取られ、労働時間が多くなっている人は少なくないと感じます。

本来必要なのは、「必要性がある程度頻繁に生じる可能性があると考えて事前に資料やテキストにまとめておく」とか「トラブルがそもそも発生しない仕組みにしておく」とか「1人で考える力のある人が、それぞれ考えたものを持ち寄って、最終的なすり合わせだけする」とか「打ち合わせの調整が発生しないようなコミュニケーションに変換していく」とか、できるだけフローでの対応にならないようなことを考え、やり方自体を転換し、仕事の本来的な価値創出に時間を割けるようにすることです。

ストックの仕事

ストックの仕事は、上述した例のような、次のような仕事です。

  • 誰かに求められるのではなく、自分が必要だと思うことを行う仕事

  • 誰かに求められたときに、すぐに取り出せる引き出しを作る仕事

  • チームのノウハウを、暗黙知から形式知に変える仕事

これらの仕事は、フローの仕事とは違い、消費する仕事ではなく、投資する仕事とも言えます。
緊急の必要性が生じてから動くのではなく、緊急の必要性に備えて平時の時に取り組んでおく性質のものであるため、先手を打って取り組みやすく、自分でドライブしやすい特徴があります。
また、自分でドライブできるので、フローの仕事よりも本質的に重要なことに取り組むことができ、充実感ややりがいも高くなります。

重要性と緊急性のマトリクスでは、「緊急性は低いが重要性が高い」仕事が該当します。

私は、自分の仕事時間を振り返って、フローの仕事とストックの仕事の割合を認知しておくことが重要だと考えています。

頭のどこかではストックの仕事の重要性を感じていながら、フローの仕事に埋もれている人が多いのは、フローの仕事のスパイラルから抜けられず、フロー仕事で多くの時間を使い、ストック仕事に取り組む時間がない、というのが現実問題あると思います。

でも、それを理由にして、今フローの仕事から抜けなければ、永遠にフロースパイラルから抜けることはできません。
多くの人がフローの仕事をストックの仕事に転換していければ、生産性も明らかに上がるはずです。
フローの仕事をできるだけ早くこなす努力による生産性の向上には限界がありますが、フローの仕事をストックに変えて実現する生産性の向上には、伸び代が大きいと感じます。

「フローの仕事」を「ストックの仕事」に転換する

まずは、フローの仕事を多くこなし、やった気になって満足していないか、フローの仕事として取り組んだものの、どうやってストックに変えていけるか、に日々向き合い、小さなところからでも取り組んでみるのが出発点です。

いつもなら「とりあえず関係者集めて打ち合わせのアポイント」から始まっていた仕事を、まずは自分で頭を使って、テキストで文章に起こして、自分なりの仮説と結論を用意してみてもいいかもしれません。
(このあたりの話は先日の記事で詳細書きましたので、ご興味あればぜひどうぞ)

フロー仕事で準備した資料を、体系的にまとめておいて、チームや社内他部署からも見える場所に置いておくのも良いかもしれません。
何かを体系的にまとめるということは、体系化の過程で自分の頭を整理するプロセスが入りますから、ノウハウの蓄積にもなります。
チーム全体でそれに取り組めば、チーム力のボトムアップに必ず繋がります。

私が去年もっとやりたかったがフロー仕事に流されて十分にできなかったのはこれで、かなり専門性が高い業務知識について、体系的に整理して、社内に発信したかったんですね。
これをやれば、自分の知識も蓄積しますし、チームメンバと一緒に取り組んでチームの形式知も向上しますし、社内の誰からもアクセスできる場所に置いておくことで、その知が自分では予想もしていなかった価値を持つ可能性だってあります。

例えば、その知識を必要としている他の部署の人が、自分で調査する時間を省けるとか、別のお客さん向けの提案に繋げられるとか。
こういうことを考えると、可能性は無限大で本来ワクワクする仕事なので、今年も諦めずにやっていこうと思います。

ストックの仕事は、自分の価値向上につながる

フロー仕事よりもストック仕事にシフトしていく最大のメリットは、自分の価値向上に直結する点です。

普段からストックを多く作っておけば、必要に迫られて頼まれた時に、ストックの引き出しから引っ張ってきて渡せば良いだけなので、仕事に対する対応のスピードが格段に上がります。

また、自分が持っている知識や経験が見える化され、周囲が認知できる状態になっているので、「この人は、この分野の知識を持っている」「この人は、こういう考え方ができる」ということがより立体的にアピールできます。

noteのような発信活動はその最たるもので、日々の蓄積がそれなりのストックになった時に、社内の自分のチームだけでなく、社外の人も含めたより多くの人たちに、自分の知識・経験・考え方を知ってもらうことができます。
その意味で、社会関係資本を大きくするための投資活動ともいえます。

今後、「個の発信」がさらに当たり前の時代になってくると、名刺を出す代わりにnoteのようなオンラインでの発信コンテンツのリンクを出すことの方が、より一般的になってくるのを感じています。

「○○大学卒業」、「○○会社の部長」、「○○プロジェクトを経験」とだけ書かれていても、その人が本当に信頼できる人かどうかは、正直ピンキリですよね。

自分がどういう人なのか、何ができる人なのかを示す上でも、自分が所属する組織の中だけでなく、組織外を含めた世界の中でのストックを意図的に作っていくことが、非常に有効なキャリア投資にもなると考えます。

それでは、今日もよい1日をお過ごしください。
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