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#261 噛み合わない議論に必要な合理性。世界遺産フォーラムに見る地域の闇

割引あり

いかがお過ごしでしょうか。林でございます。

先日、とある地域の世界遺産フォーラムに参加する機会がありました。私は地域外からの参加者の立場で、純粋にその地域のことについて理解を深めようという目的で参加しました。

その地域が世界遺産に指定されるまでの経緯や、その地域の過去から現代に至るまでの歴史が写真などで紹介されていて、地域の理解を深める上では大変勉強になりました。
一方で、地元学生と、講演を担当していた大学教授や地元住民のディスカッションを聞いていて、地域外からの参加者視点で客観的に見て、明らかに噛み合っていない議論を目の当たりにし、「あぁ、普段からこういう感じでは、若者が地域から出て行きたくなる理由はよく理解できる」と感じた場面がありました。

昨日、生まれてから高校卒業まで福井で過ごし、関西の大学に進み、東京で勤務して現代に至る私の視点から、やはりキャリア形成や選択肢の豊富さの面では都市部優位の構造は否定できないという話をさせていただきました。

(東京で勤務した後、10年ほど東南アジアで仕事をしていたため、日本vs東南アジアという視点で感じている日本の課題もありますが、それはまた別途)

世界遺産があれば、豊かな自然があれば、歴史ある伝統工芸があれば・・・若者が地元を好きになって、誇りを持ってくれるから定住する、とか、そんな単純な話ではない。
「できるだけ地域の若者に地元に残ってほしいけれど、自分の子どもの場合、話は別」みたいなのが現実で、必要なのは合理性と説明能力。この現実に目を向けずに、綺麗事ばかり並べても、若者はシラけて距離を遠ざけるだけ、と感じています。これは会社組織や自治体の求心力という面でも同じです。

ここからは有料とさせていただき、当日の仔細についてご紹介し、私が率直に言って、かなり根深い地域の闇だと感じた点を述べていきます。


地元学生と大学教授のやり取り詳細

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