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【今でしょ!note#60】 相談になっていない相談

いかがお過ごしでしょうか。林でございます。

今日のテーマは「相談になっていない相談」です。


「ご相談させてください」は便利ワードだけど

皆さんは、仕事上のコミュニケーションで「別途ご相談させてください」という言葉を使ったことがありますか?
私もちょこちょこ使いますし、言われたこともたくさんあります。

何か調整が必要な事案が発生し、その場では即答・即決できない場合、「ご相談させてください」「別途調整させてください」と言えば、一旦その場は収まることが多いので、つい使ってしまいがちな言葉かと思います。

ただ、この言葉は便利である分、思考停止まっしぐらの危険な言葉です。
そこを認識しておかないと、その場で考えて即座に打ち返す力や、物事を三層、四層・・・と深く掘り下げていく考える力を鍛えられず、表面的なペラペラ人間になってしまいます。
そのため、使うのであれば、「別途考えを整理してご相談に上がります」とか言うようにして、自分の考えとセットでぶつけにいく、という行動とセットで使うことを意識しないと、無意識にそれっぽくまとめてしまう癖が着くので要注意な言葉です。

「相談になっていない相談」が多すぎる

10年以上仕事をしていて感じるのは、「相談になっていない相談」が日常に蔓延っているということです。
何かの資料を確認してほしいと言われ、自分が確認者の立場になる時に、スライドに書くべき論点だけが提示されていて、その論点に対する考えが全くなく「この点をどう書くかはご相談だと思ってました」と言われる例は、枚挙に暇がありません。

いやいや、それは考えることを放棄して、答えをこちらに求めてるだけやんね、と正直感じてしまいます。
当然、自分が相談される側の立場にあるということは、その事案について、自分に決める責任があるということですから、最終的に何らかの判断・決定をするのは、自分の役割です。

しかし、ノーアイデアで論点だけを提示して「相談させてください」と言っているうちは、その人が将来的に決める側の立場になった時に、決める力を養うトレーニングができていないので、絶対決められるようになりません。
これは本人にとって、非常にもったいないと感じます。

また、本来決めることが役割である人が決められないのは、そのチームメンバーが不幸になるだけなので、迷惑極まりない話です。

私もかつて年齢の近い先輩から「何かを相談しにいくのであれば、少なくとも相談する相手よりも自分の方が多くの情報量を持っていくべき」と注意されたことがありますが、こう言ってもらえて本当に感謝しています。
仮に自分の考えに整理してぶつけるところまで行けなくても、関連情報は押さえて相談に行く姿勢がないと、相談者の役割はただ言われた通りに資料を作る役割に止まり、その人の仕事の価値も上がってきません。

ある程度整理された資料であれば、ChatGPTで作れるようになりましたし、その精度が上がっていく流れは加速度的に進みますから、誰かに言われた通りに資料を作る人、は究極的に不要になります。

「相談」の場は、壁打ちの場

少なくとも、「相談させてください」と言ってアレンジした場は、壁打ちの場だという認識で挑みたいところです。
何らか「自分はこうするのが良いと思っている」という具体的なボールを打つことで、相手から「それであればこうするのが良いのでは」とか「こうしたほうが良いのでは」という具体的なボールを返してもらい、ラリーの中で考えを具体化していくイメージです。

私は、「自分が投げた球以上のものが返ってくることはない」と感じています。
つまり、自分が具体的な形にして投げたものについては、具体的な形で返ってきて生産的な議論ができますが、抽象度の高いものをそのまま投げても抽象度の高いものしか返ってこないです。

また、自分の考えを論理立てて整理してまとめたものをぶつけると、その熱量に見合うフィードバックを得ることができますが、適当な熱量とそれっぽい仕事で投げたものに対しては、相手にもそれが伝わるので、適当なものしか返ってきません。

だから、本気で何かのアドバイスが得たい、相手の行動の変化を促したいのであれば、こちらもそれ相応の覚悟を持って挑んでいかなければなりません。

自分が「どうしたらいいですか?」と聞いて、あれこれ教えてくれる人もいると思いますが、それはあくまでその人と何らかの関係性があり、親切心で返してくれているだけで、それを当たり前という感覚になってしまうと、外に出ていった時にギャップを感じてしまうと思います。

だからこそ、自分の考えをアウトプットしよう

壁打ちベースの相談ができない人が多いからこそ、自分の考えを他人に見える形にして、「自分はこうしたいんです」「今後進むべき道はこれで、そのために今ここからやりましょう」と具体的な第一歩を示せる人は強いです。

そしてそれをいきなりできる人はほとんどいないですから、普段の些細な考えるシーン、相談するシーンにおいて、自分の考えをアウトプットして「どうしましょう?」ではなく、「自分はこうするのがいいと考えます」と結論まで考え抜いて持っていく癖をつけることが重要です。

「相談させてください」「検討します」「別途調整させてください」・・・これらの便利ワードに依存して思考停止になっていないか、自分に問う癖をつけていきたいですね。

それでは、今日もよい1日をお過ごしください。
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