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CXのあり方:Valextra

 Valextraの商品、購入体験、どちらもとっても満足でした。その上で、BtoCの会社の一社員として、CX, DX時代の、将来に向けた顧客体験の話をしようと思います。

 まずはValextra購入に至った経緯について。これまでComme des garçonsの財布を気に入って使っていたのですが、長く使ってきてそろそろくたびれてきた。お手入れしてはいたものの、そろそろ寿命かな、というところでした。コロナ禍、在宅中心の生活になると、お気に入りの靴も履かないし、お気に入りのバッグを持つ機会もなくなってしまうんですね。そんななかコンスタントに触れるモノといえばお財布。最近は出費も減ってるし、この際買い換えようかなぁと検討を始めました。基本モノ持ちも良い方ですし、長く使うお財布です。相応に満足できる良いものが欲しい、でも超有名ハイブランドのモノは(いいのはわかるけど)できれば選びたくない。モノグラムとか、ブランドロゴが見えるのなんて論外。でもいいモノを選びたい…で、Valextraでした。クオリティは申し分ない職人の手仕事。発色の良いビビッドな色も、中間色のセンスも好きな感じ。カジュアルでもアッパーすぎる感じもなく、クリーンでスポーティ。どれもばっちりでした。良い選択だったと思うし、気に入って使っています。

 さて、普段は、外に商品をお見せするウィンドウに、ブランドロゴをばーんと掲げているような、1階にオンリーショップを構えるハイブランドで購入することなんてないわけなので、この際、顧客体験どんだけのもんよ?と、その辺りも期待をしていました。
 当然、商品知識や選択していく中でのコミュニケーションはいい感じでした。やりとりをしながら、アドバイスもいただきながら、気持ちよく選びました。エイジングや汚れかたとか、長く持つ際のちょっとしたネガティブまで伝えてもらって、正直なところにも好感が持てました。一般的なお勧めじゃなくて、ちゃんと僕をみてお勧めしてくれている感じも素晴らしかったです。決めて、ゆったりとしたソファに通され、ペリエをいただきました。お支払いしました。保証もしっかり付いている。
 どうしてもモノを売ってる感じは拭えないですよね。こちらが聞かない限りは職人の関わり方だとか、ブランドのヒストリーには話が及ばないし、そのフックになるような店舗に出している情報もない。保証に紐つけて個人情報をしっかり取ってましたが、購入後の連絡もない。まだまだ前時代的というか、ハイブランドでさえ、モノを売る商習慣から抜け出れてない。デジタルの接点の設計ができてないんだなと感じました。

 ある意味、あぁうちだけじゃないんだな、とも思いましたが、安心してる暇はないですよね。この数年で一気に変わるはず。そこにどんな思想を持って顧客体験を設計できるか。若干所掌業務とは外れますが、関われる可能性もある。DXとかなんとか言ってますが、結局はCRMでしかなく、概念としては古く90年代からある話で手段がリッチになっただけ。自らの過去の理解とそこから照射する未来をどう描くか。顧客理解をどこまで深めるか。頭を使うべきところはずっと変わってない。

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