見出し画像

地政学は最高の教養である

地政学は最高の教養です。
地政学を学べば「相手の立場に立って物事を考える」一環になります。
なぜなら「その国の視点・状況・価値観を知る」ということだからです。
その国の経済・政治・軍事的状況、価値観を作っているのが、地政学の中身である地理的条件や歴史的背景などです。
今回は「アメリカ」と「海」に焦点を当てていきます。
アメリカが現在世界中の海を支配しており、経済・軍事面で優位に立ち他国より上の立場にいます。
アメリカと海について学べば、他の国の地政学を学ぶ上で土台となる教養になるはずです
この記事が少しでも参考になり「相手の状況、視点、価値観を知ろうとする」一環になれれば幸いです。


地政学を学ぶメリットは

相手の立場に立って物事を考える能力がつく

地政学を学ぶメリットは「相手の立場に立って物事を考える能力がつく」ことです。
いいかえると「相手の状況、視点、価値観を知ろうとする姿勢がつく」ともいえます。

地政学を学ぶことは、
国のトップからはどのように世界を見ているのか
どのような判断基準で政治・軍事的行動決めているのか
を学ぶということです。

トップの考え方、意思決定の根底にあるのが、地政学の中身である地理的条件や歴史的背景などです。

「なぜロシアはウクライナに戦争を仕掛けているのか」といった他国の事情は、他国の立場に立たないと真意がわかりません
我々日本人の視点、価値観で見ても「なんで戦争なんてするんだ」と思ってしまうだけではないかと思います。
いつもの私たちの視点からでなく、ロシアの立場に立って情勢を見るのが「相手の状況、視点、価値観を知ろうとする姿勢」です。

地政学以外でも相手の立場に立って物事を考えるはとても大事です。
例えばあなたは営業で何か商品を売るとします。
自分が商品を売ることばかり考えてしまうと、営業資料を作ることやセールストークを磨くことばかりに頭がいきがちです。
営業でもお客さんの立場に立って考えることが大事です。
「そもそもそのお客さんは本当に商品を必要としているのか」
「商品が満たせるニーズをそのお客さんは持っていないのではないか」
「競合の商品と迷っているのではないか」
と相手(お客さん)の立場に立つことで、ニーズや懸念の理解につながり、より適切な提案やアプローチをすることができます。

このように地政学を学ぶことは、相手の立場に立って物事を考える能力がつくといえます。

海を制する国が世界を制する

「アメリカ」と「海」に焦点を当てると地政学がつかめてくる

地政学を語る上でとても重要な原則となる考えとして「海を制する国が世界を制する」があります。
今世界の海を制しているのはアメリカです。

今回は「なぜアメリカが世界の海を支配しているのか」について焦点をあてていきます。
この「アメリカ」と「海」について知るだけでも、地政学の教養は十分深まっていくと思っています。
理由は「アメリカ」と「海」は、その他の国の地政学を見ていくと、どうしても関わってくるからです。
「なぜアメリカが強いのか」「なぜ海が重要なのか」
ここを知ることで、他の国の地政学、政治、軍事的行動の動機がわかり、地政学を知る上での土台となる教養になると思っています。

今回はいくつかの書籍、YouTubeの動画を参考にさせていただきました。
書籍は以下のものになります。

なぜアメリカが世界(海)を制せているのか

強大な軍事力と海軍基地を持っている

今世界の海の支配権を握っているのがアメリカです。
アメリカが海の支配を握れている理由は様々あります。
中でも1つが、強大な海軍力を持ち、さらにその力を維持・展開するための海軍基地を持っていることです。
アメリカは世界中に多数の軍事基地を持っています。
強大な海軍と海軍・軍事基地があることで、優越性を維持しながら、有事に迅速に対応できます。

例えば沖縄にはアメリカの軍事基地があります。
沖縄にある理由の1つは、ミサイルの1万Km内に世界の主要都市が入るからです。
中国や北朝鮮などアジア地域、ロシアの西側にあるモスクワ、アフリカ、ヨーロッパの一部まで射程圏内になります。
「ミサイルをいつでも飛ばせますよ」という状態であれば、他国への抑止力になります。

またロシアが北方領土を手放さない理由の1つは、アメリカの軍事基地を建てられたくないからです。
アメリカに軍事基地を建てられてしまうと、ロシアの最前線から監視されたり、けん制を受けたり、ロシアの思うような政治・軍事ができなくなる可能性があります。

ただ軍事的な影響だけでなく、強大な海軍に自国を守ってもらっているという面もあります。
軍事基地が各国にあることで、有事の際はすぐに動くことができます。

このような理由もあり、アメリカは海を支配することができています。
また軍事基地を設けることで、各国の防衛と軍事的な影響を与えています。

海を支配することによるメリット

これからは海を支配することによるメリットをあげていきます。
メリットは大きく分けて次の3つがあります。

貿易を仕切ることができる

海を支配することで、貿易を仕切ることができます
地球の7割が海です。
そのため国と国がものを輸送するのには、海を通るのが多くなります。
アメリカは世界の海を支配しており、チョークポイントといわれる貿易ルートの要所(海峡や運河)をおさえています

世界の貿易の9割が海洋での貿易です。
日本からアメリカに車を送ろうと思えば、
海路での貿易が主流な理由は様々ありますが、主に以下の3つがあります。

1.船の方がコストが低い
2.船の方が一度に大量輸送できる
3.陸路だと国境を越える際に、税金がかかったり、検査により時間がかかる

日本や各国の貿易を守っているのがアメリカです。
現に日本は、島国のため輸入の99%が船によるものです。
特に石油、天然ガスはほとんど中東からの輸入になっており、この貿易がストップしてしまえば、生活がなりたたなくなってしまいます。

貿易の際に船が必ず通るチョークポイントを抑えられているのも、強大な海軍で国を守る力を持っており、海軍基地を設けすぐに有事に対応できるからです。
スーパーにいけば外国産の食べ物が売っているのも、ガソリンが使えるのも、アメリカのおかげといえます。

多くの国は貿易をしないと生活が成り立ちません。
その生活を守っているアメリカは立場が上になるということです。

情報をおさえることができる

海を支配することで、海底ケーブルを張り巡らせ、情報をおさえることができます。
世界のインターネット通信のほとんどは、海底ケーブルを通じて行われています。

やはり情報は重要です。
情報をおさえることで、国家秘密のような大事な情報も得ることができてしまいます。
大事な情報データには普通暗号がかかっていますが、人がかけた暗号は人に破られないことはありません。

20世紀始めに海を支配していた国はイギリスです。
第一次世界大戦において、イギリスは情報をおさえていたため、敵国のドイツの情報を知れ、アメリカを味方に引きこんで勝利できました。

また冷戦(アメリカ・同盟国とソ連・衛星国の緊張状態)において、アメリカは深海潜水艇を使用して、ソビエトの海底ケーブルに接触し、ソビエトの艦隊の動きや意図を知ることができていました。

いつも時代も情報を得れたものが何事も優位に進めることができます。

核ミサイルを保有できる

核を保有することで、他国へ力を示したり、抑止力になります
核を保有するには、核ミサイルを搭載した潜水艦を潜らせておく深い海が必要です。
なぜなら潜水艦をいつまでも隠しておくことができるからです。
潜水艦の場所がばれてしまうと、敵に狙われてしまいます。

詳細は省きますが、中国はアメリカに対抗するための核を保有をするために、中国の南にある南シナ海の支配を狙っています。
理由の1つが、原子力潜水艦を隠せる深い海がほしいからです。
南シナ海は、深さが何千メートルにもなるとても深い海といわれています。
他の近くの海では、浅くて潜水艦を隠せないようです。
南シナ海を自分たちのものにするために、中国は近年、人工島を作り軍事基地としていたりします。
現在もフィリピンやベトナムなどの周りの国との、領海権をめぐる緊張を高めています。

核を持つことは賛否両論ありますが、力を持つことになります。
そのために海が必要だということです。

多くの国の地政学にアメリカや海がからんでくる

地政学を知ることの一歩目として、アメリカが最強だということを解説しました。
ただアメリカが最強な理由は「海を制せている」以外の要素もあります。
その点は今回は割愛します。

地政学はアメリカだけの話ではありません。
ロシア、中国、北朝鮮、ヨーロッパ、アフリカなど調べようと思えばキリがありません。
ただ中国やロシアなど多くの国の地政学を見ていくと、どうしてもアメリカが絡んできます。
解説したように、海を持っているかは政治、軍事にとってとても重要です。
そのためどの地政学を見るにも「海を制する国が世界を制する」という原則と「アメリカ」「海」についてを知っていれば、その国の政治・軍事的行動の動機が見えてくると思います。

地政学を学ぶことで「相手の状況、視点、価値観を知ろうとする」一環になれるのではないかと思います。
今回の記事が参考になれば幸いです。

まとめ

・地政学を学ぶことで、相手の立場に立って物事を考える能力がつく。国のトップの視点、政治・軍事の判断基準を見ていくには、その国の立場に立たないと真意がわからない。

・「海を制する国が世界を制する」は地政学の原則的な考え方。現在はアメリカが強大な海軍や海軍基地を持っており、世界中の海を制している。

・海を支配するメリットは以下の3つ。
①貿易を仕切ることができる
②情報をおさえることができる
③核ミサイルを保有できる
「アメリカ」と「海」について学ぶことで、他の地政学を学ぶ上での土台となる教養になる。

この記事が参加している募集

#最近の学び

182,077件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?