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ドローンが世界を変えていく

 空を飛ぶクルマ、一度は目にしたことがありませんか?新しい技術として注目されていますが、とはいえまだまだ先の未来のことと思っている方もいるかもしれません。
 しかし実は私たちの生活で当たり前のように目にする日が、もう目の前まで近づいてきています。
 その技術の一つが、「ドローン」です。一昔前までのラジコンでの遊びの延長線上だったものが、急速に進化を遂げ、すでに様々な産業に取り組まれ、私たちの生活を革命的に変えようとしています。
 今回は「ドローンとは何か」についてまだ何もわからない初心者の方に向けた記事を書いていきます。


そもそもドローンとは何か

 ドローンは「無人飛行機」のことです。
 ドローンとラジコンヘリ(ラジコンヘリコプター)は似ているようで、違います。
 一番の違いは自律性です。
 ラジコンヘリは全てを手動で操作しなければいけません。
 ドローンは内部にいくつもの機能が搭載されているため、ある程度は自律飛行が可能であったり、ものによっては完全にドローンまかせで飛行できるものもあります。

 ドローンに搭載されている機能には、例えば以下があります。

 ・GPS
 ・動作を制御したり、センサーからの情報を処理するコンピュータ
 ・飛行経路や動作を事前に計画・設定するためのソフトウェア
など

 自律飛行できるため、人の目が届かない場所、距離までも飛ばすことが可能です。
 ラジコンは100%操縦が必要なのに対し、ドローンはある程度自律飛行できるため、似ているようで違いがあります。

なぜ今ドローンなのか

 以下の図のように、ドローンビジネスの市場規模は年々右肩上がりで伸びており、今後も大きな市場規模の拡大が見込めます
 2023年度には3828億円に拡大し、2028年度には9340億円に達すると見込まれます。
 とても将来性のある業界だといえます。

【図表1】 国内のドローンビジネス市場規模の予測  
出典:「インプレス研究所 2022年度のドローンビジネス市場規模は前年比33.7%増の3086億円 レベル4飛行の解禁によりドローン活用が進み、2028年度は9000億円超へ 『ドローンビジネス調査報告書2023』3月27日発売」より一部引用・参考

ドローンのメリットは

 ドローンのメリットを一言でまとめれば「人手がかからず、安全かつ低コスト」だからです。

人手不足の解消

 ドローンに仕事を任せることができれば、人手がかかりません
 例えば農業では、高齢化が進む中、「スマート農業」という言葉もあるようにドローンやAIを使った効率化が注目されています。
 農薬散布や土の状態を確認することをドローンが行うことができます。

安全性がある

 ドローンは人がするには危険な仕事も任せることができます
 人が足場を組んで確認する高所や、なかなか確認しにくい場所を、簡単にかつ安心して近づけるからです。
 例えばインフラの点検、ビルの外側などは足場を組んで確認するのが一般的だったため、危険ですし時間もかかります。
 ドローンにより、人がやらなくて済む分、あらゆる仕事の安全性を高めることができます。

低コスト

 ドローンを導入することで多くの場面で、人件費の削減による低コスト化を実現できます。
 例えば農業ですと、高齢化が進み人員も限られている中で仕事を頼もうとすると、どうしても1人あたりの人件費もかかってしまいます。
 ドローンは初期費用、維持コストはかかるものの、毎回人件費が発生する分よりはコストを抑えることができます。

どのような仕事でドローンが使われるか

 ドローンはすでに様々な産業での利用がされており、市場の伸びに伴い今後も普及していくでしょう。

 ドローンにより以下のような業界の仕事が変化していきます。

農業

 ・ドローンが自動で農薬を散布する
 ・ドローンで田んぼや畑の土の状態を調べることができ、必要な肥料や水の量、タイミングを把握できる

点検

 ・ビルなどの高所や道路橋の橋梁など目に見えにくい部分の点検を行う。
 ・大規模な施設、農地、森林なども短時間で広範囲をカバーできる。

警備

 ・見逃しといったヒューマンエラーを防止できる。
 ・広大なエリアを効率的にカバーできる。
 ・空上からの監視により、地上からの監視が難しい場所も監視できる。

流通・物流(導入はまだこれから)

 ・車両より一直線に目的地に到達できるため、より短時間での配送ができる。
 ・山間部や災害時の被災地など、車両ではアクセスが困難な地域にも輸送できる。

など

 ドローンが普及した時は、多くの企業が「ドローンありき」の仕事の仕方に変わっていくかもしれません。

ドローン導入における課題

 ドローンの凄さばかり語っていますが、いまだに普及していないのには理由があります。
 ドローンの課題といえることには以下があります。

・法律・規制
・飛行時間
・飛行条件・安全性
など

法律・規制 

 ドローンは様々な法律・規制が関わってきます
 国によって異なりますが、主に以下のような法律・規制があります。

飛行禁止区域
 空港周辺や軍事施設、政府関連の建物など、飛行が禁止されている区域があります。
 禁止されている区域では飛ばせないため、使用が制限されてしまいます。

夜間飛行の制限
 
日没後のドローンの飛行が禁止または制限されています。

機器の登録や許可
 
一定の重さ以上のドローンを飛行させる場合、当局に登録する必要があります。
 
 例えば物流でドローンが導入された場合、目的地まで一直線に飛んでいけるというメリットがあります。
 しかし空中には道路のような「この場所を通ってください」という規制はありません。
 その中でドローンが縦横無尽に飛び交うと、追突する可能性があります。
 追突して墜落すれば、落下したドローンが人に当たるリスクがあります。
 墜落したドローンの処理、宅配物の処理はどうするのかといったことまで考えると、いろいろ法律・規制でしばらないといけないかもしれません。
 そのように考えると、導入はまだまだ先になるかもしれませんね。

 このようにドローンを使う場合、様々な法律・規制をクリアしなければななりません。

飛行時間

 ドローンは飛行時間が長いとはいえません。
 一般的なドローンは飛行時間が約15分程度で、高性能なものでも最大で1時間程度が限界とされています。
 そのため長時間、長距離飛ばし続けることは難しく、何回かのバッテリーの交換が必要になります。

飛行条件・安全性

 ドローンは気象条件によって飛行できるか変わります
 突然雨が降ったり、強風が吹くと、墜落や機器の不具合により事故を起こすリスクがあります。
 気象条件により飛行できるか左右されたり、事故を起こす可能性があるため安全かといわれるとそうではありません。
 この辺が改善されないと安心してドローンを飛ばしておくのは難しいかもしれません。

まとめ

・ドローンは無人飛行機のことで、ある程度自律飛行ができる。自律飛行できることがあらゆる産業の仕事で導入されていき、今後も大きな市場規模の拡大が見込める。

・ドローンのメリットは、①人手がかからない②安全③低コストなところ。農業、点検、警備、流通など様々な仕事に導入されていたり、今後導入される見込みがある。

・とはいえドローンにはまだまだ課題が多い。主に①法律・規制②飛行時間③飛行条件・安全性が課題。業界によっては導入はまだまだ先になるかもしれない。


参考文献

空飛ぶロボットは黒猫の夢を見るか? ドローンを制する者は、世界を制す
高城 剛(著)

ドローン・ビジネスの衝撃 小型無人飛行機が切り開く新たなマーケット
小林 啓倫(著)

こちらのブログも参考にさせていただきました。
とても読みやすく、ドローンについて馴染みのない方でも気軽に、理解しやすいブログになっています。おすすめです。


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