【24】「嫌われないメルマガ」の運営手法について
全く関係ないですが、Voicyはじめました。記事作成の裏側などをダラダラ話しているので、作業用のBGMとしてお使いください。
ボイスメディアの利点は、「作業しながら聞ける」なんですよね。
余談ですが、私が作業中にいつも聞いているのは、澤さんとmotoさんです。
なんとなく「真面目に聞かずにすむ」ラジオの利点は、これから徐々に浸透するのではないかと思っています。
さて、本題です。
つい先日のこと。
「お客さん向けの発信」をしたい、という会社がありました。
具体的には?と聞くと、「例えばメルマガ」とのこと。
「メルマガ」とか古くない?と思う方もいるかも知れませんが、
意外かもしれませんが、実は依然として健在で、世の中でそこそこ活用の度合いは高いのです。
検索1位の記事を日米で対決させてみた 日本のコンテンツ力の源泉は“武士道”の「義と勇」にあり
意外だったのがメールマーケティング(メルマガ)が再評価されていたということ。SNSより読者に確実に届き、発信者(企業)側がコントロールでき、リストを育てられ、深いエンゲージメントを作れる、と。本当か~? って最初は思いましたが、メールマーケティング系セッションが大人気で立ち見&座り見も多発する状況でした。
SNSをやっていれば、メルマガなんて必要ないのでは?と思う方もいるかも知れなませんが、メルマガは重要な役割を2つ、持っています。
一つは、SNSを積極的に活用していない層へのアプローチ。
高年齢層のみならず、若年層にもSNSのアカウントは持っているけど、アクティブに使っていない、という人は少なくありません。
そしてもう一つは「ファンの方々」や、「知り合い」向けの情報発信、つまりクローズドコミュニティに向けての発信を担うという点です。
このように言うと、Facebookでも同じようなことができるのでは?
という方もいるかも知れません。
でも、実は全く異なります。
SNSに流すと、いかにクローズドなページであっても、そこには「他者」の存在があります。サークル的な状態、というべきでしょうか。
ところが「メール」は極めてパーソナルなツールであるとの認識がほとんどなので、「他者を意識した振る舞い」はほぼ皆無です。
したがって、公開情報であるブログやSNSなどでの発信とは異なる特性を持っているのです。
いわばメルマガは「私信」であり、ワン・トゥー・ワンのコミュニケーションに最も向いています。
実は、Books&Appsでも、こっそりとメルマガをやっています。
(煩わしくないように、それほどアクティブではないです。が、適当に登録しておくと、忘れた頃に何か届きます。)
登録者は約1.5万人。これはちょうどフェイスブックや、Twitterのフォロワー数と同等の数字です。
基本的には「迷惑」である
ではメルマガのように、クローズドなメディアを用いた発信をする場合、何がSNSにおける発信とは異なるのでしょうか。
まず最初に重要なのは、コンテンツ云々の前に
「メルマガ配信」は「営業電話」と同様に、基本的には迷惑
と認識することです。
なぜでしょう。
それは、「メール」というプラットフォームが、SNSと異なり「情報発信の受け口」としての利用を想定していないからです。
SNSはフォローを外すのは一瞬ですが、メルマガは「メルマガ解除」の申請をわざわざ送る必要が有ります。
自分の好みの情報だけを優先的に表示するロジックも、メールクライアントには実装されていません。
そして何より重要なのは、メールは「私信」だという事実です。
友達から、チラシのようなメールが来たらイヤですよね。
そう言う意味で、メールは極力「あなたに」を強調して使うべきです。
そこを抑えていないと、いかに中身が優れていようと、メルマガは基本的に「招かれざる客」となる可能性があります。
思い出してください。一度だけ名刺交換をしたような人から、いきなりメルマガが届いたときの気持ち。
「誰だよ?」と思いませんか。
そうなると、これは一種のスパムと言ってよいでしょう。
名刺をもらっているからと言って、そこに勝手に営業メールを送り付けて良いわけではないのです。
「でも、歓迎される場合もあるよ」という方もいるでしょう。
もちろんそれは、確率の問題なので、「ない」とはいい切れません。
しかし、多くの人に嫌がられるのと引き換えに、何名からに「喜ばれた」からと言って、それを堂々とやって良い理由にはなりません。
ですからメルマガをやる時は、基本的に「希望者だけ」に配信すべきであることは間違いありません。
コーポレートサイトや、オウンドメディアに「メルマガ登録」のフォームを作っておき、そこに登録した人に流すのであれば、上のような問題は発生しにくいです。
「そうは言っても、過去の名刺を有効活用したい」という方もいるでしょう。
その場合、必ずメルマガの冒頭に、「お詫びと、解除の方法」をきっちり明示し、出来得る限り「スパム認定」されないよう、最新の注意を払うしかありません。
「営業」は厳禁
そして、次にものすごく大事なことなのですが、「売り込み」のメルマガを送りつけてくる企業がありますが、絶対にやらないでください。
確実に、即、スパム認定されます。
では何を書けばよいのかといえば、当たり前ですが「読み手が喜ぶ内容」に限ります。
こう言うと、「情報提供に徹するんでしょ?商品じゃなく、お客さんのニーズや悩みを解決する内容だよね?」と早とちりする人がいますが、勘違いしないでください。
基本的に、メルマガの受け手は、あなたの会社の商品や、情報なんてほしくないです。
これは簡単に証明できます。
例えば朝、あなたがスマートフォンで見た情報は、他社の商品に関連する情報ではないでしょう?
「ニュース」とか「面白そうな話題」とか「話題になっていること」ではないですか?
会社について、PCのメールクライアントを立ち上げて、他社の商品に関連する情報を読みましたか?
読みませんよね。自分の業務のメールだと思います。
要するに、「情報提供」という名目で、営業しても無駄だ、ということです。世の中の大体のメルマガを送りつける側は、そこを完全に勘違いしています。
「じゃあ、読み手は何を喜ぶんだよ」と思いましたよね?
はい。ですから、上に書いたとおりです。
「ニュース」とか「面白そうな話題」とか「話題になっていること」
です。
メルマガの内容はまさにそれを書かなくてはならない、ということになります。
営業しないメルマガとは
では、具体的な話をしましょう。
ここから先は
生成AI時代の「ライターとマーケティング」の、実践的教科書
ビジネスマガジン「Books&Apps」の創設者兼ライターの安達裕哉が、生成AIの利用、webメディア運営、マーケティング、SNS利活用の…
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?