書く前に「この記事はいったい、どれくらいの需要があるのか」を調べる7つの方法
記事を書く前に、「この記事はいったい、どれくらいの需要があるのか」を知ることができたら、よいと思いませんか?
起業家は、自分が商売を始める前に、必ず「マーケット」を見ます。
マーケットの大きさで、その商売の上限、つまり会社の成長限界が見えるからです。
同様に、料理人が自分のお店を出すときにも、「商圏」を見ます。
その地域に、潜在的にどのくらいのお客さんがいるかを知りたいからです。
もちろん、ライターも「読まれる記事を書こう」と思えば、「そのテーマが、どれだけ興味を持って迎えられるか」を見ることになります。
そこで今回は、弊社で記事作成前に行っている調査ソースを、網羅的に紹介したいと思います。
1.「Googleキーワードプランナー」とその類似サービス
マーケティングリサーチや、商圏分析と同様に、ライターが「テーマ」の需要を調べる代表的なツールの一つは、Googleが提供している、キーワードプランナーです。
これは、webマーケティング、とくにSEOや検索広告を生業としている方であれば、使ったことがない方はほとんどいないのではないかと思います。
Googleのキーワードプランナーは、商品やサービス名から、それに関連するキーワードを調べることのできるwebサービスです。
たとえば上のスクリーンショットの例にある「食事の宅配」を検索すると、下のような結果が表示されます。
この結果から分かるのは、指定したキーワード、およびその関連キーワードの月間平均検索ボリュームです。
つまり「だいたい、そのキーワードがどの程度頻繁に検索されているか」がわかるのです。
なお、上のスクリーンショットでは、平均検索ボリュームは1万~10万といった形で、大体のオーダーしか出ませんが、Google広告に課金していればもう少し詳細なデータを入手できます。
この手のツールは、ほかにも数多く存在しています。
例えば、Ubersuggest。
先ほどと同様に「食事の宅配」と調べると、以下のように検索ボリュームの時系列変動や、関連するキーワードなどの結果を返してくれます。
またUbersuggestでは、「コンテンツのアイデア」ということで、キーワードを含む記事をピックアップし、羅列します。
あるいはKeyword Toolです。
これもキーワードを入力すれば、周辺キーワードに関して、次のような結果が得られます。
検索ボリュームなどを知るには、有料版を使う必要がありますが、基本的には多少の違いはあれど、キーワードプランナーやUbersuggestなどと、全く同じような情報を取得できます。
なお、この亜流として、「Googleトレンド」を使う手法もあります。
残念ながら「食事 宅配」では、Googleトレンドにヒットしませんでしたので、「デリバリー」というキーワードで調査すると、関連キーワード、および関連トピックに、ヒントとなるテーマが得られます。
〇「検索ボリューム」頼みの記事と、その限界
しかし、「検索ボリューム」は、あくまで「どれくらいの需要があるか」ではなく、「どの程度検索されているか」であることを忘れてはいけません。
「検索」は、あくまで「何かを調べようと思った人」の行為であり、読み手全体の需要とは異なります。
したがって、「検索ボリューム」を軸とした記事作りには、以下のような特徴があります。
・「調べものをしたい人向け」の記事となるので、説明的になる(ストーリー性が低く、拡散しにくい)
・競合も同じ情報を見て記事を作るので、似た記事になりやすい
・すでに記事の評価がある程度固まっているので、後発に不利
結果的に、「誰が書いたか」があまり気にされず、書いたはいいけど、なかなかアクセスが集まらない、という結果になってしまうことも。
「本業が有名」で「ドメインが強い」会社の記事は、検索でとても優遇されますから、大手企業や先発企業は迷わず、「検索ボリューム」を中心に記事を作っても良いと思いますが、個人や中小企業では、微妙な結果に終わることも珍しくありません。
競争的なテーマ(ボリュームが大きく、商売につながりやすいテーマ)であれば、なおさらです。
では「検索ボリューム」以外に、「この記事はいったい、どれくらいの需要があるのか」を調べる方法はあるのでしょうか。
中小企業や個人が、大企業のドメインパワーに勝つすべはあるのでしょうか。
その分析に必要なのが、以下、残りの6つの方法です。
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