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大学一年生が原爆ドームに行ってみた。

今回は、原爆ドームに行ってみて思ったことをお伝えいたします。
G7が広島でもう目の前に迫ってきている今、大学一年生の私が平和について考えてみました。拙い文章ですが、ぜひ読んでみてください!


1.率直な感想


悔しい。


誰しもが平和を望んでいて、それに向かって努力している人もいる。

なのに平和は訪れない。

常に弱者が強者に搾取される状況は世界のどこかに存在しているし、誰かのために誰かを犠牲にすることもある。

みんながみんな平和は望んでいるのに、相手への信頼感が欠如し対話をせずに争ったり、誤解だったり、価値観の相違だったりが原因で争ったり。

誰かにとっての平和が誰かにとっての平和じゃない。

戦争をしている人全てが悪ではなく、そこには何か理由がある場合もあるし、もしかするとどうしようもない理由なのかもしれない。

みんながみんな平和を願っている状況で、平和が成し遂げられない状況。

尋常じゃない数の人が犠牲になっているのに、平和が訪れていない状況。

私たちと同じように生きている人たちが犠牲になる状況。

原爆の犠牲から70年以上経っているのに、平和からより遠ざかっている状況。

そういった状況に対してとにかく悔しさを感じました。

G7開催を機に特集されていた報道で、平和のためにツルを折る小学生が取り上げられていました。

ツルには願いが書かれており、笑顔が絶えない世界だとか、みんなが思いやりを持っている世界だとかを願っていました。

それらは、すごくシンプルなことなのに、どうしてもできない。

どうしてやることもできない。そのことに対し、ただただ悔しいという気持ちが込み上がっています。




2.印象に残ったこと


2.1.手紙

原爆資料館の中には、当時の被害の様子だけでなく、遺品や後遺症を持ってしまった方のその後など、原爆に関する悲惨な資料が展示されています。


当時の状況の悲惨さに心が痛みますが、私の中にものすごく印象に残ったものがあります。それは、


両親から子供への手紙。


当時は子供は集団疎開をし、親元を離れることがあり、離れ離れになった子どもに対して送った手紙が展示されておりました。

手紙の内容には、「元気にやっているか」といった子どもを心配をするものから、「頑張れ」といった励ましの内容が書かれておりました。

私事ではありますが、大学進学する際に親元を離れており、その際、親から手紙をいただきました。

その手紙から感じ取れる親からの愛情と、展示されていた手紙から読み取れる親の愛情が私の心の中で共鳴し、70年以上も昔にも私と同じように家族からの愛を受けて生きていた命があったということに心の底から実感し、
同じように生きていた命が一瞬のうちに亡くなったり、辛い目にあったという事実に、ものすごく心が痛みました。

もちろん、他の展示にも心が痛むものもありましたが、自分の経験とリンクしたことでより戦争の悲惨さが実感できるものでした。

2.2.観光客層

(GWであったことが多少影響していると思いますが、)年配の方だけでなく、若い方や欧米系の方が訪れていたことに驚きました。

感覚的に、こういった資料館には若い方は関心がなく、ご高齢の方が大半だと予想していましたので、ビックリしました。

知ることこそ、平和への第一歩であり、多くの若い方が訪れていることに希望が見えたようでとても嬉しくなりました。

また、欧米系の方が多く訪れており、日本の核の歴史に対し関心を持ってもらえたことに、感動すると同時に、二つの思いが生じました。


一つ目は、アジア系の方が少ないこと。




原爆ドームを含め、この観光地は、日本の米国からの被害や核の脅威を伝えるため、また平和を願うために作られています。

見方によっては日本の「被害」について知ってもらおうというものであり、日本が搾取をした韓国をはじめとし、中国や東南アジア諸国は日本から被害を受けた国であり、そういった歴史を持つ方々からすると、もしかするとあまり良いイメージを原爆ドームや平和記念公園に対して持ってもらえないのかもしれないのかなと思いました。

小中高と戦争の歴史を学んできましたが、日本が米国から核を落とされ、被害を受けたことはクローズアップされる一方、

中国・韓国・東南アジア諸国に対する搾取の歴史は事実として学ぶものの、その重要性などはあまり取り立たされないという印象を受けています。

近代史や、日本の歴史教育に対し、そこまで知識があるわけではないので感覚的な話にはなりましたが、こういった姿勢はあまり良いものではないのではないかと思っております。



二つ目は、日本人は真珠湾に対してどのような思いを持っているのかということ。



日本人は、非人道的な核爆弾という方法により、多数の被害者を出すことになりました。

そのため、特に米国人が広島に訪れることに対し、もしかすると当たり前と思ったり、訪れるべきだと感じている人も多少なりともいるかもしれません。

しかし、対して、我々が真珠湾含め、アメリカ軍に対して被害を出したことについて深く考えたことがない人もいるのではないでしょうか?

関連して、2008年にこのような出来事がありました。(以下は、『世界のリーダー185人 ヒロシマ、ナガサキで発した「言葉」』(著:三山秀昭)から引用しております。)

ナンシー・ペロシという07年から11年まで米議会下院議長を務めた方が、当時の衆議院議長である河野洋平さんが招集したG8の議長サミットに参加するため、日本に来日し、その際ペロシ議長はじめとしG8議長サミットのメンバーは慰霊碑に献花し、資料館を視察しました。

この際、ペロシ議長が河野議長に対し自らの広島訪問について、以下のように言いました。

「私の広島訪問は、米国内の世論から見れば勇気のいることだった。しかし、あなたの招請を受け、私は政治的リスクを超えてこの広島に来て、今、広島の地にいる。資料館を見て、慰霊碑に献花し、被爆者の声も聞きました。この意味を理解してください。河野さん、あなたはハワイ真珠湾のアリゾナ記念館を訪れたことがありますか。」

世界のリーダー185人 ヒロシマ、ナガサキで発した「言葉」

※米議会下院議長は大統領がかけた時の権限継承順位が上院議長を兼ねる副大統領に次いで第二位の地位にあり、事実上、所属政党を問わず米議会のリーダー的存在。

「原爆投下によって戦争の終結を早め、戦争が続いた場合の日本人や米兵の多くの命を救った」というアメリカ国内の世論という政治的リスクを超えて広島を訪問した決断を理解してほしいと訴えたのでした。

これを受け、河野さんはその年の12月にハワイに訪れ、真珠湾のアリゾナ記念館に献花しました。

私が申したいのは、私たちは米国への被害に対し、真摯に向き合えているだろうかということです。

前述した歴史の授業だけでなく、メディアなどでも日本が他国に対し、被害をもたらしたということの重要性はあまり教えられません。

もちろん、センシティブな内容ではありますが、平和を目指すためには、起きた事実に対し、真摯に向き合うことも必要だと私は考えます。




3.平和とは

前述した内容では、日本人だからこそ日本人が起こした罪を償おうという捉え方をしてしまうかもしれません。しかし、私はそれほど日本人だからこうあるべきだといった考えは持っておりません。

〇〇人という前に私たちは同じ人間であり、もちろん、民族とか国民とかそういった社会集団の存在を否定するわけではなく、ただ、それに固執しすぎては良くないんじゃないのかなーと考えております。

私たちの生きる現代は、指数関数的に成長しており、VUCAの時代と言われるように予測不能な時代を生きています。

また、私たちは歴史から様々なことを学び、考えてきました。失敗も成功も。

足並みを揃えながら少しずつ平和を目指してきましたが、未だそれが成し遂げることはできておらず、より予測不能な時代が到来します。

世界はもともと不平等に作られており、そんな中で自分のもしくは自分の所属集団の損得だけを考えれば、自然と弱者と強者が生まれ、搾取し、恨み、争い…。

もう私たちは、損得勘定だけで生きていくことはできません。道徳心を持って生きていかなければ、この予測不能な時代を誰も生きることはできなくなってしまう。

もし分かりづらければ、手塚治虫さんが描かれた火の鳥未来編を読んでみてください。私が言いたいことがまさに描かれております。

「平和」とは至極シンプルなものです。互いを想いやって行動する。ただそれだけのことです。



4.最後に

今回、GWに広島を訪れ、原爆ドーム・平和記念公園・平和記念資料館を訪れ、平和の重要性をより実感いたしました。

ロシアのウクライナ侵攻をはじめとし、世界が不安定な状況に陥っており、平和記念公園の存在がより求められていると感じます。

平和というと個人の問題ではなく、社会的な全人類の関わる問題であるからこそ、何もできることはないと考えがちですが、私はそうは思いません。

前述した通り、道徳心がこれからの時代にはより重要視されるはずです。正直、国家レベルではやはり損得勘定で考えることが求められており、そこに道徳的な考えを求めるのは難しいと思います。

道徳心というのは、個人に求められるものです。核削減とか、紛争とかそう言ったことではなく、もっと身近な近所の些細な課題だったり、そういうところで相手を思いやり行動することこそが、平和なのです。

今回は省きましたが、まだまだ語りたいことはあるので後日投稿したいと思います。

お読みになっていただきありがとうございました。



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