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命の使い方

我が国の歴史の展開を諸資料に基づき地理的条件や世界の歴史と関連付けて総合的に考察させ、我が国の伝統と文化の特色についての認識を深めさせることによって、歴史的思考力を培い、国際社会に主体的に生きる日本国民としての自覚と資質を養う。

これが、日本史Bの教科書に記載された、学習指導要領に書かれている歴史を学ぶ「目標」です。歴史はただ暗記するだけの科目ではなく、未来に生かしてこそ意味があります。 79年前の8月15日、大東亜戦争が終わりました。

この時期になるといつも考えさせられますが、戦争や原爆の問題はあまりにも根深く、どちらが正しいと断言できるものではないですよね。特に私は海外の人とビジネスをしているので、嫌なことを言われた経験も一度や二度ではありません。この手の話題においては、常にそれぞれの言い分があり、それはある面では正しく、ある面では間違っています。例えばあるアメリカ人にとっての原爆は「横暴な日本を鎮める唯一の方法」であり、ある日本人にとっては「今でも許せない無差別殺戮行為」でしょう。

「原爆投下は当然であった」と面と向かって言われると、日本人の私としては当然複雑な感情になります。大東亜戦争も日本が仕掛けたと言われますが、そうさせたのは誰だ?という反論を、根拠を示しながらしたくもなりますし、したこともあります。しかし、これらのアクションは多くの場合において、無意味でした。「常識とは18歳までに身につけた偏見のコレクションでしかない」これは有名なアインシュタインの言葉です。まさにその通りだなと思います。特に大人になってからは、自分の常識を変えることはまず難しいです。今から毎日手でカレーを食べろと言われても、多くの日本人は混乱するのと一緒です。

議論の深刻さはあれ、戦争に対しての考えも同じかなと思います。「The history is a history. 」と私の中国人の友人が言ったことがあります。彼は日本兵が酷いことをしたと言われる地域の出身者です。彼の意図は「歴史なんて過去のことさ」という意味もあったでしょうし、「とはいえ歴史は歴史だ」という意味もあったでしょう。「歴史なんて過去のことさ。忘れちまおう」という主張が強い人は、「あの人は心がない」と言われますし、「とはいえ歴史は歴史だ。許すことはできない」と言う人は「なんだよ、昔のことにいつまでもこだわって」となるでしょう。ここには深い溝があり、そしてグラデーションもあります。それぞれの立場が違う以上、完璧に分かりあうことは難しい。

自分に主語を戻して、「では私はどうしたいのか?」と考えてみると、「大切な人の隣に安心して居られる未来を創りたい」というミッションにたどり着きます。だから当社トナリズムを7年前に起業しました。会社経営をしていると、この平和な日本においても、毎日それなりに大変なことが多く、というかほぼ大変なことしかありませんが、それでも、今の日本は平和です。「今すぐこの戦闘機に乗って、敵の軍艦へ突っ込んで死んでこい、絶対に戻ってくるな」と言われることはありません。お腹と背中がひっつきそうな、痩せ細った兵士の写真を見たことがありますか?彼らはみんな、国のために死んでいきました。

朝起きると、寝室で5歳と0歳の娘が私に抱きついてきます。本当に愛しくて、この幸せがあれば他に何もいらないと思います。この当たり前が存在するのは、私たちの祖先が、自分のたった一つの命を日本のために使ってくれたからです。今私たちが当たり前に受け入れている、平和な未来を夢見ながら。

人が争い殺し合うことは、馬鹿げています。そして本当に涙が出るほど悲しいことに、それは今も起き続けています。

私は、半導体ソリューションを軸に世界を進化させ、あなたが大切な人の「トナリ」にいられる時間を増やします。それが私の使命だからです。まずはできることからやります。当社トナリズムは、今年世界初の機能を持つアナログ半導体をリリースします。そしてこの半導体を搭載した商品を来年発売します。まだ詳細は言えませんが、この商品は大切な人の「トナリ」にいられる未来を創るものの一つです。

先人が守ってくれなかったら、存在していなかったかもしれないこの命。私は自分の夢のために使います。でも私一人ではできないから、トナリズムのみんなと頑張っています。

あなたは命を何に使いますか?