認知科学に基づくコーチングとは
皆さんこんにちは。松澤です。
僕は2022年10月からmindset coaching School 7期メンバーとして「認知科学に基づくコーチング」を学んでいます。今日はその「認知科学に基づくコーチング」についてお話します。
コーチングに興味がある方、自分自身の人生に興味がある方は最後まで記事を読んで頂けると嬉しいです。
コーチングとは
コーチ(coach)の語源は馬車
馬車の役割は「人を目的地まで連れて行くこと」
そこから派生して、コーチは「クライアントをゴールまで導くこと」が仕事になります。
認知科学とは
認知科学とは、人間のマインド(脳と心)がどのように働いているかの研究から生まれた学問です。人は常に何らかの情報をインプットし、それを知能が情報処理し、行動という形のアウトプットをしています。
人間の変容を促す際、思考や行動という目に見えるアウトプット変えようとしても効果は限定的で、より深層の情報処理のパターン(内部モデル)にアプローチをかけ、内部モデルを書き換えた方が本質的な変化を生み出せる、という考えをもとに確立されたのが認知科学に基づくコーチングです。
では次にどのようにしたら内部モデルが書き換えられるのかを見ていきます。
自分の人生を飛躍させる際に大事なこと
1.ゴール設定
自分の人生を激変させたいと思った時に、認知科学に基づくコーチングにおいて一番大事な事として「ゴール設定」があげられます。
認知科学に基づくコーチングにおけるゴール設定には、下記の3つの条件があります。
①本音のwant toであること
「want to」とはあまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、端的に言うと
です。
自分自身にとって権威となる人(親、パートナー、先輩、上司など)から禁止されてもやってしまう行為は、want toな可能性が高いです。
なぜwant toであることが重要なのか?
自身のゴールが心の底から本当にやりたいことでなければ、ゴール達成への意欲は決して継続しないからです。
逆に他人からの期待などの外圧からくる行動は「have to」と言います。
自分自身を抑圧して制限をかけて、本音で生きることを無意識に避けている状態です。
②ゴールは現状の外側に設定すること
続いては現状の外側、という考え方です。認知科学に基づくコーチングでは「現在の状態のままいけば十分に起こりうると予測される未来」は全て現状としています。
例えば現在会社員の人は会社員であることが現状です。現在課長の人が現状を変えるために「3年後には部長になる」という新たなゴールを設定したとしましょう。しかし、このゴールでは現状は変わらないままなのです。
なぜなら課長が3年後に部長に昇進することは現状が理想的に推移したならば可能な未来だからです。もちろん簡単な未来だと言っているわけではありません。理想的に推移した場合に実現可能であるものは「現状」だという意味です。
では、現状の外とはどういったものか?
それはゴールを達成するために既存のビジネスモデルや自分のビリーフシステム(自我)を変えないと達成ができないようなものです。
そして、現状の外側のゴールを設定できているかどうかは下記の3つを満たしているかで判断出来ます。
ではなぜ、現状の外側に置くことが重要なのでしょうか。
結論からいうと、
「現状の外側」+「心の底からやりたいこと」のゴール設定をすることによって、人は無意識のクリエイティビティを発動させ、達成するためのプロセス・経路を創造していきます。
③複数の領域(オールライフ)で設定する
最後の条件が複数領域で設定する、ということです。仕事・趣味・人間関係・社会貢献・知性・家族・健康・ファイナンスと、8つの領域でゴールを作っていきます。
もちろん全ての領域で本音のwant to かつ現状の外側で設定をしていきます。1つのゴールだけではその他の領域とうまくバランスが取れないことがあります。
例えば、仕事が好きでめちゃくちゃ働いてしまい、健康や家族を犠牲にしてしまうなど、皆さんにも経験ありませんか?
こうなってしまうと、結果として仕事のゴールも達成できなくなってしまいます。だからこそすべての領域でオールライフにゴールを作るのことが大切です。バランスホイールでゴール世界をデザインし、未来を整合させていくことが大切になります。
人生の全領域で、自分が本当にやりたいことで、自分すら想像できないクレイジーなゴールを掲げて、24時間を夢中で過ごす。
これが正しいゴール設定によるパワーです。
2.エフィカシー
エフィカシーは、ゴール達成に最も重要なものです。
エフィカシーとは何かというと、「自己のゴール達成能力の自己評価」のことです。簡単に言うと「現状の外のゴール」に対して「やれる気がする」ということです。未来のゴールに対する根拠ない自信があるということになります。「やったことないし、できるか分からないけど」自分ならやれるという状態が近しいでしょう。
この「やれる気がする」がパフォーマンスのレベルを決めます。
加えて、ここで1つ気をつけなくてはいけないのは、人それぞれでエフィカシーが高い領域が異なるということです。
なぜなら、人が持つ個性や能力は人によって異なるからです。
なので、エフィカシーが高い領域の抽出がとても大事になってきます。
エフィカシーの高い領域の抽出を間違って、エフィカシーが低い領域を抽出してしまうと大変なことになります。
理由としては、エフィカシーが低い領域でゴールを設定すると、エフィカシーが下がり続けるからです。
故にエフィカシーが高い領域を抽出して、エフィカシーが高い領域でゴール設定することが大事なのです。
3.RASとスコトーマ
【RAS】
脳には、レティキュラー・アクティベイティング・システム(Reticular Activating System)というフィルターシステムがあります。略してRAS(ラス)と言います。
このRASの働きは、必要な情報を認識し、必要のない情報はロックアウトすることです。情報のロックアウトは脳にとって必要な働きで、すべての情報を認識しようとすれば、脳はあっという間に機能停止状態に陥ってしまうからです。
例えば「カクテルパーティー効果」というのもRASの働きによるものです。立食パーティーでは会場全体がざわざわ騒がしい状態です。そういう中で隣の人や目の前の人と会話が成立するのは必要な声を選択的に聞き分けているからです。このような選択的に自分にとって重要な情報を取捨選択するフィルターの役割をするシステムがRASです。
【スコトーマ】
あなたは今までに「あなたには何ができる」や「あなたは何をすべき」と言ったことを親や先生や上司などから言われてきたと思います。誰かに言われたその内容をもしも受け入れてしまっていたら(大抵は受け入れています)マインドはそのことにロックオンして、言われたこと以外の可能性をロックアウトしてしまいます。つまり認知の盲点ができてしまうのです。
この盲点のことを、ギリシャ語で「スコトーマ」と言います。
スコトーマは視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚にもあります。また情報にもあります。たとえ大切な情報であってもマインドの使い方によっては「スコトーマ」が作られてしまいます。そして、この「スコトーマ」に隠れて認識できていなかったものの中にこそ、新しい可能性やチャンスがあるのです。逆に言えば、「スコトーマ」を外して隠れているものが見えるようになると選択肢やチャンスが大きく広がり、人生を変えることができます。今は見えていない他の選択肢が見つけられれば人生はより楽しいものになるでしょう。
ではどのようにしたら「スコトーマ」ははずれるのでしょうか。
答えは「現状の外のゴール」を設定することです。
「スコトーマ」は自身の重要性をズラさないとはずれないため、現状の外のゴール設定をすることでしか「スコトーマ」ははずれません。
また現状の外のゴール設定をすることによって情報の入力が変わるのでRASが発火しスコトーマがはずれ「ゴール達成」のプロセスが見えてくるのです。
4.コンフォートゾーン
我々には慣れ親しんだものを維持しようとする。一定の安定した状態を維持する機能があります。
それをコンフォートゾーン(ホメオスタシス)と呼びます。
「コンフォートゾーン」とは、無意識が集めている優先順位の集合体と考えてください。ゾーンというくらいなので、少し幅があるイメージを持ってもらえると良いと思います。
このコンフォートゾーンというのはとても強力です。なにしろ「自分が大切だと思うものの集合体」なので、このゾーンの中にいるときはとても居心地が良いのです。
上記のように、何か自分に変化が起こると、それを元の状態に戻そうとするために、様々な変化を起こしていきます。
例えば、体温が下がると鳥肌が立ち体温の低下を防いだり、体を震えさせて強制的に運動を起こして体温を上げるなどしますよね。
このように、人は安定した状態を保つため、内分泌系、自律神経系、免疫系などに変化を起こしています。
これは人体だけではなく脳の情報処理にも同じことが言えることが分かってきています。
日常を思い出してもらいたいのですが、自分のオフィス空間や部屋のレイアウトを頻繁に変えたりはしませんよね。同じ場所に座って、同じ画面に向かって電話をしたりしているはずです(無意識的に心地良いため)。
要するに、人は「変わらない」ために多くのエネルギーを割けるようにデザインされているのです。
さらに、コンフォートゾーンとは人のパフォーマンスの限界を決めるものでもあり、このゾーンにいるときが人は一番力を発揮できるとも言われています(ホームグラウンドで勝ちやすい話と似ています)。
また、このコンフォートゾーンは2つ同時に持つことが出来ないという特徴があります。
例えば人は平均体温を36.5度など、1つしか持てないということです(私の平均体温は36.5度と35度ですは無理ということ)。
さらにこのコンフォートゾーンは、臨場感が高い方にズレるという特性があります。
そのため、現状の外側のゴール側が自分にとって快適であり、慣れ親しんでいるという状態を作ることが何よりも大切です。
こう考えていくと、いかにして未来側のゴールの臨場感を高めていき、そしてそこが一番に居心地が良いと思えるかが大事になってきます。
5.セルフトーク
セルフトークとは、自分に語りかける言葉です。
パフォーマンスの限界を決めるのがコンフォートゾーンと説明しましたが、そのパフォーマンスを決定づけるものがセルフトークです。
繰り返しになりますが、セルフトークとは無意識的に自分自身に語り掛けている言葉です(心の中で思っても口に出さないことや、自分でも全く意識していないけど考えてしまっていることです)。
※そして、ほとんどの人が自分のセルフトークを自覚していません。
ただ、自覚をしていないのに、このセルフトークがゴール側に臨場感をもたらすのに大きな働きをするのです。
※臨場感を上げる有効な方法の一つがセルフトークと認識してください。
もっと詳しく説明すると、まず人間は無意識的なセルフトーク、つまり自分自身への言葉の投げかけを一日に数万回も行っていると言われています。
このセルフトークは「自分は人と打ち解けるのが得意な人間である」「自分は論理的に考えることが好きだ」といったポジティブなものもあれば「自分は細かい計算が苦手だ」「パートナーとうまくいっていない」というネガティブなものもあります。
※セルフトークの8〜9割がネガティブセルフトークと言われています。
そして実は、マインドの作用の観点からみると、「臨場感」を決めるのは目の前で見えていることではないんです。むしろスコトーマによって、私たちは自分が見たい世界しか見ていない。
つまり、セルフトークが語り掛ける言葉によって、言葉が脳に映像を出力する。そして、映像の情報によって感情が動く。その感情のパワーによって自己イメージを形成して、自己イメージが新しいコンフォートゾーンを作り上げる。この一連の作用がセルフトークがもたらすパワーです。
なので、セルフトークを書き換えると、それが勝手に「ゴールの臨場感」を高め、エフィカシーを高く維持することにも繋がるわけです。
上記の理由から、ゴールを達成した自分の人格を今の自分に取り込んで、未来の自分が使っていそうな言葉やフレーズをセルフトークとして毎日唱え続けることで、新たなコンフォートゾーンが定着していくのです。
ゆえに、臨場感の発端であるセルフトークを変えると、自分自身のコンフォートゾーンもずらすことが可能なのです。
最後まで記事を見て頂きありがとうございました。
記事を見て頂いた方に少しでも参考になることがあれば嬉しいです。
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