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対義語ではない「技術」と「戦術」

育成年代、主にジュニア年代では戦術は教えるべきではない。教える必要はない。まだ早い。そんな言葉をよく聞きます。本当にそうなのでしょうか。そもそも戦術とは何のことを言うのでしょうか。技術と解釈しているプレー、それが実は戦術のことだったりという可能性もあります。戦略→戦術→作戦という流れがまずあります。どういう戦略や戦術でチームを構築するか、ゲームモデルを構築するか、チームコンセプトを構築するか。それによって、選手に求められる技術が変わってくるからです。例えば、最後尾からボールを大事にするチームと、安全第一で絶対に失点しないことを大事にするチームがあったとして。攻められている状況で自陣ゴール前で選手がクリアしたとします。後者のチームだとそれがナイスプレーになると思います。前者のチームの場合、果たしてそのクリアがナイスプレーとなるのでしょうか。その答えは、チームによって、戦術によって変わります。ボールを大事にしたいからクリアが良くないと言う指導者ももちろんいていいですしいるべきです。戦術によって選手に求められる技術が変わってくるとはこういうことです。スペインでは育成年代からしっかり戦術を教えています。僕がジュニア年代の時は、もちろんあの時があって今もサッカーに携われているのですが、ただひたむきにがむしゃらに走ってボールを止めて蹴っていました。それがサッカーだと思っていましたし、それが楽しかったです。でもそれは本当のサッカーではないということ。本当のサッカーはもっと深くて、それを理解してプレーすることが本当の楽しさだと選手たちには感じて欲しい。心の底からそう思います。ジュニア年代の時に、そういうのを知っていたかったと思ったりもします。選手たちにそういう思いはして欲しくないという想いから。それを伝えたいというのも、僕がジュニア年代を指導しようと決めた理由の1つです。サッカーは頭を使ってから脚を使うスポーツ。脚より頭を一番使うスポーツ。頭を使うには戦術を明確にしておかないといけない。技術と戦術は類義語なのです。

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