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10歳の君へ。母歴10年で思うこと。

長男が10歳の誕生日を迎えました。私がお母さんになってからも10年。

生まれたときのことはよく覚えています。
出産前に東村アキコさんの名作マンガ「ママはテンパリスト」に出会い、爆笑半分、出産への恐怖半分で読んでいました。

(「海月姫」「東京タラレバ娘」など数々のヒット作を生み出している東村アキコ先生の子育て実録本。子どものいない方にもおすすめしたい!息子のごっちゃんのユニークさとアキコ先生のテンパリ具合が最高です。)

初めての妊娠出産

この本をはじめ、先人たちの体験談を見聞きし、出産は怖かった…!自我を失って暴れるのでは‥という未知への恐怖がずっとあったけれど、実際は泣きもせず叫びもせず、わりと淡々と乗り越えたように思います。ソフロロジー法という呼吸法を練習していた効果もあったのかもしれません。

もちろん痛みや苦しさもありましたが、生まれたときの達成感が人生最高と言えるほどで「これならまた産めるな…!」と出産直後に口にしていました。

「この子がいたんだ」「やっと会えたね」
腕の中にすっぽり入る長男を初めて目にしたときのこと、今でも思い出せます。

産婦人科では出産した日はひと晩赤ちゃんを預かってくれ、母体を休めて、翌日から同室になる予定でした。

ひとりで入院する部屋にいたけれど、興奮して寝つけず、生まれたばかりの名前も決まっていない長男を見たくてヨロヨロしながら新生児室に行きました。
(産後の女性は大げさではなく歩けないほどにボロボロ。出産直後は分娩室から部屋へ移動するときに生まれて初めて車椅子に乗りました。産褥期(さんじょくき)といって3週間は横になっていた方が良いと言われています。これは多くの方に知ってほしい…!)

新生児室のガラス越しに長男を見つめていたら、助産師さんが呼び入れてくれ、母乳のあげかたを教えてくれてました。「連れて行っても良いよ!」と、その日から同じ部屋で過ごすことに。

部屋に戻り、長男をおそるおそる、そっと私のベッドにうつし、一緒に横になりました。隣で眠る姿を見つめていると、温かい気持ち、愛おしさがじわーっと全身に広がります。

初めてうんちをしたときはどうすれば良いかわからず、助産師さんを呼びました。(初産あるあるなはず…!)最初はうんちのオムツの替え方すらよくわかりません。5日間の入院中にお風呂の入れ方やミルクの作り方を教わり、あらゆる初めてを経験します。

妊娠出産は神秘的で、少しずつ大きくなるお腹に「人間も動物なんだ」ということを感じた期間でした。母乳をあげることも、自分から分泌されるもので子どもが育つなんて、信じられないことで。

バリバリ働くことを考えていたはずなのに…

こんな文を書いていますが、私は愛にあふれたお母さんタイプではけっしてありません。
「家事が嫌いだから結婚しない!」
と高校生の頃母に宣言したことがあります。
どちらかというと主婦だった母よりも、バリバリ働き釣りや登山など多趣味で、博学な父への憧れが幼少期から強くありました。

就職と同時に実家を出ていたので、里帰り出産で久しぶりに数か月両親と過ごしました。それまで母からは「長女だから」と頼りにされることが多かったのが、産後へろへろの私のケアを細やかにしてくれて、ようやくこれまで母のしてきてくれたことが理解できたように思います。

「私は孫も可愛いけど、娘の世話がしたいんだ」というようなことを言ってくれ、不器用な母の愛をしっかり感じたのはこのときが初めてだったかも。(好きとか可愛いとか大切とか、言葉にする人ではなかった)

就職で家を出るときもアッサリ淡々としていた両親が、私と長男が夫のいる自宅へ戻るとき、新幹線の乗り口で泣いていました。

それくらい長男の誕生は私たち家族みんなにとって大きなことでした。

「私もバリバリ働くんだ」と学生時代から思い、仕事にまい進していたはずが、出産したら驚くほど「仕事に戻りたい」という気持ちが浮かばなくなってしまいました。

長男が可愛くて、一緒にベビーマッサージに行ったりカフェに行ったり、児童館へ行ったりした0歳代。寝がえりをする、ハイハイをするようになる、初めて歩く、すべてが新鮮。手をつないで歩くだけでも「手をつないで歩いてる‥!!」と感激できてしまう。私こんなキャラだったっけ‥??

1歳になり、鉄道好きに目覚め、畳のふすまをずーっと開け閉めしたり、ベビーカーのタイヤを転がしながら見つめていたり、メカニックなもの好きな片鱗が見え隠れ。

初めて歌った歌は「トミカプラレールの歌」。
近所の踏切を毎日のように見に行き、鈴木まもるさんの「せんろはつづく」を何回読んだかわかりません。


▼1歳半の写真。まさか鉄道愛が今でも続くとは…。

1歳10ヵ月でお兄ちゃんに

次男が生まれ、1歳10ヶ月でお兄ちゃんになりました。私が長女だから、「お兄ちゃんらしく」「お兄ちゃんなんだから」は言わない!と決めて、長男を優先にするように心がけました。

それでもこの頃から、私の感情コントロールがうまくできない日が増えて、必死でした。今思うと、2歳のイヤイヤ期と言われる時期と下の子の誕生が重なったのは長男にとっても複雑なことだったのだと思います。

あまりのマイペース、自我の曲げなさに「空気読む系長女」だった私の逆鱗にふれることもしばしば。子育てで悩んだこと、迷ったことは数知れず。(アンガーマネジメントやマインドフルネスなどの本、子育て本も数多く読み‥‥でもこの経験が、今少しずつ仕事をするようになり生かされているかもしれません)


それでも、私とは違う個性を見続けるのは面白く、子どもと一緒に過ごすのは飽きないなーと楽しい10年でした。気づけば娘も生まれ、3人兄妹の長男になっていました。

10歳の誕生日プレゼント

本人の希望で
「電脳サーキット」と「防水デジカメ」
を贈りました。

長男らしいセレクト!

10歳おめでとう。親バカ万歳!

本を読むこと、コマ撮りを作ること、電車が好きで、自分のオタク知識を話すときはやたら饒舌になる長男。かといって完全なインドアではなくて、島の暮らしの中で海で泳いだり外を走り回ったりして過ごすことも楽しんでいます。


自分の考えを人に伝えることができ、虫や生き物も好き。そして…かつて私は夫に一目ぼれをしたのですが、長男は順調にイケメンに…(はい親バカです)

私はこれからも親バカであり続けたい。子どものことを可愛いよねー!ここが好きー!と親が言い合える、そんな世の中になれば良いなと思います。

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