バレエ漫画原作2(1はこちら↓)

マサキ:主人公、21歳、大学4年生、金髪
ジン:マサキの親友、21歳、大学4年生
ナナ:女子高生、17歳
「セリフ」【モノローグ】≪あぶく≫
00
回想:
ナナ
「新国立バレエ団」
「私に任せて」
@自宅のベッド
寝っ転がるマサキ
「任せてって言われてもな~~~~」
≪場所と時間だけラインで送られてきたけど≫
「バイトなんだが~~~~~?」
01
@大学
ジン
「明日?バイト代わるよ」
マサキ
「まじ~~~?ありがてえ~」
ジン
「代わりに…」
にやり
ジン
「ラーメン奢れ♡」
じっとりした目のマサキ
「しょうがねえなあ…」
@ラーメン屋
ジン
「おっちゃんのラーメン大好き♡俺いつもの大盛特製~~~!」
マサキ
「…」
ジン
「何、頼まねえの?」
マサキ
≪俺、ほんとに新国目指すのかな≫
≪まだ、実感わかねぇ≫
ジン
「おいおい、高校時代かよ笑」
マサキ
≪高校の頃…、≫

02
回想:
ジン
「武道家行こうぜ!」
マサキ
「…」
「俺、ラーメン食えねえんだよな。バレエの先生から炭水化物控えろって言われてて…」
ジン
「ええええええ!今まで食ってたじゃん!」
マサキ
ぐううううう
おっちゃん
「おい、坊主。」

03
脂身の少ないチャーシューと味玉を盛り付けた皿。
おっちゃん
「これなら食えるんだろ」
涙目のマサキ
「ありがとう…」
@現在の武道家
マサキ
≪大学に入って普通にラーメン食うようになって、おっちゃん驚いてたな。≫
≪本当に新国目指すなら、食えねえよな≫
「おっちゃん、昔のチャーシューと味玉のセットって…」
おっちゃん
「坊主!!!!また、バレエ始めたのか!」
マサキ
「いや…まだ…、わからないんだけど…」
04
おっちゃん
「嬉しいよ。お前がバレエの話をするときの嬉しそうな顔、忘れらんなくてよ。」
マサキ
「…!」
チャーシューと味玉が目の前に置かれる。
おっちゃん
「頑張れよ。」
ジン
「なんだよ、早く言えよ。」
マサキ
「ありがとう…」
@武道家の暖簾をくぐりながら
マサキ
≪また、踊る毎日が始まったんだな…≫
============
翌日
マサキ
≪地図を頼りにやってきたけど…ここ、めちゃくちゃ高級住宅街?≫
≪ここデヴィ婦人の家じゃん!≫
角を曲がって…
05
塀にかこまれた洋風の大豪邸
マサキ
「ここ!?」
自動ドアが開き、インターフォンから
ナナ
「早く入って」
マサキ
「おじゃましまーす」
@豪邸の中
マサキ
≪中もやべえな。アイツの親、何者…?≫
現われた制服姿のナナ
「こっち」
ついていくマサキ
「ハイ…」
廊下を曲がる
マサキ
「親とかは?ご挨拶とかしなくていいの?」
ナナ
「…一人で住んでるから」
マサキ
≪こんな広い家に一人で…?≫
ナナ
「ここよ」
扉を開ける
06
吹き抜けの天井から光が入る広い部屋


練習場イメージ

マサキ
「す、すげえ…」
ナナ
「そこに座って。」
床に座るマサキ
ナナ
「新国のオーディションまで三か月。あなたはここで死ぬほど練習する。」
「その前にまず…」

07
ナナ
「書類審査用の写真を、一週間後に撮る。」
マサキ
「い、一週間後!?」
ナナ
「締め切りギリギリなの。」
「必要なのは、履歴書。それと顔写真とーーー」
「全身の第一アラベスクの写真。」

第一アラベスク

マサキ
≪バレエの基礎中の基礎。第一アラベスク。≫
ナナ
「そう。この写真でーー。」
08
ナナ
「全てがバレる。」
息を呑むマサキ
ナナ
「見る人が見れば、この一枚の写真であなたの実力はすべてお見通し。」
マサキ
「け、経歴とかは…?」
ナナ
「そんなもん…、嘘つき放題よ。」
マサキ
≪おいおいおいおい≫
ナナ
「バレエは上手けりゃいいの。経歴なんて、どうだっていい。」

「まずは…そのたるんだ腹をなんとかしなさい!!!」

くんくんと臭いをかぐナナ
「あなた…、ラーメンなんて食べてないでしょうね…?」
マサキ
「チャ、チャーシューと味玉だけです…。」
ナナ
「ブチィ」(血管の切れる効果音)
「一週間しかないのよ!!!!???水しか飲むな!!!!」
マサキ
「ひいいいいいいいい」
ナナ(書き文字)
「直前は水も抜き!!!!!」
マサキ(書き文字)
「ひいいいいいいいいい」
08
バーを握るマサキ
≪でも…、ありがてえな。踊るには最高の環境だ。≫
≪4年ぶりのバー≫
基礎練習から始めるマサキ
≪ああ…≫
≪全身が…、歓喜の悲鳴をあげてる…≫
陰から見守るナナ
「…」
悔しそうに、練習場を静かに退出するナナ
「…っ」
09
汗だくのマサキ。練習場の扉から外に向かって
「おーーーい。そろそろ帰るぞ~。」
陰から現れてじっとりとした目線を送るナナ
「…何よ。一晩中練習しててもいいのよ。」
マサキ
「本当はそうしたかったんだけど、これ以上やると怪我しそうで…」
「あとシューズ穴開いちまって、家帰って明日からは靴下持ってくるわ。」
ナナ
「…こっち」
マサキ
「え?」
ナナ
「こっち来て!」
10
奥の部屋の扉を開けると、ズラリと並んだ男性物のバレエシューズ・レオタードが

イメージ

ナナ
「シューズもレオタードも自由に使っていいから。」
マサキ
「…これ、誰の?」
ナナ
「誰のだって良いでしょ?」
「……、身長、同じくらいだったはずだから、サイズは合うはず。」
ゾッとするマサキ
≪このシューズの量…。一生バレエをやると決めないと買わない数だ…。≫
ナナ
「じゃあ。玄関はオートロックだから、勝手に出てって。」
マサキ
「…!おい!飯とかは?」
ナナ
「余計なお世話!ご飯なんて食べないわよ!!!あんたと違うんだから。」
11
==============
窓辺に佇むナナ
≪ずっと我慢してたご飯だけど…≫

回想:
一人で白ご飯を食べるナナ
≪やっと食べれるようになっても、全然美味しくなかった。≫

@現在ベッドにダイブして
ナナ
「ふぅーーーーーーーーーー、結構キツイな」
≪あんなに楽しそうに踊って…≫
≪私も、少し前までは…≫
回想:キラキラとした笑顔で踊るナナ
12
@現在
ベッドに一人で寝転がるナナ
≪やばい、また、メンタル落ちる…≫
【踊ることが好き、大好き、愛してる。】
【大好きだからこそ…】
【愛しているものから愛されないとき、】
【私は、どうすれば良い…?】
涙を一筋流しながら、眠りに落ちるナナ、顔色が悪い。
===============
翌朝
朝6時。いい香りがして目が覚めるナナ
≪…?≫
13
階段を降りていくと…
マサキ
「わりい!勝手にキッチンちょっと借りた!」
おにぎりとみそ汁
ナナ
「…なにこれ」
マサキ
「お前、どうせ大したもん食ってねえんだろ?」
「この前みたいに甘いもんばっか食うなよ?胃がびっくりしてまた吐いちまうよ。」
ナナ
「…」
マサキ
「朝っぱらから練習場借りて悪いな。10時前になったらまたバイト行って、夜にまた来るわ。」
出ていくマサキ
14
おにぎりを食べて、ちょっと悔しそうなナナ
「なにこれ…、美味しい…。」
=============
@夜の練習場
マサキ
≪…練習場で合わせて一日10時間。≫
≪家に帰って、筋トレ、ストレッチ≫
≪それでも、不安で、不安で、仕方がない。でも…≫
≪嬉しい!!!≫
【俺は今、踊ってる。】
ナレーション
【一週間後】
ナナ
「さあーー」
15
ナナ
「今日は撮影日。」
「レオタードは指定の黒。間違えてないわね?」
マサキ
【いよいよだ…!】
つづく。③はこちら↓






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