バレエ漫画原作3(1はこちら↓)

マサキ:主人公、21歳、大学4年生、金髪、182cm
ジン:マサキの親友、21歳、大学4年生、173cm
ナナ:女子高生、17歳、168cm

「セリフ」【モノローグ】≪あぶく≫
00
ナレーション
【新国立劇場バレエ団】
【これまで国立のバレエ団が無く、条件面で苦しい思いをしてきた日本のバレエダンサーたちの状況を憂い、
バレエの更なる発展のため、先人達が1997年に発足した公営のバレエ団】
【ーーーそのレベルは、日本最高峰。】

@練習場
マサキ
≪そんなバレエ団のーー≫
01
マサキ
≪入団審査に書類を送ることになるとはなーーーーー!!!≫
ナレーション
【書類審査用 写真撮影 当日】
ナナ
「オイコラア!!!ビシッと立て!!!」
マサキ
≪バレエの基礎の基礎。第一アラベスク。≫
≪この写真で、俺の実力全てが見透かされる。≫
ナナ
「…、手足は長いわよね。」
マサキ
「そう…?」
02
凄い高そうなカメラでマサキの写真を撮るナナ
パシャ、パシャ
マサキ
「…」
ナナ
「まあ、いいんじゃない?良く絞ったよ。」
マサキ
「ほっ…」
ナナ
「じゃあ、これでメール送っとく。」
マサキ
「おいおいおいおい!!」
「履歴書!!!俺見てねえよ!!!」
ナナ
「…そんなに気になる?じゃあ、はい」
紙を渡す。
03
・7歳 バレエを始める。神楽坂バレエスタジオ山田直樹に師事。
・18歳 高校卒業と同時に、アメリカン・バレエ・シアターの養成所に留学。ケヴィン・マッケンジーに師事。
・21歳 新国立バレエ団入団試験のため帰国。
力が抜けるマサキ
「おいおいおいおいいいい…、俺、すげえじゃん…。」
ナナ
「わっかんないわよ。海外の養成所に誰が居るかなんて。」
「まずは踊ってるところを見てもらわなきゃ始まらないんだから。」
マサキ
「…そいういうもん?」
ナナ
「ケヴィン・マッケンジーは、私がアメリカに行ったとき学生に教えていたし、そんなに辻褄が合わないことないわよ。」
マサキ
「…、お前、すげえじゃん。」
ナナ
「すごくない。」
「まあ、明日は一日休めば?明日は家、貸せないから。」
マサキ
「え、誰かくんの?」
睨みをきかすナナ
04
ナナ
「余計なお世話!!プライベートに立ち入って来ないで!!」
=============
@街を、自転車を押しながら帰るマサキ
≪また壁作られたな…。まあ、場所貸してくれるだけでいいんだけど。≫
ジン
「おーい!マサキ!!!」
マサキ
「ジン!!バイト終わり?今日も代わってもらって悪かったな…」
ジン
「ん~~~~?全然!暇だし。」
マサキ
「あ、お前、そういえば就活は?」
ジン
「ん~~~~~~?♡」
マサキ
「呑気だな…」
ジン
「そういえば!お前ライン見てないだろ!明日のゼミの飲み会来るよな?」
マサキ
「あ…、やべ、そんな連絡前に来てたな。酒飲めねえし、パスで。」
ジン
「いや、お前が来ねえと俺も行けねえから。あーー、でも、練習?」
マサキ
「いや、明日は無いんだけど…」
==========
ナレーション
【翌日…】
05
@居酒屋
マサキ
≪このタイミングで飲み会かよ~~~~≫
「あ、俺、ウーロン茶で♡」
ガタイの良い男性
「おー、マサキ、久しぶりだな。みずほに内定したってすげえじゃん。」
マサキ
「ソウタロウ…、お前はまだ就活中?」
ソウタロウ
「いや、とっくのとうに内定して。」
白い歯を出して笑うソウタロウ
「来年からは外資コンサル様だぜ✨」
マサキ
「あれ…?お前、商社志望じゃなかった?」
微妙な顔をするソウタロウ
「…ん」
06
ソウタロウ
「全落ち。見事に。」
マサキ
「…すまん。」
ソウタロウ
「かっけーからっていう理由だけだったから、外コンでも大満足!モテるだろ?アクセンチュア。」
「まあ、そう思って納得するしかねえよな。厳しいわ。就活。」
マサキ
「いや…、俺も安定してるってだけでみずほだから。」
ソウタロウ
「みずほもモテるだろ!!よりどりみどりだろ~~?おい、マイコちゃん、こっち見てるぞ。」
渋い顔のマサキ
「おい…」
ソウタロウ
「マイコちゃーん!」
07
可愛い・ショートカット・小柄なマイコ
「マサキじゃん。久しぶり。内定おめでとう。」
ソウタロウ
「仲良かったよね?二人。では、おじゃま虫は消えまーす。」
マサキ
「オイ!!!」
「…、ごめん、なんか呼びつけて。」
マイコ
「ううん?マサキと喋りたかったし。」
マサキ
≪マイコはーーー≫
【大学2年の時、ちょっといい感じだった。】

回想
@夜、マイコとマサキ、繁華街を歩く
マイコ
「マサキってさ、金髪だけど真面目だよね。」
マサキ
「…そう?」
≪この子結構お酒飲んでたよな…、顔が火照って、可愛い。≫
マイコ
「大学生ってみんなチャラいよね。」
マサキ
「えー?」
マイコ
「勉強しないし、お酒飲んでばっか。なのにーー」
08
マイコ
「なんでみんなお金あるんだろ。」
マサキ
「…」
マイコ
「なーんて。僻み僻み。」
マサキ
【色々と抱えているんだろうと思うと、守りたいと思った。】
【でも…】
@大学の構内
ジン
「マサキ~!今日の飲みは?」
マサキ
「悪りい、バイト!」
マイコ
「…」
@別の日の夜、大学の構内
マイコ
「二人とも奨学金満額借りてるなんて…」
マサキ
「え?」
09
悲しそうに微笑むマイコ
「既に借金まみれ?笑これって、ウケるかな?」
マサキ
「ウケないよ…。ごめん。」
【まともな職に就いて、借金を返すまでは、「守る」なんてどうして言えるだろう。】
@現在の居酒屋
マイコ
「あの頃は…、ごめん。」
マサキ
「いや、俺が悪いよ。」
マイコ
「悪くない。」
「ーーー私、NTT東日本に内定したんだ。」
「社宅が付いてて、月1万円で借りられる。福利厚生もいっぱいついてて、」
「安定した中で、小さな夢が見られる。」
「…ねえ」
10
@夜の街
居酒屋の帰り自転車を押しながら帰るマサキ
「…」
ジン
「おい~~~マサキぃ」
マサキ
「ジン、おつかれ。」
ジン
「ちょっと公園で飲みなおさね?」
マサキ
「俺ウーロン茶だけど。」
ジン
「もちもちよいよい」
@公園
缶チューハイ片手に滑り台の上に登るジン
「うおおおおおおおおお!!!!!」
マサキ
「おええ?どうしたの!?」
ジン
「俺さ~就職浪人することにした!」
マサキ
「マジ!?!?え、何か目指してたっけ?」
息を吸うジン
11
ジン
「出版社あーーーーーーー!!!!!」
マサキ
「…!お前、本好きだったもんな。」
ジン
「でもさ、1000件以上応募が来るのに、去年は3人しか受からなかった会社もある。」
「今年はさ~行きたいと思ってもなかった小さな小さな出版社まで受けて、」
マサキ
「うん」
ジン
「最終面接まで行った会社は0」
「夢見んのって、きちいわ。笑」
「…でもさ」
12
ジン
「お前見て、諦めたくねえって。」
マサキ
「俺!?」
ジン
「好きなもの好きって言ったあと、お前、本当にいい顔してる。」
「来年、本当に諦めることになっても、それはそれでいいんだよ。」
滑り台を滑り降りて、マサキの前に立つジン
「”俺は本が好きだ” そう、自分で認められただけで。」
マサキの胸をドン!と拳で突くジン
マサキ
「痛ってえええ!!」
ジン
「ありがとなーーーーーーー!!!!頑張れよーーーーー!!!!!」
近所の家の窓が開いて
「うるせー!近所迷惑だ!ヨソでやれ!」
逃げるジンとマサキ
「…っ」
13
ジン・マサキ
「アハハハハハハハハ」

マサキ
【「やり直さない?」と言ったマイコに、俺は、何も言えなかった。】
【どう考えても、茨の道。頭がおかしいと思われても仕方がない。】
【でも】
14
【でもーーーーー!!!!!】
@新国立劇場会議室
60代の男性A・マサキの書類を見ながら
「アメリカンバレエシアター!?おいおいまじかよ~」
女性B
「こんな子、よく隠れててたわね?」
「高槻さん、この前までアメリカンバレエシアターにいらっしゃったでしょう?
こんな子、いたの?」

強面の男性・高槻
≪ケヴィン・マッケンジーは、アメリカンバレエシアターの芸術監督…。≫
≪養成所で教えることは…≫
15
高槻
【基本的に無い。】
「ハハハハハハハハハハ」
「あーーーーー」
「うそうそ。」

「?」
高槻
≪面白いやつが紛れ込んできたなあ≫
つづく。④はこちら↓


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