バレエ漫画原作1

あらすじ
大学生のマサキは、バレエダンサーになりたかったが、お金のために夢を諦めたが、ある少女との出会いでもう一度ダンサーを目指すことになる。
日本バレエ界のシビアな現実を描いた漫画原作。

登場人物
マサキ:主人公、21歳、大学4年生、金髪、182cm

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ジン:マサキの親友、21歳、大学4年生、173cm

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ナナ:女子高生、17歳、168cm

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「セリフ」【モノローグ】≪あぶく≫

00
【これは、夢を追う物語。】

01
@三菱UFJ銀行最終面接
専務:
「学生時代に力を入れたことは何ですか?」
社長:
「いや…、これまでの人生で一番のめり込んだことを、聞かせてほしいな。」
マサキ:にやっと笑いながら
「ーーー」
「僕はスターバックスでアルバイトをしておりまして。」
=====
美容室で髪を金髪に染める
マサキ:
「就活終わったーーーーー!」
≪三菱UFJは流石に駄目だったけど。≫
@自宅
家の扉を開ける
片手に本を持ってリラックスしていたジンが、マサキに気づいて、
「お、帰ってきたぞ!」

02
パンパンパンパンパン!
クラッカーを持ったジン:
「就活おつかれ~~!!!」
マサキ:
「うおおお~~ありがとう!」
母:
「ちゃんとした所に決まって嬉しいわぁ」
ジン:
「いやあ、マサキは流石だよ。でっけー銀行に就職なんて、親孝行!」
マサキ:
「まあ、俺は優秀だから。」
ジン:
「金髪でちゃらちゃらしてるように見えて、大学の授業は超真面目に受けてたもんな。」
母:
「肉よ~~~~!」
マサキ・ジン
「うおおおおお!」

「乾~~杯!」
時間が経って…
マサキ
「お、もう酒ねーじゃん。俺コンビニ行って買ってくるわ」
窓からマサキを見ながらお酒を飲む母
「あっという間に就職か…」

03
@夜の川の堤防
マサキ
≪嬉しいなあ、まあまあ就活大変だったもんなあ≫
回想:
【これまでの人生で一番のめり込んだことを…】
頭をぶんぶん振るマサキ
【これで、まともな大人になれる。】
歩き出すマサキ
【嬉しい。俺のために苦労した母ちゃんを、少しでも楽にさせてあげられる。
ああ、嬉しい、嬉しい。】
嬉しさに頭がクラクラするマサキ
右足を前に

04
マサキ
【アラベスク】

見開き・アラベスクの絵

05
マサキ:
≪あ、つい…≫
≪昔の…、悪い癖だ。≫
我に返って歩き出すマサキ。

橋の方から、正面に向かって痩せた美少女が走ってくる。
少女がマサキに体当たりする。
後ろに倒れるマサキ:
≪ええ??≫
「だ、大丈夫?」

マサキの胸倉を掴むナナ:
「踊れよ!!!!」
「そんなに、ブクブク太って…」
マサキ
≪ブ、ブクブク…?≫

ナナ
「手も…、足も、持ってるくせに!」
「踊れよ!!!お前は…、
お前は踊れるんだから、踊れよ!!クソ!!!」

息を呑むマサキ
「…」
マサキ:
≪やめろ…、やめろ…、開くな…、≫
「やめろ!!!」
ビクっとするナナ
涙をこぼしながら肩で息をするマサキ

06
立ち上がり、振り返って走って逃げるマサキ
≪なんだよアイツ…、頭おかしいんじゃねぇの?≫

=======
@スターバックス
「お久しぶりで~~す!」
店長、バイト、ジン
「おお!!マサキ!!」
店長
「就職決まったんだってな、おめでとう!
ちなみに、すぐにバイト復帰できたり…?」
マサキ
「いいっすよ笑今日からでも。4月までは相変わらずビンボー学生なんで、バンバンシフト入れてください!笑」
店長
「マサキ~~~♡」
ジン
「ひっさしぶりい♡」
マサキ
≪昨日ぶりだろ笑≫
@バックスペース
普段着から仕事着に着替えるマサキ
【バイトは好きだ】

07
久しぶりの緑のエプロン姿を喜ぶ店長とバイトの中で、仕事をするマサキ
【てか、大学時代バイトしかしてない】
【俺の時間が、お金に換算されていく感覚。】
≪気持ちいい…、というより、救われる…?≫
てきぱきと仕事をこなすマサキ

回想:
@父の葬式、学ラン姿で遺影を持つマサキ
≪高校の時、父ちゃんが死んでから、≫
@自宅、請求書を見ながら頭を抱える母、扉の後ろから覗くマサキ
≪食べて寝るだけで、罪悪感を感じるようになった。≫
@居酒屋のキャッチをするマサキ
雇い主
「普通にやって客呼べないなら、目立つように金髪にしな!」
【大学受験が終わってすぐバイトを始めて】
@大学で真面目に授業を受けるマサキ
少し離れた席で、授業中に本を読むジン。
【奨学金を借りて、大学に行って――】
窓からサークル活動を楽しむ学生が見える
08
学生を睨むマサキ
【好きなことを好きなようにできるヤツを、殺してやりてえ】
≪俺は…、好きって言うことさえできないんだ。≫

@現在のスターバックス
注文を取るマサキ:
≪まあ、折り合いをつけて、何気に楽しんで日々やってるんですがね。≫

夕方、店の前に人影が見える
マサキ:
「いらっしゃいまー…せ!?」
マサキに気づいて、すぐに顔をそらすナナ
「…」
マサキ
≪コイツ、昨日の体当たりイカレ女ーーーーー!!!≫
「ご、ご注文は…、」
息を呑むナナ
「ーーーーーー…」
09
ナナ
「キャラメルマキアート、甘さ追加、ホイップ多めをベンティーサイズで、それと、ダークモカチップフラペチーノのベンティサイズ。あと、シナモンロールとスコーンとクッキーとチーズケーキ、あるだけ。」

とにかく沢山…

マサキ
≪!?!?≫
ちらっとナナの足元を見ると、つま先が外を向いている。
マサキ
「か、かしこまりましたぁ。お会計、6380円になりまーす。」
受け取って、端っこの席に座るナナ
ジン
「誰?あの美少女。知り合い?」
マサキ
「いや…」
もくもくと食べるナナ。
飲み物は一気飲みをする。
マサキ
≪大丈夫かよ…≫
=====
しばらく時間が経って、フラフラと店を出ていくナナ。
マサキ:
「…っ!ジン!カウンター頼む。」
10
走って追いかけるマサキ。ナナの腕を掴む。
「おい!大丈夫か?」
「いつもそんな食ってないだろ?」
顔面蒼白のナナ
「うん。」
「ずっとずっと食べたいと思ってたから。」
「でも、食べてもぜーんぜん幸せにならないね。」
マサキを睨むナナ
「踊ってる方が、何千倍も幸せ。」

クラっと意識を失い、倒れこむナナ
走って追いついてくるジン
「大丈夫~~~~~~~~?」
マサキ
「ジン!」
ナナ
「うっ」

マサキの腕の中に吐いてしまうナナ
「おええええええ」
11
@スターバックス
バックスペースで寝ているナナ
着替えて、様子を見に来るマサキ。ナナを見ながら。
≪これまで、甘いものとかほとんど食べたことなかったんだろうな。≫
≪突然の脂質と糖質を、胃が受け付けなかったんだろう。≫
息を呑むマサキ
≪きっと…、バレエをやる子だ。≫

妄想:
美しく踊るバレリーナたちの絵
【厳しいバレエの世界】
【妖精のように軽やかに踊るためには、ストイックな食事制限が必要不可欠。】
【吐いても唾しか出ないほど、胃の中は空っぽ。】
【でも】
にっこりとほほ笑むバレリーナの絵
【踊っている間は、ケーキより何百倍、何千倍も甘美な時間…。】
ジン
「マサキ!」
ハッとするマサキ
12
ジン
「水、買ってきた。その子、大丈夫そう?」
マサキ
「いや、どうだろ…」
ジン
「バレエやる子なんでしょ。」
マサキ
「えっ…、なんで分かるの?」
ジン
「お店に入ってきたとき、トレーを運ぶ指先、座り方の姿勢…。」
「綺麗だったからさ。」
お店に入るナナ、トレーを運ぶナナ、座って食べるナナの絵
マサキを優しい目で見るジン
「昔のお前を見てるみたいだった。」
マサキ
「…っ」
13
ジン
「中学の時とか、教室の後ろで見せてくれたじゃん。アラベスク。」
回想:
中学生1年生のマサキ
「おい、これ、アラベスクっていうんだぞ。」
右足を前に出すマサキ
アラベスクを教室の後ろで披露するマサキ
ジン他友人
「おおおおおおおお~~~✨」
ジン
「綺麗。」
14
@現在のスターバックスのバックスペース
ジン
「俺、お前のバレエ好きだったなあ。」
マサキ
「やめろよ…、やめてくれよ…。」
「俺だって、好きで、好きで、」
満面の笑みで踊る学ランのマサキ
≪好きで、好きで、好きで…!!!≫

ジン
「ごめん。諦めるしかないときもあるよな。」
笑顔のマサキ
「…そう、なんたって金が一番大事だから。」
ジン
「流石銀行員さま!!!」
目を覚ますナナ
「…ここは?」
ジン
「あ!ここ、スタバの奥!大丈夫?帰れそう?」
ナナ
「あ…、ハイ。…、すみませんでした。」
マサキ
「俺、送ってくよ。」
15
@堤防。並んで歩くマサキとナナ
マサキ
「この前ここで会ったもんな。家、近いんだろ。」
ナナ
「…。この前はごめんなさい。」
マサキ
「ああ、」
≪謝らせたいやつみたいになっちまったな…≫
笑顔のマサキ
「気にすんな!何か訳があったんだろ。」
ナナ
「…スタバの奥で、二人の話聞いた。」
マサキ
「…」

涙をこぼすナナ
「好きなものを、諦めるのは、辛い。」
「でも!」
16
ナナ
「お金なんて!!!なんとかなるでしょ?」

マサキ
「…なんとかならないよ。」
回想:
母:
「ちゃんとした所に決まって嬉しいわ」
マサキ
「ならない。」

ナナ
「じゃあ…、踊りながらお金を稼げばいいじゃない!」
マサキ
「そうじゃなくて…、安定した収入が無いと、俺は駄目なんだよ。」
ナナ
「…」
17
スマホの画面を見せるナナ
「新国立バレエ団。ここに合格できれば、年収400万円は保証される。」
説明っぽい感じの絵
「バレエ団の仕事だけじゃなく、ゲストダンサーとしての仕事をすれば…、」

ナナ
「年収800万。」
驚くマサキ
「…!」
ナナ
「銀行員より、お給料良いんじゃないの?」

息を呑むマサキ
【俺も…、踊って良いのか…?】
【あの、甘美な世界へまた…】
18
妄想:
舞台で満面の笑みで踊るマサキ
【心から好きなものを、好きと、言っていいのか……?】
はっとするマサキ
「で、でも、練習とかどうやって…」
ナナ
「大丈夫」
19
ナナ
「私に任せて。」
ナレーション
【これは、夢を追う物語。】
【バレエダンサーという、厳しく、美しい夢を。】
つづく。2はこちら↓



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