脳から治す理学療法士

脳から治すをコンセプトに治療内容や理論を説明します。 認知神経リハビリテーションadv…

脳から治す理学療法士

脳から治すをコンセプトに治療内容や理論を説明します。 認知神経リハビリテーションadvance/生態心理学的アプローチbasic/身体障害者スポーツ指導士初級/フレイル対策推進マネジャー/介護予防推進リーダー/地域包括ケア推進リーダー

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最近の記事

足部機能

お久しぶりです。 理学療法士 ゆうきです。  足部機能についてまとめてみました。 はじめに今回は脳ではなくなぜ足部に着目したかというと、ヒトは直立二足動物であり、唯一地面と接する部分が足部です。また、足部を通して床半力を得ることで姿勢制御と行為を行うわけなので、土台となる足部が上手く働かないと足部から上行性の影響で代償が必ず働きます。 また足部機能について調べてみるも深く広く記載されているのは多くないように思えます。 中でも脳卒中患者様は特にこの足部からの影響が強く典型

    • 高次脳機能シリーズ 〜街並失認〜

      理学療法士 ゆうきです。 高次脳機能障害の分野から街並失認について説明しようと思います。 街並失認街並失認とは風景、建物、家具の置かれた部屋などの特定空間に関する情報が認識できなくなることです。 場所は 海馬紡回場所領域 Parahippocampal(PPA)と呼ばれる部分で、側頭葉内側底面に位置します。 背側視覚路と腹側視覚路上記に述べたように、街並失認は特定空間における情報処理の問題ですが、優位半球か劣位半球どちらかの損傷によってアプローチを変化させる必要がある

      • 一時救命処置(BLS)の本当の意味

        理学療法士 ゆうきです。 今回このテーマにした理由は、医療従事者はもちろん、一般市民の方も必ず教習所で習い、いつどこで使用する機会がわからない為に皆さんができる必要があるからです。 これは避難訓練にも当てはまりますが、日々の練習は勿論大事です。しかし、いざその現場に出くわすと動けない人が多いと思われます。また、医療従事者でさえもBLSの内容の意味を理解出来ていない方が多いようにも思えます。 BLSとは BLSは『Basic Life Support』の略で、心肺停止また

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        • 上肢弛緩性麻痺に対する考え方
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        記事

          Pusher syndromeについて

          理学療法士 ゆうきです。 さあ、今回は少し難易度を上げてPusher syndrome(以下PS)について解説していきたいと思います。 PSは急性期〜回復期まで幅広く見られる症状で、定義としては【麻痺側へ身体が倒れるように自らの非麻痺側上下肢を使って床や座面を押してしまう現象】です。 そのため、端座位保持が困難となる事から移乗や食事、その他ADLに支障を来たします。 我々はこの問題に対してリハビリテーションを行っていく訳ですが、皆さんはどう治療を進めていますか? pus

          Pusher syndromeについて

          Parkinson病に対する治療と理論(応用編)

          理学療法士 ゆうきです。 以前にもParkinson病(以下PD)に対しての内容を記載しましたが、今回はその応用編と言うことで治療をメインに考えていきたいと思います。 前回のPDに関する記事はこちらから↓↓ https://note.com/yuuuuki23/n/na979f810db09 治療 ↓↓↓ PDは進行性緩徐性神経変性疾患であり、理学療法ガイドライン2011においても歩行練習やバランス練習はgrade Aと表記されています。 しかし、歩行練習やバラン

          Parkinson病に対する治療と理論(応用編)

          歩行における神経システム

          理学療法士 ゆうきです。 前回の長下肢装具の内容にも記載した通り、歩行に必要な神経システムについて説明したいと思います。 はじめに 入院患者にとって最終目標とされる事が多い歩行 は理学療法士としての一つの武器でもあると思います。 また、普段の臨床の現場で歩行練習を行う機会は多く、理学療法士=歩行といった考えもあながち間違っていないのではないでしょうか。 しかしながら、歩行練習は行っているけど、歩行の神経機構やメカニズムについてはそこまで詳しく説明ができない、又は苦手意

          歩行における神経システム

          長下肢装具の適応と治療方法

          理学療法士 ゆうきです。 今回は長下肢装具の適応と治療方法についてお話ししたいと思います。 はじめに 臨床で長下肢装具を使用されている場面は多く、早期からの立位や歩行といった重力位での運動が可能であり、脳卒中治療ガイドライン2009,2015でも早期からの装具療法はgrade Aと表記されています。  しかし、長下肢装具の適応と使用方法を理解していない場合、↓ とりあえず下肢の支持性が乏しいから装具を装着して歩行練習... なんて事も十分に有り得ます。 そうならな

          長下肢装具の適応と治療方法

          パーキンソン病に対する考え方

          理学療法士 ゆうきです。 今回はパーキンソン病に対しての考えをまとめてみました。↓↓ はじめにパーキンソン病と言うと、進行性疾患であり、現在の身体機能を何とか機能維持をしながら…。と考えますが、その手段としてROMexやストレッチがほとんどのように思います。  しかし、それでは現状維持より身体機能が低下する傾向にある可能性が高いと思われます。 パーキンソン病の重症度にも寄りますが、僕が重要視しているのは ①網様体脊髄路系の活性化 ②重心移動の円滑化 ③動作所用時間の

          パーキンソン病に対する考え方

          弛緩性片麻痺患者の上肢機能

          上肢弛緩性麻痺 回復期病棟では弛緩性片麻痺患者に遭遇することが多く、下肢の弛緩性麻痺に対してはエビデンスの高い装具療法が早期から用いられることが多い印象です。 それにより早期から立位や歩行といった重力位でのリハビリが可能となり、最終的には歩行が可能となる場合も認めます。 しかし、上肢弛緩性に対しての文献は少なく、早期からの運動療法も確立されていないように思います。 下肢の機能は向上しているけど上肢が弛緩である為、 ADLにおいても反映しづらい。入院から退院まで筋緊張に

          弛緩性片麻痺患者の上肢機能