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わたしたちの「YOU ARE THE ONE」

昔のわたしはめちゃくちゃ緊張しいで、みんなの前でうたうなんて恥ずかしいと思っていた。
しかし高校生になってから、カラオケ大好きになっていた。

それは彼女らの影響が大きいかもしれない。

高校生の頃アルバイト先で出会った友人2人としょっちゅう遊んでいた。
高校はそれぞれ別だったので
3人のシフトが入っていない日に約束をし、毎週のように。

わたしは音楽を聴くことは小学生の頃から好きだったのだが、カラオケとなると注目されるので恥ずかしい。

その友人の1人がカラオケ大好きな子だったので
最初は乗り気ではなかったものの
3人で一緒に行くようになった。
慣れてきた頃、彼女らの前ではリラックスしてうたうことが出来た。


彼女らとは、それはそれは青春と言える思い出が多い。

バイト後の夜の公園で、ブランコを漕ぎながら当時流行っていた曲をうたったり
副店長の家に遊びに行ったり
好きな人へのバレンタインのチョコを買いに行ったり
わたしの彼氏のバンドのライブを見るのに付き合ってくれたり(すぐ別れたけど)

実家に泊まりに行かせてもらったこともあるし
電話もしょっちゅうしていて、長すぎて親に怒られていた。

学校の友人よりも濃度の高い日々。
バイト先公認の仲良し3人組。

彼女らと青春を謳歌していたJKのわたし。


ある日いつも通り遊んでいたときに
小室さんの「YOU ARE THE ONE」の話になった。

90年代の小室さん人気は凄まじく
ミスチル桜井さん
スピッツ草野さん
サザン桑田さん
小室哲哉
のような立ち位置(体感)

「YOU ARE THE ONE」はたしか当時より少し前に流行っていた曲で
チャリティーのために小室さんが作り、豪華アーティストが勢ぞろいしている。


その曲を3人でうたおう、と1人が言った。

めっちゃ難しいよこの曲
朋ちゃんのとこ高いよーー
ラップあるよ!どうすんのー?


いつの間にか歌割りを決めることになっていた。

まず、大サビのところ。
安室奈美恵
華原朋美
KEIKO(globe)

メンバーから推察できるように、大サビはめちゃめちゃ高音である。

わたし、無理!高いの出ない!と主張。

相談に相談を重ね、一番高音が出ないわたしは安室ちゃん。
友人2人は高音が出るので、それぞれ朋ちゃんとKEIKOとなった。

他はわりと順調に決まるも、最難関はラップのところ。
マーク・パンサーとDJ KOOである。

わたし、無理!ラップ超苦手!と主張。

ラップが恥ずかしすぎた当時のわたし。
ラップは友人に押し付けた。
(ラップのあとすぐ安室ちゃんなので順番的な理由もある。ほんと、ありがとう。)

歌割りが決まったので
それぞれ自主練することになった。

「○日に遊ぶときまでに練習しといてね!」

わたしたちは練習した。
実家なので大きな声では歌えない。
小声でうたい、布団をかぶってうたい、
歌詞も覚えられるように
MDから流れる「YOU ARE THE ONE」を何度も何度も聴いた。

○日になり、友人の家に集合した。

「録音しよう」

。。。まじで?
聞いてないよ。


ノリノリの友人は録音をしたかったようだ。
だからあんなに練習を要求していたのか。
練習しておいて良かった。
いや、そうじゃなくて。

「ほんとに録音すんの?」
「する!」

わたしは歌詞を紙に書き出した。
録音するMDコンボの準備は出来ていたが
歌詞カードの準備は出来ていなかった。
歌詞は覚えたけれど念のため。

歌詞を書いてから、それぞれの担当パートの場所に名前を書く。

安室(Yuuu)
朋ちゃん(I)
KEIKO(M)

その歌詞カードを見ながら録音することになった。

シーっと、静かにして
MDコンボの録音ボタンを押す。

妙な緊張感があった。

歌詞を書いた紙を手にうたいはじめると、全員若干声が震えていた。

録音終了。

きゃーーーー!!
と大盛り上がり。

めっちゃ緊張したーー!
高いとこ緊張したーー!
ラップのとこ笑っちゃったんだけどーー!

ホクホクした思いで録音したものを聴いてみたわたしたち。
納得いかなかったのか、その後4テイクくらい続けたと記憶している。

一通り終えてわたしたちは満足した。
最初乗り気ではなかったわたしも、満足感でいっぱいだった。

わたしたちの「YOU ARE THE ONE」は終わった。。


と、思いきやまだ続く。

一ヶ月後にバイト先のメンバーほぼ全員でカラオケに行く機会があった。
なんとそこで「YOU ARE THE ONEうたおう!」と友人。

焦るわたし。
あれは、3人だけのやつでは?!
披露できるようなものではないのでは?!

ゴネるわたしの横で周りは「お!3人組!」「歌って歌ってー!!」
結局うたうことになってしまった。

うたった結果、練習の甲斐あってか
それはもう盛り上がった。
うまいとかではなく、とにかく盛り上がった。
なんだかんだわたしも楽しんでいた。

そしてこの曲のラストはこうなる。

「明日からもっと自由に
 愛や夢 描いてくれるね」

 安室(Yuuu)

一番乗り気じゃなかったくせに、
自由に愛や夢を描いたわたし。
大トリ。ちゃっかりいいとこ取り。



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