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あいだのYuuuさん

思えば子供の頃からそうだった。
板挟み、というほどでもないけれど。
誰かと誰かの”間”に入るようなわたし。

わたし自身は、とても平和主義だ。
自ら揉め事を起こすことはないし、揉め事を増長するようなこともしない。
少年ジャンプのような、熱い友情のケンカ!に憧れなくもないが
当人同士の冷静な話し合いで決着がつくのならば、その方が良いと思っている。

言い換えれば、ケンカをするのが怖い、とも言う。


中学生くらいまでは自己主張の苦手な子だった。
主張の強い子がいればそちらに譲る。

誰かと揉めないためには多少の我慢は仕方がないと思っていたし、
元々そんなに怒るタイプではなかった。
喜怒哀楽の「怒」が一番薄く、なぜみんなそんなに怒るのかが疑問だった。
それはそんなに怒ることなのかな。
少しくらい我慢したっていいのに。
もちろん、決定的なことがあれば怒るのだけれど。


学生時代なんかは3人組で仲良くなると2人が揉めだしたりして。
わたしはだいたい板挟み。
どちらかに付くことはしないようにしていた。中立の立場。
どちらからも話を聞き、それぞれのフォローをして、また元の仲良し3人に戻るように尽力する。
ケロッと仲良くなる2人を見て、良かったと安堵すると共に
主張して揉めた上で仲良くなれるのっていいな、とも思っていた。
自己主張の強い子に憧れがあった。

「自己主張」「怒ること」は
わたしには難しいことだった。


でも、自己主張をしないというのは
たまに苦しいことがある。
自分のことを伝えられないのは、苦しい。

それからは揉めずに自己主張をする術を身につけた。
言い方を柔らかくして相手を傷つけないように、あまり角が立たないように気をつけて
話の中にさりげなく、自分の気持ちを上乗せするように。


相談を受けることもわりと多い。
友達関係も、恋愛関係も、多方向から話を聞いたりする。
基本的には聞くだけに留めて、わたしの意見を言うのみにする。
外野が行動して稀に上手くいくこともあるけれど
こじれることの方が多い気がしている。
わたしは、基本的には自分自身が見たこと感じたことしか信じないし
当事者ではないわたしに出来ることは限られていると思っている。
でも次第に怒る理由も理解できるようになっていた。考え方は人それぞれ違う。
その人がわたしを頼ってくれているのであれば、話だけは聞いてあげたいし
どうしたら良いのか一緒に考えたい。


相談を受けるのは良いのだが
わたしは、相談をすることも苦手だ。
冗談めいた些細な相談ならおしゃべりと共にしょっちゅうしているのだが
誰かを巻き込むことになるようなことや、
その人の心に深く残ってしまいそうなことは相談しない。

これは今でもそうで
悪く言えば、相手を信用していないのかもしれない。

過去の、時間が解決してくれた出来事の中で
当時は困っていたけれど、全く誰にも話していない事がいくつかある。

「相談できる」というのは、相手を信用できているということなので
それもまた憧れがある。


わたしが苦手な
「自己主張をする」「怒る」「相談する」をできる相手はごく僅かだ。
過去の恋人の中でも、わたしはそれができない相手がいた。
できない人とはお別れが早かった。
その分、できた人とは長続きした。

友人はできるできないに関わらず続いている人がいるが、どちらも必要で
相談できる存在がいる、というだけで心強く安心する。相談しない相手だとしても笑い転げているととても癒やされる。


先日買い物中に偶然、去年のPTA役員さんでわたしに引き継ぎをしてくれた人に会った。
詳細は割愛するがちょっとした相談を受けた。
それが、現PTAのある人とある人の関係が心配だから見ていてほしい、という内容で
どちらもわたしはよく話す人だったので、意外だったのだけれど。

板挟み、ではないし、直接的ではないものの
誰かと誰かの間にいる、わたし。

一年くらい前から、すでに他の人の間にもいたりする。

当人同士の間に置かれやすいのは、
嫌というわけではないけれど。
誰かと誰かの間を、時に慎重に行動して言葉を選ぶ。

それを、子供の頃から変わらんなーと、俯瞰で見ているわたしがいる。

もはや、あいだのじいさん、なのよね。
(Eテレ、にほんごであそぼより)


間に入りやすいのはもうそういう運命なのだとさえ思っている。
間ではない場所で、そのことを忘れきって、全く関係のないことで発散するのも上手になった。

自分に関係のないことではストレスを溜めたくないので
「それ相手に言ってみたら?」とか
「気にしなくて大丈夫やと思うー!わたしも気にせずやっちゃってるし!」とか
でこぼこを少し滑らかにするような話の聞き方をしている。

でもね。


ええい!みんな、自分で何とかしろー!笑
って思うパターンも時々ある。


でもね。

わたしも話を聞くのが好きなのかもしれない。
結局、あいだのYuuuさん、なのだ。



崇拝するヨシタケシンスケさん作。
じいさん、挟まってますねー。
(画像お借りしました!)



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