9年ぶりに食べたら味覚革命が起こってしまった。
大人になると趣味嗜好のようなものはだいぶ固まってくるように感じる。
好きなものは好き、嫌いなものは引き続き嫌い。
今までの自分自身のことをよく知っているので
こういうのは好きになりそう、こういうのはきっと好きになれない、など
ある程度先のことまでも分かってしまったりする。
映画の新作や初めて食べる料理など、初めてのものも想像が出来てしまうのだ。
なるべく固まりたくないとは思っているが
わたし自身の好みのようなものはとても直感的で
まさに、ビビビっと来たものが好きになる。
(no+eでわたしが読者とならせていただいているみなさんも、大半がビビビです。文章にビビビ。へへへ。)
その直感はけっこう頼りになるもので、あまり外さない。
けれど、気まぐれなところもあるのがこのわたし。
射手座、O型、ENFP、数秘術5、という
あらゆる角度から"自由"というキーワードが出てくる性格のようで
幼い頃は自覚がなかったが、年々”自由”思考が上昇しているような気がしないでもない。
一人だとしっかりした人間らしい生活が送れないような気がするので
家族がいる、というのはわたしにとっては逆にちょうど良いのではと思っている。
(もしも今一人でいたら、ダメな恋愛を繰り返したり、仕事を転々としたり、家を転々としたり、何だか落ち着かない生活を送っていそうな気がする。。。)
そう思うと、
家族にはとても感謝しなくてはならない。
ありがとねっ!(軽いな。)
わたしには長年、克服できない食べ物がある。
それはとても栄養価が高く、安価で手に入るもので、健康を意識している人ならもれなく食べているであろうもの。
「納豆」だ。
納豆はそんなに“できる子”なのにも関わらず。
子供の頃は臭いがどうも受け付けずに近寄ることすら憚られ、
一人暮らしの友人の家へ遊びに行くと
「Yuuuが来るから、納豆を冷蔵庫の奥の方に隠しておいた」と気を使わせ、
結婚してからも夫が納豆を離れて食べるほどであった。
あの臭い、鼻がひっくり返っても無理!という完全拒絶。
しかも、わたしの納豆嫌いは食わず嫌いではないので、正真正銘の本物なのだ。
「食わず嫌い王決定戦」で納豆が出たら瞬殺で負けるであろうレベル。
どんなに偉い人の前でも納豆だけは無理しても食べられません、と言ってしまうであろうレベル。
(そんな場面は訪れなかったが。)
それでも妊娠中に栄養を取ろうと何度かチャレンジもしている。
1パックの1/2をお皿に入れ(もちろん息は止めている)
そこにキムチと韓国海苔を入れて混ぜる。
”納豆感”をだいぶ消せる方法だと思ったのだが、それでもイヤイヤ食べていてかなり苦痛だったので、妊娠後期には諦めてしまった。
それ以来、おそらく食べていない。
反対に夫と子供たちは納豆が大好きである。
健康のために食べてくれたらラッキーやなと
今よりももっと小さい頃「体にいいから食べてみてー」と促してみると
「おいしい!」とヒットしたので、しめしめと定期的に食卓に出しているのだ。
次男なんてお寿司屋さんでも納豆巻きを頼むほど大好きだ。
わたしが納豆嫌いということは子供たちには公言していない。
「はい、食べてー」としれっとごはんに乗せてから、何も言わずに見守っている。
もちろんわたしのお茶碗はまっ白のまま。
パックを洗うときは親指と人差指でつまみ
いかにも嫌そうなそぶりなのだが、出してからすぐ洗うので、子供たちには気づかれていないようだ。
ちなみに、好き、とも、嫌い、とも公言していないので嘘はついていない。
この方法で9年間バレていないのだから、わたしって実はなかなかの演技力の持ち主なのかもしれない。
(夫には黙っていて欲しいよう言ってある。子供たちに嫌いってバレると色々とやりづらいので。大人ってずるいよねー。)
そんなわたしが。なんと。
先週くらいから納豆を食べ始めているのだ。
いったいどういう風の吹き回しだろうか。
次男が“金のつぶ たまご醤油たれ納豆”を食べたがっていて
買ったは良いものの、家にあるいつもの“おかめ納豆 まろやか旨味昆布だし”も賞味期限ギリギリで
さらに、いつもなら夫に「賞味期限今日だからお願い!」と2パックも3パックも押し付けていたのに
肝心の夫が風邪気味のためかわいそうかなと思い、
自分でもがんばって食べてみようと思ったのだ。
混ぜるだけなら慣れているが
口にするのは実に9年ぶり。
さぞ重たい箸になるかと思いきや、夕食を急いでいたのもあり、気負うこともなく勢いでササッと口に入れてしまった。
あれれ、意外といけるやん。。。
ごはんの上に乗せて一緒に食べると
ふむ、実はちょっとおいしいかも。。
さらには余ったカレーと一緒に食べてみても
臭い全然気にならないし、なんか、おいしい。。
先週、納豆の再々々々々デビューをしてから
すでに4回は食べている。
筋金入りと思っていた納豆嫌い。
想像を越えた自分にびっくりする。味覚すらも自由で気まぐれなんやな。
どうやらわたしの体の中で革命が起きているようだ。9年間の完全犯罪は幕を閉じた。
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