OKU【知的・自閉症】

長いフリーター生活後、ヘルパーや障害者GHなど約10年。週休3日正社員。経験則から「自…

OKU【知的・自閉症】

長いフリーター生活後、ヘルパーや障害者GHなど約10年。週休3日正社員。経験則から「自分が幸せじゃないと利用者を幸せにできない」という考えに至り、家族や職員へのケアの大切さを伝えています。 公式ライン→https://bit.ly/2OBuKa9

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自閉症のお子さんとの距離感と愛情の伝わり方

★はじめにこんにちは。OKUです。 今回は、「自閉症児者とその家族の距離感」のお話をします。 自閉症の利用者さんやそのご家族(特にお母さん)と接していてよく思うことなんですが、幼少期からの両者の「距離感」とか「愛情の伝わり方」が、利用者さんが大人になってからの性格とか気質に大きな影響を与えていると感じます。 これは利用者さんの障害の重さはあまり関係なく、家族の距離の取り方によって共通するところがあります。きっと障害のあるなし以前に、親子という最も身近で本質的な人間関係の

    • 障害者が高齢者になったら、福祉サービスや年金はどうなるの?

      こんにちはこんばんわ、OKUです。 今回は、障害者が65歳(高齢者)になったらどうなるの?というお話をします。 ★はじめにまず、「65歳を迎えた障害者って、障害者なの?高齢者なの?」という素朴な疑問が湧くと思います。これに対しては、基本的には、障害者であり高齢者であるという立ち位置でいいと思います。 じゃあ次に、障害者と高齢者の両方のサービスを受けられるの?という疑問を持つと思います。 結論の前に押さえてもらいたいのが、それぞれ受給できるものとしては、大きく分けると2

      • 大人になってから知的障害が発覚したら、どんなサービスを受ける?

        こんにちはこんばんわ、OKUです。 今回は、“大人になってから知的障害が発覚したら、どんなサービスを受けるか?”というお話をします。 ★はじめに実はこの手の質問はとても多くて、「母親は昔から人間関係のトラブルが多いと思ってたらIQが50しかなかった」とか、「25歳で自分が知的障害だとわかった」みたいなケースがよくあります。 その時に、今からでも障害者としてサービスを受けられるの?手帳はもらえるの?という素朴な疑問から、具体的にどんなサービスがあるのか、そこまでの流れはど

        • 自分が知的障害だと診断されたら、どう受け入れていくだろうか

          どうも、OKUです。 最近よく、「自分が知的障害であることが発覚したけど、なかなか受け入れられません。」という悩みをお聞きします。 障害が比較的軽くボーダー付近の方で、特に30代以上の方は、子供の頃に自分が知的障害だと気付かず、また、周りからも気づかれずに苦労して育ってきたケースが多いようです。 そこで今回は、今まで関わってきた知的障害者の利用者さん達の姿を思い出しながら、その方の人生を想像しながら、自分の経験や知識を総動員しながら、できるだけリアルに39歳の僕がいま知

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        自閉症のお子さんとの距離感と愛情の伝わり方

          やることがないと行動障害を起こす!?

          どうも、OKUです。 つい最近、やることがないと行動障害を起こしやすくなるのか?という質問をいただきまして、個人的に大事そうだと思ったので、僕なりの見解をシェアしようと思います。 実際の質問内容は以下の通りです。 まず結論から言うと、ケースバイケースだと思います。 裏を返せば、「やることがあれば行動障害を起こしにくい」ということになりますが、やることがあるかどうか、退屈かどうか、みたいな問題というよりは、注意を向ける対象があるのかどうかが本質だと思うんですね。 そう

          やることがないと行動障害を起こす!?

          軽度知的障害者の犯罪のことがわかる本1選

          ★はじめに軽度知的障害者で思春期過ぎたあたりから問題行動が目立ち始めて、何度も補導や逮捕されて困ってるというご家族の方がいらっしゃると思います。 「なんでこんなこともわからないんだろう」とか「何回注意しても叱っても無駄だな」とか「そんなことも理解できないのか…」などと、振り回され、失望してこられたと思います。 で、以前、軽度知的障害者が窃盗を止められないという相談を受けて記事を書きましたが、相変わらず似た相談が尽きません。 (過去の記事⇩) なので、今回は「犯罪を繰り

          軽度知的障害者の犯罪のことがわかる本1選

          僕が発達障害だったら、社会でどう生きていくだろうか。

          どうも、OKUです。 今回は、「もしも僕が発達障害だったら…どうやって生きていくだろう…?」と、ふと疑問に思ったので、ちょっと考えてみようと思います。 (発達障害と言ってもいろいろあるので、今回は知的障害のないASDとします) ★はじめにどうしてこの話をしようと思ったかというと、知的障害のないASDの方や軽度知的障害者など、いわゆるグレーに近い人こそ社会で居場所が見つからず生きづらそうにしていると感じるからです。 外見で障害がわからない上に、会話がある程度スムーズにやり取

          僕が発達障害だったら、社会でどう生きていくだろうか。

          見守りほど難しい支援はない

          こんにちはこんばんわOKUです。今回は、「見守りほど難しい支援はない」というお話をします。 引きこもりの発達障害者の親御さんや放課後デイなどで知的障害者の支援をされている職員の方から相談を受けていて、見守りを理解されていない方が多いと感じています。 「見守り」は、最も難しい支援だと聞いた時点で、すでに「うん?」とひっかかってしまう方もいるんじゃないでしょうか。 一見、何もしなくていいように映ったり、してあげないといけないことがあるのに何もしないでいるのは手抜きだという風

          見守りほど難しい支援はない

          良い支援者って?

          「支援者にとって最も重要な要素って何だろう?」というのを、よく考えます。 経験が大事とか勉強することも必要とか、いろんなことが言われていますが、実際のところ、あなたは何が一番大事だと思いますか? 僕の現時点での答えは“人間味”です。 確かにどんな仕事でも、多くの経験を積むことと、勉強して理論的な部分を学ぶことはどちらも大事だと思います。理論と実践は両輪だと言います。 ただ、まあ、10年も20年も働いている経験豊富な支援者でも利用者さんに寄り添うことができていない場合も

          良い支援者って?

          自閉症者はなぜ視線を合わせるのが苦手なのか

          こんにちはこんばんわ、OKUです。 今回は“自閉症者の視線”をテーマに簡潔にお話します。 自閉症者の中で、わざと視線を合わせようとせず明後日の方向を見ながら相手の話を聞いたり、相手から目を合わせられるのを極度に嫌う方がいます。 一体なぜ視線を嫌うのでしょうか? 理由は、大きくは2つあると思っています。 ひとつは、“相手の話をしっかり聞くため”です。 目を見て人の話を聞くのが常識だと考えている多くの人には、矛盾しているように思うかもしれません。 自閉症の障害の特性

          自閉症者はなぜ視線を合わせるのが苦手なのか

          なぜ“問題行動”を起こすの?

          こんにちはこんばんわ、OKUです。 今回は、「なぜ、問題行動を起こすのか」についてお話します。 そもそも、知的障害者や自閉症者には問題行動はつきもので、当たり前の事すぎて考えたこともないという方が多いのではないでしょうか? 少しだけ専門的になるんですが、問題行動にはそれなりの理由があるので、そのメカニズムについてできるだけ短く簡単に説明しようと思います。 自傷他害行為など強度行動障害のイメージがすぐに湧くと思うんですが、まず、“問題行動”って何かというと、「強化された

          なぜ“問題行動”を起こすの?

          利用者さんとの適切な距離感が掴めない

          こんにちはこんばんわ、OKUです。 今回は、「利用者との距離感」について、いただいた質問を取り上げてお話します。 就労支援や生活介護等で利用者さんとの距離間に悩む職員の方は多いのではないでしょうか? 親身になって接していたら変に距離が近くなって、利用者さんから友達(中には恋人や親子)みたいに思われてしまった等、僕も同じような経験をしてきたし、GHのパートさんから「ここで注意して利用者さんが傷ついたらどうしよう…」という相談されたことがあります。 こういう時はどうしたら

          利用者さんとの適切な距離感が掴めない

          「重度自閉症者が通院を嫌がる場合の対処法」について

          こんにちはこんばんわ、OKUです。 今回は「重度自閉症者が通院を嫌がる場合の対処法」について、実際にいただいた質問と合わせて、簡単にお話しようと思います。 基本的に病院へ行くことは、自閉症者に限らず嫌なことです。その上で、彼らは嫌と感じてしまった時点で、その感情を理性でコントロールすることができないので、体が言うことを聞かずに暴れてしまうことが多々あります。 ただ、これは0か100かという話ではなくて、部分的には自分で折り合いをつけられたり、自分の意志で拒絶できることも

          「重度自閉症者が通院を嫌がる場合の対処法」について

          自閉症支援に“最も必要なスキル”って何?

          こんにちはこんばんわ、OKUです。 今回は、「自閉症支援に最も必要なスキル」についてお話します。 自閉症の支援って、とても神経を使う仕事ですよね? 彼らが何を考えているかわからないし、急に叫んだり暴れだしたりして、支援する側がビクビクしてしまうことも多いと思います。 実際のところ、知識や経験を何年も積み重ねても、いつまでもあたふたしてしまう支援者がいますが、それは、あるスキルが欠けているからです。 結論から言いますと… それは“安心させる”スキルです。 もちろん

          自閉症支援に“最も必要なスキル”って何?

          「自分より重度の人と一緒に働くのがしんどい」

          こんにちはこんばんわ、OKUです。 今回は、就労Bで働く方(軽度の知的障害者ご本人)から以前いただいた悩み相談についてお話します。似たような相談が何度かあったし、就労に通っている方で同じような悩みを抱えている方が多いと思います。よかったら読んでください。 ★相談内容「自分は軽度知的障害で、中~重度の知的障害者や自閉症者と何人かでグループになって一緒に働いている。自分が一番障害は軽くて、もっとできるのに…と思うけど、重度の人に合わせて仕事するように支援員に言われる。注意する

          「自分より重度の人と一緒に働くのがしんどい」

          「わかりません」が答えです。

          こんにちはこんばんわ、OKUです。 今回は、「わかりませんが答えです」というお話をしようと思います。 どういうことかというと、「いくら知識を詰め込んでも、専門家に言われたことを実践しても、結局正解なんてわかりません。」というのをお伝えしたいんですね。 発達障害や知的障害の当事者の方やご家族の方から質問をいただくと、この根本的なところを理解していないケースが多く見受けられるので、その辺を少し詳しく説明します。 とても大事なことなので、ぜひ読んでください。 ★よくある質

          「わかりません」が答えです。