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日記のような作品

ねむたい、昼まで寝たのに。
桃タルトを食べる、いつもの場所で。

いつものように日記を書き、
いつものように本を読む。

冷めきった珈琲を飲み干し、
二杯目を淹れる。
生ぬるくてちょうどいい

私はいまとても満たされている。
大切な人たちに囲まれて、ひとりの時間も自由に過ごせていて
掃除をしたり、写真を撮ったり。
お母さんに植物の様子を送ったり。
妹から旅行の誘いがきたり。

変わり映えしない、
誰にも見せることのない、
忘れてしまうような大切な日々

入道雲がきれいで元気で泣きそうになった

おぼえていたい、
こういうことこそ

わたしは作られていないものが好きだ
当たり前のように過ぎていくような、何もしてなくてもあるような、記録をしないと形にすらならないような、そんなものが。

珈琲の泡、煌めき、
私の今のきもちや感覚、のこととか。

どうでもいい、意味などない、

君たちはどう生きるかの映画のどこが好きだったかって、意味がなかったことかもしれない
意味がないけれど美しいもの
言葉にできないけれど当たり前にあるもの

頑張らない、気取らない、魅せない

誰かに何かを伝えたいとかそういうのは苦手だ
そこにあるものがなんだか好きだから、置いておきたい、というか
そんなくらいの軽さでいたい

目で見えるように形にしたい
形にならないと忘れそうでこわい
大事でたまらないけれどちょっとも忘れたくないものを、もっともっと大事にするために形にしたい

思い出、
それは限りなく美しいものだと思う

この世の中に人の数分の思い出があると思うと

どんなに辛くても感じたことのひとつひとつが
今の私をつくっていて、それは奇跡のように儚くて尊い

言葉、そして何かわたしなりの形の仕方をみつけたい
そしてそれはただの、日記のようなものであってほしい