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絶対に採用したい「任せられる人材」の特徴

こんにちは、プレティア・テクノロジーズの牛尾です。ARクラウドという世界中に拡張現実(AR)コンテンツを届けるためのプラットフォームを開発しています。

CEOのみなさん、「あれもこれも自分でやらなきゃ…忙しい…」となっていませんか?CEOという役割はChief Everything Officerとも呼ばれるように、何でもやらないといけません。ただ、何でもやっているままでは事業も組織も大きくなりません。ぼくもそれで躓いていた時期がありました。

この状況をどうやって打破するか?

採用しかありません

しかし採用も万能ではなく、任せる人・任せ方を間違えるとかえって時間が取られるということにもなりかねません。どうやって時間を生み出すか?はCEOにとって永遠かつ急迫したテーマでしょう。

そこで今日は私見により、「こんな人を採れば任せられる!」という観点をお話しようと思います。題して「任せられる人材さしすせそ」。実際にこういう方々を採用して助かった、という経験をもとに書いていきます。

任せられる人材採用のゴール「CEOの時間を錬成すること」と置きます。

対象読者:
・「忙しい!」といつも言っているスタートアップCEO
・経営層に入りたいスタートアップ転職者
・どうしたら経営層に認められるか悩んでいる方
・どんな紹介をすれば顧客に最も感謝されるか考えている転職エージェントの方
・どんな紹介をすれば投資先を最も伸ばせるかを考えているVCの方

※ちなみに興味のある方は合コンさしすせそと比較は別にしなくていいです。


「さ」:  「サクッと見てください」

出ました。これを言われるとCEOは染み入るように頷きます。

すなわち1on1の使い方がうまいということです。

「サクッと」という言葉には相手の時間コストを下げようという意思があらわれています。毎日ミーティングに追われており、なるべく1件あたりの時間を短くしたいCEOにとって、これは非常にありがたい姿勢です。CEOが最も感謝するのは、CEOがいちばん大事なことに集中できるように、使わなければならない時間を最小化する工夫を、周囲が自然とやってくれることです。

「サクッと」と言うからには、そこにはドラフトが存在し、論点が明確化されていることでしょう。どっちに決めるか?何をブレストするか?何の情報を提供すればいいか?それが明らかなミーティングは、すぐに終わるし精神的な負荷も高くありません。

では、どうやったら採用候補者のうちにこの傾向を見出だせるか?だいたい面接の質疑応答で見抜けます。自分の働きたい会社かどうかを判断するため、「こういう情報をクリアにすれば決断できる」という論点を明確に持っているかどうかは、候補者との質疑応答に表れます。逆に、どんな会社で働きたいかふわふわしている感じであれば、おそらく普段のミーティングもふわふわ進むでしょう。

「し」:  「社長の仕事じゃないです」

これも決まりました。これを言われるとCEOの心には「ありがとう」が木霊(こだま)します。

これはすなわち上司の仕事を奪うということです。

ではどんな仕事を奪えばいいか。ざっくり言うと、下記のうち「CEOが本来時間を使うべきでないこと」カテゴリに属する仕事を奪いましょう

■CEOが本当に時間を使うべきこと
・長期のビジョン定義
・採用
・しくみづくり
・資金調達
・その他非連続成長を生み出すための、CEOの特技を活かした活動(広報、営業等)
■CEOが本来時間を使うべきでないこと
・方針が決まった後の詳細な要件定義
・方針が決まった後の詳細な企画作成
・方針が決まった後の詳細なしくみの落とし込み
・その他論点に対する案出し
・はんこ押し
・労務(社員からの質問対応等)
・コスト管理
・システムの権限付与

これらのうち、CEOが「本当に時間を使うべきこと」に集中できているかを見極め、「本来時間を使うべきでないこと」を誰かに任せられないか、を意識します。

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▲『鬼滅の刃』の炭治郎くらい「使うべきこと」に全集中したい

自分の仕事を省エネで終わらせることにフォーカスするのではなく、全社の優先順位の中で自分対CEOのインタラクションの緊急性(または非緊急性)を理解している人、というのはCEOにとって非常にありがたい存在です。

CEOを「本当に時間を使うべきこと」に集中させてあげられればあげられるほど、結果的に自分の仕事はやりやすくなり、職場に有能な同僚が増え、プロダクトが伸びていくはずです。逆に、CEOの時間を局所最適的に「本来時間を使うべきでないこと」に使わせるほど、結果的に職場環境も悪化し、プロダクトも伸びず、自分も損をします。

これは当然従業員に期待できる態度とは言えないため、逆に捉えればできると非常に付加価値が高いことだと考えています。

ではそんな人をどうやって採用するか?やはり面接で見抜けると思います。こうした方々の特徴として「自分に何を期待するか?」を質問してこられるというのがあります。そして、期待される役割を遂行できるかを判断するための、前提情報を集めにいく傾向があります。

「す」: Slackでスタンプめっちゃ押す

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素晴らしい。これを見かけるとCEOはニヤニヤが止まりません。

CEOの重要な仕事に社員の士気を高めるというものがあります。
士気を高める方法はビジョンや目的を語る等さまざまな手段がありますが、成果をホメるというのが行動心理学的にも非常に重要です。正しい行動(=成果を出すこと)に対して正のインセンティブを与えることで、正しい行動を継続するモチベーションが自ずと高まるというものです。

そしてテレワーク環境下(※Pretiaは感染症拡大をうけ完全テレワークをおこなっています)では、これは成果報告にSlackのスタンプを秒で連打するという方法で最も確実に達成できます。

ただ、ホメる行動をとること自体をホメる人は少ない、という問題があります。正のインセンティブを付与することには、正のインセンティブがすぐには働きません。

誰かをホメる行動を燃料の絶えない永久機関のごとく続ける行為には、たいへんな意志と忍耐強さをともないます。何十人、何百人と組織拡大するにつれ、ひとりが全員を分け隔てなくホメることは現実的に不可能になっていきます。そしてホメられなくなることで、組織の士気低下が起こるリスクが高まります。

そこでホメの分散化が必要になります。つまり、ホメられる人を増やすのです。

「す」=「Slackでスタンプめっちゃ押す」をおさえた人材の存在は、こうした組織拡大にともなう士気低下を防ぐ、現実的な解決策です。

こうした人は、実は面接それ自体ではなく、採用プロセス中のコミュニケーションで見抜けることが多いと感じます。日程調整等の最も事務的なやり取りの中で、それでも相手のポジティブな気持ちを返す性向があるか?がヒントになると思います。うやうやしすぎない程度がいいです。

「せ」: 「前職でやりました」

技ありです。これを聞いたCEOは、頼もしさを噛み締めつつ空を仰ぐことでしょう。

すなわち経験があるため、安心して任せられるということです。

米大手VC創設者のベン・ホロウィッツ著『HARD THINGS』でも、目の前の課題を解決するのに直接役立つ経験を持つ人を採用すべき、と説いています。経験があると、成果が着実にあがるという期待が高く持てます

誤解を恐れずに言うと、もちろんスタートアップでは新しいことを学んで実行していく力も大切です。あまりにも頑固に経験のあることしかやりたくない、という姿勢があるのは逆に問題だと思います。ただ元々持っている経験値が隣接領域にも発揮できると感じられるときが、会社の都合(高い成果)と個人の都合(キャリアアップやスキル成長)が最も強くシンクロする瞬間だと感じます。そういう意味で、やはり応用の基礎となる経験は重要だと思います。

また、インテル元CEOアンドリュー・グローブも、著書『HIGH OUTPUT MANAGEMENT』の中で「この場合(注: OJT、いわゆる”無茶振り”)の問題は、部下の授業料を顧客に払わせていることにある。これは絶対に正しくない」と指摘しています。任せた上で成功しなければならないのです。安心して任せきるためには、グローブいわくタスク関連習熟度(TRM)が高くないといけない、すなわち任せる仕事に関連する経験を持っているかどうかが非常に重要です。

関連する経験を持ち、成果が着実にあがるならば、モニタリングのコストも少なくて済みます。以前「任せる相手が経験を持っていれば任せ、持っていなければ伴走者を用意する」という趣旨のnote(下記)を書きましたが、前者で済むならばCEOの時間は節約され、別の重要なテーマに時間を振り向けることができます。

こうした人材は、面接を通して、丁寧にこれまでの経験と期待する役割とのマッチ度合いを推し量ります。このとき有効なのは「持っている経験はドンピシャではないが、応用可能なのではないか?」という問いを立ててみることです。会社の業務に対する理解が深いのは当然会社のほうなので、これは主に会社の役目です。これがYesであれば、それを丁寧に伝えてあげられれば、本人の入社意欲も上がると思います。逆サイドの求職者目線から見ると、こうした目線でさまざまな会社・ポジションを見ると、一気に世界が広がるかもしれません。

「そ」: 「そんな大したことやってないです」

何ということでしょう。ここまで聞いたらもうCEOはあなたに夢中です。

すなわち結果を出すのは当たり前、というマインドセットを持っているということです。自分が順当に成し遂げたことについては驕らないし、慢心もしない。ぶっちゃけ感謝も要らない。かっこよすぎる。

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▲『ハンター×ハンター』より、キルアのカッコいい台詞

会社や上司がホメたり、感謝を伝えたりするのが不要と言っているわけではありません。ホメられること、感謝されることが主な目的になると危うい、ということです。簡単にホメられない、成果を出すのが難しい段階まで昇進したとき、自分を支えるものがなくなるからです。

こうした態度は、成果に対する責任を引き受ける覚悟がある状態、とも言えます。これも誤解を恐れずに言えば、スタートアップは失敗の連続が当たり前なので、失敗すること自体を不必要に咎められることはほとんどありません。ただ、結果の責任を引き受ける覚悟で臨んでいるか、は実際に結果を出す上でほぼ不可欠と言っていいと思います。この姿勢を「オーナーシップがある」と呼ぶこともできます。いずれにせよ「ミスっても怒られないしいいや」と気が緩んだりすることは、こうした期待とは真逆の態度と言えます。

成果に誠実なプロ意識を持つ人材の特徴としては、面接を通して自分がどんな貢献ができるかについて多くの質問をする傾向があります。逆に、「どんな仕事をさせてもらえるか」「なぜ自分を欲しいと思ってくれてるのか」等が中心的な質問であれば、興味の中心が自分自身である可能性があります。それ自体は個性なので悪いというものではありませんが、配属やコミュニケーションに関しては、より注意して接する必要がありそうだと考えておいたほうがいいかもしれません。

おわりに: 「任せる方法」も大事

今回はCEOとの関係について書いていますが、これは事業部長であれエンジニアリング・マネージャとの関係であれ、同じことが言えると思います。ぜひご自身の状況に適用して考えてみてください。

また一方で、「任せられる人材」と表裏一体で大切なのは「任せる方法」の巧拙です。片方だけでもまあまあ上手くいきますが、この二つが揃ったときには劇的な成果を上げることができます。

次は「任せる方法」について自分なりの考えを書こうと思います。


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