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#3 オーストリア | ウィーンで味わった5分間の感動

11月28日 @ウィーン→プラハ

さて、これはたった2時間のうちの出来事だったとは思えないほどの緊張と感動を味わった話。今日の出来事である。今日の目標はウィーン中央駅からプラハに向けて10:39に出発する鉄道に乗ること、そしてその前に昨日休館だったウィーン国立図書館を見学すること。図書館の開館は10時。図書館と駅はタクシーを使えば12分。この39分間のうちになんとか図書館の見学をして、無事に列車に乗りたい。10:15に図書館を出発できれば、間に合うだろう。開館と同時に入場し、5分だけでも見学をしたい。一目でいいから見たかった。オンラインでチケットを前日に購入し、わたしたちは念入りにシミュレーションをして図書館へ向かった。

しかし、ここで別のハプニングが起きた。ふと財布を見るとクレジットカードが無い。なんだか嫌な予感はしていた。どうしてこうも勘って当たるのかしら。昨日は主に紙幣を使っていたはずで。最後にカードを見たのはたしかスーパー。セルフレジがカードしか使えず、カードを使ったのだ。ということで時間がない中、しかも生憎の雨が降る中、昨日のスーパへ戻った。カードの忘れものがないか確認してみたが、残念ながら見つからなかった。ひとまずもう時間がない。電話でカード機能を止め、気を取り直して図書館へ向かった。

いつもよりも気をつけていたのになあ、と自分のうっかりさに落ち込みながらも、無事に見学できることを祈った。9時40分頃、図書館に着くと「オープンは10:00ですぞ。」とドアマンのおじさんが立っている。1分でもいいから早く開いてくれと願いながらドアの真ん前に並んだ。願いが通じたのか9時56分、おじさんが「どうぞ。」と通してくれた。
一目散に入り口に進んだ。おじさんが「荷物はこっちに置きなさいな。」と荷物置き場を指して、重い荷物を運ぶのを手伝ってくれた。さっきカードを無くしたばかりなのに、無防備に荷物置き場に雑に荷物を置き(そういう自分の適当さに改めてうんざり…)いよいよ入り口へ。一番乗りである。

入った瞬間。目の前に広がったその空間があまりにも幻想的で、心の準備をする間もなく飛び込んだから、余計に圧倒されて、思わず涙が溢れた。

圧巻

わたしは、本が大好きだ。最近は電子書籍も主流だけれど(わたしもつい最近Kindleを買った)、こうして物体としての本の美しさはやっぱり永遠のものだと改めて感じる。長い間、こうしてここに大切に保管された本たち。たくさんの人がここに訪れ、この景色に心を打たれてきたのだという時の重み。こんなにも素敵な空間に沢山の本たちが存在している美しさに。全てに心が震えて、思わず涙が出た。

電車の時間があるのでたった5分だけ。たった5分、集中してこの景色を見て、目に焼き付けた。この気持ちを忘れないように心の中にぎゅっと想いを閉じ込めた。世界には本当に多くのまだ知らぬ場所があるのだと実感する。

胸が高鳴るまま、タクシーで駅へ向かう。ヨーロッパでは「bolt」という配車サービスが便利だ。そうして、なんとか間に合って列車に乗った今である。ウィーンからプラハへは「Regio jet」の列車に乗った。機内のような快適な空間でWi-Fiもあり、USBポートもあり、無料ドリンクもあり。さっきまで緊張状態が続いていた心がふっと緩んでいくのが分かった。4時間半ほどの列車旅もとても快適だった。ブダペストで買った持ち運びに便利なチェス板でチェスをしていたら移動もあっという間だった。

♟️


そうして夕方、プラハに到着すると、雪が降っていた。温暖な日本の冬を過ごしていたから、雪が降って、寒くて凍えるような冬がこの世界にちゃんとあることに少しホッとさえした。寒いのは少し苦手だけれど、でも四季の美しさは失いたくないなと日本人として思う。冬のなんだか人恋しくなる切ない気持ちも、家族で鍋を囲んで過ごすあったかい時間も、冬だからこそ。それぞれの季節の美しさや、楽しみ方がたくさんあることが日本の素晴らしさのひとつであるはずだから。環境問題について、これからも考えていきたい。

ホテルの窓から

プラハ中央駅から徒歩5分ほどの場所に今回はホテルを取った。スーパー好立地である。本当は各国の素敵なホテルにステイしたいが、今回のスケジュールではなかなかホテルでゆっくりする、という時間はとれないので最低限の設備が整っていればOKということで部屋を選んだ。でも睡眠は大事なので、安宿といってもしっかり個室でシャワー、トイレが完備された場所を。ブダペストの宿がスムーズに入れなかったこと以外はホテル選びは完璧だ。オーナーもチャーミングで優しかった。やっぱり旅の中で、どこに泊まるかって大事だよなあ〜なんてこともぼんやり考える。

さて荷物を置いて早速街へ。歩き出すとウィーンやブダペストとの雰囲気の違いを感じた。他の2か国よりも旧市街の雰囲気が一番残っているような気がした。道路も含めて石畳が多いせいか、道が狭く街灯はあるものの、少し暗いせいか。それでもどこか陽気で楽観的な雰囲気もある不思議な場所だった。カレル橋へ行き、橋の半分まで歩く。川沿いに行くと、より一層寒さを強く感じた。

カレル橋

今日は少し長めの移動で体も疲れていたので、観光はほどほどにし、宿のスタッフに勧めてもらったレストランでディナーを。「クライダ」というスープが本当に美味しかった。レシピを見つけたので帰ってからチャレンジしたい。もちろんチェコといえばのビールも。「Kozel」というビールをいただいた。飲みやすく、そして安い。チェコ人は年間1人あたり190リットルもビールを消費しているらしい。

きのこのポタージュのようなもの

食事のあと恒例のスーパーに行ったら、1.5リットルサイズのペットボトルのビールがあった。夫へのお土産に「Pilsner Urquell」の缶ビールを買った。

ペットボトルビール

他には「Orion」というチェコのチョコレートブランドがあったので、そちらもお土産にたくさん購入した。帰国したらブダペスト、ウィーン、チェコ、ドイツのチョコレートの食べ比べをやるのが楽しみだ。ブダペスト、ウィーンに比べると物価は少し安い気がした。

ホテルに戻り、スーパーで買ったチェコビールとポテチをお供にチェスをして、おしゃべりをして、そうして眠りについた。毎日8時間ほど寝ている。幸せだ。すっかりチェスにはまった私たち。今日もまたぐっすり眠れそうだ。

カレル橋

ウィーンへ行かれる皆さま、月曜日は図書館が定休日なのでお気をつけて!

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