マガジンのカバー画像

My Mythology ~新話de神話~

249
神話部投稿自分用倉庫。  ☆note神話部〖公式マガジン〗→ https://note.com/lentoy/m/me5e64a3aa3f1  ☆note神話部〖目次〗→ ◉部活… もっと読む
運営しているクリエイター

2021年6月の記事一覧

『玉と石の神話23』
その日、琥珀、トパーズ、青、紅、エスメラルダを伴い、金剛は王との謁見に望んだ。全員で跪拝する。
「よう集まってくれた。皆、顔を見せて欲しい」
瞬間、金剛を除く五人は魂を掴まれたような感覚を覚えた。それが王の声によるものだと、最初に気づいたのはトパーズだった。

『玉と石の神話22』
琥珀たちが金剛の元に集って数日。
「明日、王との謁見が決まった。まずは琥珀、トパーズ、青、紅、エスメラルダ…お主たちからだ。その後、順次、皆にも挨拶をしてもらう事になる」
トパーズは上目遣いで金剛を見ていたが、琥珀が何も言わない為か、特に毒づく事もなかった。

『玉と石の神話21』
「近く、御子たちに御目文字する機会があろう。さすれば、恐らくお前とトパーズならわかる。私が感じたことが…」
琥珀が片眉を顰めた。金剛の言葉に不吉な含みを感じたのだ。
「…なれば、その時を待つとしよう」
それでも、金剛を問い詰める事なく、更けゆく夜を見つめた。

『玉と石の神話20』
琥珀は急かしはしなかった。無言の間を経て、金剛が自ら口を開くまで。
「…始めは、この国に腰を据えるつもりなどなかった」
「一体、何がお前の気持ちを変えさせた?」
「我ら一族の進化…いや、退化、やも知れぬが、その片鱗を垣間見た気がしたのだ」
琥珀は首を傾げた。